2020年01月24日

伊坂幸太郎「アイネクライネナハトムジーク」

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 伊坂幸太郎 著
 「アイネクライネナハトムジーク」
 (幻冬舎文庫)


妻に出て行かれたサラリーマン、声しか知らない相手に恋する美容師、元いじめっ子と再会してしまったOL……。人生は、いつも楽しいことばかりじゃない。でも、運転免許センターで、リビングで、駐輪場で、奇跡は起こる。情けなくも愛おしい登場人物たちが仕掛ける、不器用な駆け引きの数々。明日がきっと楽しくなる、魔法のような連作短編集。−裏表紙より−


この作家さんらしい作品で、どんどん繋がっていく爽快な話だったのですが、読んだのが昔過ぎて覚えていません・・。

世界って狭いんだな〜という感想は何となく覚えているのですが。

また時間があるときに再読して感想を載せます。


とりあえず、読んだ記録です。

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2020年01月23日

エリー・アレグザンダー「ビール職人の醸造と推理」

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 エリー・アレグザンダー 著
  越智睦 訳
 「ビール職人の醸造と推理」
 (創元推理文庫)


南ドイツに似た風景が広がる、ビールで有名なアメリカ北西部の町・レブンワース。町で一番のブルワリーを夫とその両親と切り盛りするわたしは、幸せな日々を過ごしていた―夫の浮気が発覚するまでは。わたしは家から夫を追い出し、新規オープンするブルワリーで働くことに。開店初日は大盛況。しかし翌朝、店で死体を発見してしまい―。愉快で楽しいビール・ミステリ登場!―裏表紙より―


初めましての作家さんです。

あらすじを読むと、アメリカの設定なのですが、ドイツの村を真似て作られた町ということで、読んでいるとどこだっけ?と何度か戸惑うときがありました。

調べてみると、本当にある町のようですね。実際にドイツの町を再現したような町だそうで、混乱しても仕方ないかな?と。先に写真を見ておけば良かったのですが、妙に古臭いイメージで読んでしまって、主人公の息子がPCを駆使して作業するのを読んで戸惑ってしまいました。

アメリカでビール造りというのも珍しいような気がしますね。ワインのようにこだわって作っている職人たちの話です。


でも、物語の冒頭は、主人公が夫の浮気現場を目撃する場面なんです。題名に合わない状況・・。

浮気相手は若い従業員となれば、怒り炸裂するのもわからなくもないですが、主人公の性格もどんな生活を送っているのかも、家庭環境も何も知らない状況でいきなり旦那を追い出す所から始まるので、一瞬置いて行かれた感じがしてしまいました。

夫を追い出した後は、少しずつ主人公の生活ぶりが明かされていきます。

どうやら、夫の両親が営むビール醸造所を手伝っている様子。さすがにそのまま手伝うわけにもいかず、別の新しく出来る店で働くことになります。

そこで色々なアイディアを出していく様子を見ていると、なかなかのやり手みたいだとわかってきます。料理の腕も良さそうです。そして何よりもビール造りの腕もかなりのもののようです。


これから順調に働いて馴染んでいくんだろうな・・と思ったら、死体発見!となります。

そういえば題名も「推理」と付いていましたね。

そこからは何となく事件のことも気にしつつ、色んな人を疑いつつ、店もうまく切り盛りしつつ話は進んでいきます。


はっきり言って、ミステリの部分はいらないんじゃないか?と思うほどあっさりしたものでした(というか、覚えていないくらいの結末でした)。

ミステリが無くても、ビール造りの奥深さや、ビールに合う料理の数々、町の雰囲気や、最低な夫の家族たちの素敵な人柄、かっこいい息子の存在などなど、面白い要素がいっぱいでした。

主人公のことはイマイチすきになりきれなかったのですが、それ以外の部分でも楽しめたので、もしシリーズ化するのであれば、続きも読んでみようかな?と思いました。


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2020年01月21日

本城雅人「騎手の誇り」

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 本城雅人 著
「騎手の誇り」
 (新潮文庫)


十二年前の落馬事故――。その真相を知るために、息子・和輝(かずき)も騎手となり、かつての父の好敵手で、不動のトップ騎手・平賀と同じ厩舎に入った。父は、本当は平賀に殺されたのではないか……。新人競馬担当記者・仁美(ひとみ)とともに事故の謎を追う中で、平賀のある秘密に気づいた和輝は、自らの身にも迫る危険を感じ取る。亡き父と息子の絆に涙する、長編ミステリ。『サイレントステップ』改題。−裏表紙より−


初めましての作家さんです。ネットで感想を読んで面白そうだったので読んでみました。

はっきり言って、競馬には興味もないですし、馬券を買ったこともありません。でも、なぜか日曜日にはテレビで競馬中継を見ている・・。全く興味はないのですが、家族で見る人がいたもので。

馬のことも、騎手のことも、勝敗についても、レース内容についてもわかりませんが、見ていると走っている馬のきれいさには惹かれました。

無駄な肉のない細い足腰、なびく鬣はとても魅力的です。そして、蹄の音もカッコいい!

どの馬が走りそうかなんてことはわかりませんが、漠然と「きれいな馬だな」程度の感想は浮かびます。

騎手の乗り方も素敵です。ものすごく大変な職業だろうということはわかっていました。とにかく乗るときの姿勢が大変そう。その姿勢をレースの間保っておいて、更には鞭を振ったり、何よりも馬を手綱一つで操っているなんて!


そんな浅い知識しかない私が読んでもわかりやすい内容でした。

ある騎手の成長物語でありながら、彼の父親の死亡事故の真相を探るミステリでもあり、読みごたえもありました。

レースでは決してはかり知ることができない、裏の努力の部分もたくさん知ることが出来ました。

それぞれ属する団体があって、その中でも優秀な馬に乗れるのは1人だなんて・・。全く知らなかったので驚きました。


馬主からの要請によって、騎手も選ばれて、勝ち馬に乗る騎手は始めから決まっていて、成績の良い騎手は勝てる馬に乗れるということなんですね。

たくさん勝てる騎手は、環境にも恵まれるってことで、その他の騎手は馬を選ぶことも、レースの進め方を自分で選ぶことも出来ない。なかなか大変な世界です。

新人の頃は雑用に追われるし、勝ちを収めるのもかなり大変そうです。


ミステリ自体はまあそんな感じだろうという収まり方でしたが、必要だったかな?という感じもしました。ミステリはなくても、ただ一人の騎手の成長物語でも良さそうです。

競馬って、レースそのものよりも、裏側の方が楽しいのかもしれないと思うようになりました。


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タグ:本城雅人

2020年01月16日

矢崎存美「ぶたぶたのティータイム」

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 矢崎存美 著
 「ぶたぶたのティータイム」
 (光文社文庫)


ふだん離れて暮らす母親を喜ばせようと、お邸のアフタヌーンティーにお呼ばれした凪子。新緑の庭に、英国風のお菓子とおいしい紅茶を運んできたのは、想像を超えた、とてもユニークな人物(?)だった―(「アフタヌーンティーは庭園で」)。中身は中年男性、見た目はキュートな、ぶたのぬいぐるみ。おなじみ山崎ぶたぶたが、周囲に温かい気持ちを広げていくファンタジー!
−裏表紙より−


新刊が発売されてしまったので、読む前にさっさと感想をUPしないと・・。


「アフタヌーンティーは庭園で」「知らないケーキ」「幸せでいてほしい」「カラスとキャロットケーキ」「心からの」の5編収録されています。


今回のぶたぶたさんは素敵なカフェを経営しています。

1話目では、お邸の庭園でのアフタヌーンティーに出張して、お茶とお菓子を提供しています。アフタヌーンティーって敷居が高いですよね・・。

普通のホテルでも気を使うのに、お邸で行われるなんて、どんな服を着たら良いかさえ迷ってしまいます。っていうか、手持ちの洋服では無理でしょう。そのためだけに何か買わないと、という気持ちにさせられます。

でも、お邸の素敵な庭園でのお茶だなんて、きっと心安らかになれて最高の時間になるんでしょうね。

緊張する場面ではありますが、そこはぶたぶたさんがきっと何とかしてくれるでしょうし、緊張を和らげてくれるでしょう。ぬいぐるみなのですから。

この話に出てきた女性は、母親との時間を楽しめたようです。


1話目も良かったですが、特に気に入ったのは「カラスとキャロットケーキ」というお話。

いじめを受けて悩んでいた少年と、トラウマになったカラスとの戦い。なぜカラスが苦手になったのか?その原因をすっきり解決させたら、カラスのことも好きになれる?? 好きになるとまではいかなくても、道にいても逃げずにいられそうです。

カラスとぶたぶたさんの攻防はちょっと面白かったです。

この少年はこれから前を向いて歩いていけそうで、ほっとしました。


他の話でも、出てくる人たちがぶたぶたさんのカフェで色々なケーキや洋菓子に癒され、ぶたぶたさんとの会話で和まされ、心が軽くなっていきます。

つまり、いつもの安定したぶたぶたさんですね。


そして、美味しそうなスイーツの数々。相変わらず、最高の組み合わせです。


新作は「シェアハウス」です。えー??ぶたぶたさんが管理人ってことでしょうか?読むのが楽しみです。


<ぶたぶたさんシリーズ>
「ぶたぶた」
「刑事ぶたぶた」
「ぶたぶたの休日」
「夏の日のぶたぶた」
「クリスマスのぶたぶた」
「ぶたぶた日記」
「ぶたぶたの食卓」
「ぶたぶたのいる場所」
「ぶたぶたと秘密のアップルパイ」
「訪問者ぶたぶた」
「再びのぶたぶた」
「キッチンぶたぶた」
「ぶたぶたさん」
「ぶたぶたは見た」
「ぶたぶたカフェ」
「ぶたぶた図書館」
「ぶたぶた洋菓子店」
「ぶたぶたのお医者さん」
「ぶたぶたの本屋さん」
「ぶたぶたのおかわり!」
「学校のぶたぶた」
「ぶたぶたの甘いもの」
「ドクターぶたぶた」
「ぶたぶたの花束」
「居酒屋ぶたぶた」
「海の家のぶたぶた」
「ぶたぶたラジオ」
「森のシェフぶたぶた」

「編集者ぶたぶた」


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2020年01月07日

12月のまとめ

九十九藤 (つづらふじ) (集英社文庫)九十九藤 (つづらふじ) (集英社文庫)
この時代に女性が男性を差し置いて差配になるってすごいことなんでしょう。当然ながら苦労が多い状況になりますが、芯の通った女性なので、かっこよく乗り切っていきます。途中から女性を面に出してきた感じがちょっと好みではなかったですけど、全てうまく解決出来て良かったのかも。
読了日:12月03日 著者:西條 奈加


あなたに謎と幸福を ハートフル・ミステリー傑作選 (PHP文芸文庫)あなたに謎と幸福を ハートフル・ミステリー傑作選 (PHP文芸文庫)
読んだことのある作品がいくつかありました。でも内容は忘れている物が多かったので、新鮮な気持ちで読めて良かったかも?
読了日:12月08日 著者:宮部 みゆき,近藤 史恵,加納 朋子,大崎 梢,矢崎 存美


最後の晩ごはん かけだし俳優とピザトースト (角川文庫)最後の晩ごはん かけだし俳優とピザトースト (角川文庫)
いよいよイガは俳優に復活か!?の巻。でも、情けない理由ではなく、しっかりした思いと決意をもっての諦めなので、ほんと成長したな〜と感心。まだ先は長そうです。
読了日:12月09日 著者:椹野 道流


ひかりの魔女 (双葉文庫)ひかりの魔女 (双葉文庫)
本当に魔女なのではなく・・・でも素敵なおばあちゃん。上品で賢くて何より思いやりにあふれた人。彼女と関わった人はみんな「自分が一番かわいがられている」と思うくらい、人との関係を深く築いていくおばあちゃんはとても素敵な人です。何でも都合よくいきすぎな気はしますが、人間関係を強く深く築いておけばこういう風に何でも好転するのかも??
読了日:12月19日 著者:山本 甲士


輝跡 (文春文庫)輝跡 (文春文庫)
大人の女性がたくさん出てきます。自分も大人の女性なのに、こんなに苦しい恋愛とかしてきていないので、共感できる部分がものすごく少ない・・。プロ野球選手の話ですが、野球を知らなくても十分楽しめる作品です。恋愛小説好きな方にお勧め。
読了日:12月24日 著者:柴田 よしき


ねこまたのおばばと物の怪たち (角川文庫)ねこまたのおばばと物の怪たち (角川文庫)
30分くらいあれば読めてしまう作品。大人にも子どもにもそれぞれの物語がある、っていうのは納得。継母と小学生、難しい関係です。きっかけは何でも、全てうまくまとまって心地良かったです。
読了日:12月25日 著者:香月 日輪


簡単に読めるのを入れて6冊だなんて少ない・・。相変わらずのスロー読書ですが、マイペースに読みたいと思います。

今年は、電子書籍にも手を出しているので、どんな読書生活になるか楽しみです。

posted by DONA at 15:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:まとめ