2020年02月06日

白鷺あおい「ぬばたまおろち、しらたまおろち」

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 白鷺あおい 著
 「ぬばたまおろち、しらたまおろち」
 (創元推理文庫)


両親を失い、伯父の家に引き取られた綾乃。村祭の夜、サーカスから逃げたアナコンダに襲われた彼女は、危ういところを箒に乗った魔女に助けられる。魔女の正体は、村に来ていた女性民俗学者。怪我を負った綾乃は、救い主の母校で治療を受け、そのまま入学することに。だがそこは、妖怪たちが魔女と一緒に魔法を学ぶ奇妙な学校だった。第2回創元ファンタジイ新人賞優秀賞受賞作。−裏表紙より−


初めましての作家さんです。

久々にしっかりと濃い内容のファンタジーを読んだ気がします。

若干、話が長すぎて、だれが誰だったか混乱する部分もありますし、時代を超えて話が進むので、今がいつなのか、どういう状況なのかを把握するのがなかなか大変でした。

とりあえず、間を空けずに一気に読む方が理解しやすいかも。


綾乃という少女が、伯父さんの家で過ごす日常の様子からスタートします。

両親を亡くしたということ以外は、どこにでもいるような少女に思えるのですが、どうやら彼女には秘密の友達がいる様子。その友達は、人間ではなく、蛇でした。なぜか蛇と会話が出来る綾乃。

彼の住んでいる川で泳いだり、その日あったことを話したりするうちに、どんどん親しくなっていきました。何だか恋人同士のようです。

蛇と人間の恋??とちょっと引いてしまうのですが、とても純粋な2人なので何とか読むことが出来ました。

途中から雰囲気がおかしくなっていくんですけどね・・。蛇の名前はアロウ。アロウには何やら綾乃に言えない隠し事がありそう。親密になればなるほど、アロウの言動が怪しくなっていくので心配にもなりました。

もちろん、その秘密については後々明かされていくのですが。



伯父さんの家がある村には、民俗学者の女性が訪ねてきていました。その女性・由希恵は伯父さんの家に泊まることになり、きれいなその女性に綾乃は憧れを抱くようにして親しくなっていきます。


由希恵にお供して、あるサーカスを見に行った綾乃は、そこの見世物になっていたアナコンダを見ることに。ところが、アナコンダが逃げ出し、なぜか綾乃に襲い掛かってきてしまいます。

川に引きずり込まれるようにして襲われる綾乃を救ったのは、由希恵でした。しかも箒に乗っています。

瀕死の状態で救い出された綾乃を、どこかへ連れて行く由希恵。そのまま、由希恵が卒業した学校に行くことになりました。


その辺は、驚くほど展開が早いので、読むスピードもあがります。

綾乃が入学した学校は、魔女はもちろん、妖怪までが一緒に勉強する特別な学校でした。綾乃と同室になったのはのっぺらぼうの絵葉。彼女はなかなか頼りになる存在になってくれそうです。

学校生活は充実していますが、魔法の知識のない綾乃には大変です。とはいえ、蛇と会話出来るだけでも十分変わった能力をもっているということなんですけど。

そこで知り合った、由希恵の弟・雪之丞とは、仲良くなりたいのにいがみ合う、もどかしい関係に。彼はとても大きな役割を担っていくことになります。


最後の方にはどんどん恋愛要素が増えて行ったのでその辺が私的にはひっかかりますが、物語はまだ始まったばかりです。続きも読んでいくことにします。


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タグ:白鷺あおい