2019年06月24日

神楽坂淳「うちの旦那が甘ちゃんで」

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 神楽坂淳 著
 「うちの旦那が甘ちゃんで」
 (講談社文庫)


はっきり言って月也は「ぼんくら」である。月也とは沙耶の旦那で、風烈廻方同心を拝命している。のほほんとした性格から盗人を取り逃がすことが多く、小者(付き人)たちは愛想を尽かして次々と辞めていった。次の小者を誰にするか。考えあぐねていた沙耶が思いついたのは、なんと「自分」だった。―新感覚時代小説。−裏表紙より−



初めましての作家さんです。

ポップな雰囲気の表紙絵そのままに、軽いタッチで描かれた時代小説です。時代小説を読み慣れない人でも読みやすそうで、お勧めです。


「風烈廻方」というあまり聞きなれない役に就いている月也。風烈廻方とは、町奉行所の中の部署で、火事が起きないように風の強い日でも昼夜問わず見回る役のことだそうです。その同心として働いています。

同心というのは、1人で見廻るわけではなく、小者を連れていきます。小者に、犯人や容疑者を確保する際に必要な道具を箱に入れて担がせてついて来させるわけです。

同心は、さっと身軽に動けるように何も持たずに歩いているわけですね。何だか便利なのか不便なのかわからないですが・・。


ここに出てくる月也は、「ぼんくら」と陰で言われてしまうような人。それでよく同心なんかやってると感心しますが、読み進めるとなるほどと納得できる所もたくさんありました。頭の方はあまりよくないようですが、剣術の腕は確かで、大抵の人には負けませんし、義理人情に厚いので、良い采配を振るうこともあって「いいことしたね〜」と思うときもあります。

でもその分、その優しさに付け込まれてしまうことも多々あり、問題も多い人物です。

そんな同心のそばにいても、出世は見込めないから、小者も付いていたくないんですよね・・。まあわからなくもないです。働くのは楽そうですけど。


月也の奥さん・沙耶は、かなり頭の切れる女性です。良い人を妻にしたな〜とそこだけは評価したいくらいです。

沙耶は、自分の旦那が頼りないことをよく知っています。小者が居つかない理由もわかっているので、何とかしたいとは思うのですがなかなか。そこで思いついたのが、自分が小者になるということ。

これには月也が「格好悪い」と拒否します。そんなこと言っている場合か!と叱りたくなりますが、まあ妻に荷物を担がせてついて来させるのはかなり格好悪そうですからね・・。

とはいえ、自分で担いで歩くのもかなりみっともないので、沙耶にお願いすることに。

沙耶がついてきてくれるお陰で、事件もどんどん解決していきます。

沙耶は普通に捜査するのではなく、色んな知恵を働かせて解決に導いていきます。その方法は感心してしまいました。

ほんと、出来た奥さんです。


沙耶のお陰で出世もしていきそうな月也。まだシリーズは始まったばかりなので、今後の展開が楽しみです。


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タグ:神楽坂淳

2019年06月20日

風野真知雄「妻は、くノ一 星影の女」

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 風野真知雄 著
 「妻は、くノ一 星影の女」
 (角川文庫)


平戸藩御船方書物天文係の雙星彦馬は、天体好きの変わり者。そんな彦馬の下に、織江という嫁がやってきた。彦馬は、美しく気が合う織江を生涯大切にすると誓うも、わずか一月で新妻は失踪してしまう―織江は平戸藩の前藩主・松浦静山の密貿易疑惑を探るため、幕府が送り込んだくノ一だった。そうとは知らない彦馬は、織江の行方を追って江戸へ。様々な謎を解きながら愛する妻を捜す、彦馬の新たな暮らしが始まった!−裏表紙より−


初めましての作家さんです。 ネットで絶賛されていたので読んでみました。

初めての作家さんのときは、文章が慣れなくて始めが読みにくいことが多いです。この作品も例外ではなく、話に入りにくい部分がありました。


彦馬という天体が好きで、天体の話ばかり夢中になってしまう変わり者がいました。そんな彼になぜかきれいなお嫁さんがやってきます。美人なだけではなく、彦馬と話も合う織江のことをかなり気に入り、末永く幸せに暮らしていけると信じていたのですが、突然失踪してしまいます。

失踪直前に、織江が誰かと戦っているのを見た彦馬。でもそれは夜の闇の中で見たことなので、本当にそうだったかは確信がもてませんでした。

失踪してしまった織江のことが忘れられず悩む彦馬に、織江が江戸にいたという情報が入ります。

この時代、簡単に外に出ていくことが難しく、日数もかかることから、まだ若いのに隠居を願い出て、甥っ子に家督を譲って江戸へ旅立つことにしました。

たった一月一緒に暮らしただけの女性のことをここまで想い続けることが出来るのは、ある意味変わり者でもありますし、ちょっとうらやましくもあります。ここまで愛される織江は幸せ者です・・。


織江がなぜ失踪したのか?は、読者にはわかるようになっています。彦馬のいた藩を探っていたくノ一で、とりあえず任務を終えて戻っていたのです。とはいえ、まだ完璧に任務が終わったわけではなく、またこの藩のことは探ろうとはしているようですが、織江は面が割れているので違う人を使いそうです。


1作目は彦馬の江戸までの道中の様子と、織江のその後、そして江戸で彦馬がどんな暮らしをしていくのか?が描かれています。

純粋な彦馬が一方的に騙されているなら居たたまれないですが、どうやら織江も憎からず思っているようで、そこは救いです。

今後二人が再会する日がくるのか、出会うまでどんな生活を送っていくのか、シリーズはかなり続いているようなので、展開が楽しみです。


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タグ:風野真知雄

2019年06月19日

買った本

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 上橋菜穂子 著
 「精霊の木」
 (新潮文庫)


この作家さんのデビュー作だそうです。ちょっと雰囲気の違う作品でした。


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 柴田よしき 著
 「象牙色の眠り」
 (徳間文庫)


お気に入りの作家さんですが、時々こういう暗い内容の話があるんですよね・・。


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 知野みさき 著
 「舞う百日紅」
 (光文社文庫)


シリーズ2作目。大きなテーマが解決してしまって、大丈夫か?と今後が心配にもなります。


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 山本甲士 著
 「がんこスーパー」
 (ハルキ文庫)


ネットでの感想を読んで、面白そうだったので購入。サラッと読める作品でした。

2019年06月14日

鷲津名都江 監修・著「いっしょにうたおう♪ マザーグースのうた@」

これを「読書」というのはちょっと違う気がしますが、覚書を兼ねて載せます。


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 鷲津名都江 監修・著
 葉祥明 絵
 「いっしょにうたおう♪ マザーグースのうた@」
 (Jリサーチ出版)


はじめて英語を学ぶお子さまにピッタリ!
よんで、きいて、うたって、英語が自然に身につく♪
『キラキラ星』、『メリーさんの ひつじ』、『ハンプティ ダンプティ』など、17曲を収録!
監修と文は日本でのマザーグース研究第一人者、鷲津名都江、絵はボローニャ国際児童図書展グラフィック賞受賞作家、葉祥明。
美しく楽しい絵と共に、英語圏の文化にも親しめる。

「英語圏の子どもたちの言語獲得に、大きな役割を果たしているマザーグース。
楽しみながら、英語の弾むリズム、音、言葉の意味などを、いつのまにか学習していくのです。
英語の弾むリズムが不得手な日本人にとっても、楽しみながら英語を学び、
英語のリズムが身につく、またとない教材であることはいうまでもありません。」
鷲津 名都江 (オビより)

○ 英語と日本語を併記。
○ お子さま一人でも学べる
○ 英語独特のリズムがしっかり身につく
○ プレゼントや卒園・入学祝いにも大人気の絵本シリーズ
−出版社HPより−


私自身は子どもがいませんが、子どもに関わる仕事をしているので子どもたちに聴かせてみたくて、「本が好き」で献本申し込みしました。



まず、絵本を見て「色が鮮やかで柔らかくてきれい!」と思いました。子どもたちに見せると膝に座ってきて、ページを捲る度にじ〜っと食い入るように見ていました。次のページに捲ろうとすると手で阻止することもありました。

特に、「ハンプティダンプティ」と「ねこちゃんねこちゃん」のページが人気です。

色がきれいで、柔らかいタッチなので、小さい子どもは好きだと思います。


そして、肝心の英語の歌ですが。ちょっとダウンロードに失敗して、問い合わせすることになってしまいました・・。このまま聞けなかったらどうしよう?と不安になりましたが、丁寧に教えていただき、あっさりとダウンロード成功! ただ単に私のミスだったようです。

シリアルコードを入力する画面を出さないといけないので、絵本に書かれているアドレスにきちんとアクセスしないといけないようです。ご注意ください。


で、聴いてみました。小鳩くるみさんが歌っています。この本を監修している鷲津さんの芸名だそうです。ロンドンの大学にいたことがあるようで、英語の発音はイギリス英語という感じです。歌のおねえさんをされていたそうなので、きれいな歌声で聴きやすかったです。

英語だけをうたわれるのかと思ったら、続いて日本語訳での歌もうたわれました。これにはちょっと違和感が・・。

どんな意味なのかは知りたいので、絵本には日本語訳があった方がいいと思いますが、うたうのは要らない気がしました。

結局、マザーグースって、歌詞の意味があるようで無いわけで、英語の語呂だったり発音や韻を踏むことの面白さが醍醐味ですから、それを直訳してそのままうたうのは違う気がしました。

読み聞かせるときは日本語があった方が良いですし、その方がよく見ていましたけど。

子どもは英語も日本語も聴いて身体をユラユラさせていました。静かですが、明るい感じの曲調が多いので聴きやすかったようです。


最後の方にきちんとそれぞれの曲の解説が書いてあって、それを読むのも楽しかったです。日本語になると残酷な歌詞なのでなんでこんな歌詞の歌をイギリスの子どもは好きなんだろう?と疑問に思っていましたが、リズムや音が楽しいんですね。

そういえば、日本にもちょっと怖い歌詞や意味のわからない歌詞の童謡がありますね。それと同じ感じなんですね。


きちんとダウンロード出来たので、今後もさり気なく聴かせていきたいと思います。少しでも英語に親しんでくれたら嬉しいです。そのうち真似してうたうようになるかな?? 楽しみです。


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2019年06月12日

買った本

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 近藤史恵 著
 「スーツケースの半分は」
 (祥伝社文庫)


大好きな作家さんなので購入。出不精な私ですが、ちょっと旅に出たくなるような話でした。


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 高田郁 著
 「あきない世傳 金と銀 六 本流篇」
 (ハルキ文庫)


いよいよ江戸へ!な六作目。前途多難な展開は続く・・。


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 伊坂幸太郎 著
 「サブマリン」
 (講談社文庫)


お気に入りの作家さんなので購入。「チルドレン」が面白かったと思うので続編も。

2019年06月11日

伊岡瞬「代償」

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 伊岡瞬 著
 「代償」
 (角川文庫)


平凡な家庭で育った小学生の圭輔は、ある不幸な事故をきっかけに、遠縁で同学年の達也と暮らすことに。運命は一転、過酷な思春期を送った圭輔は、長じて弁護士となるが、逮捕された達也から依頼が舞い込む。「私は無実の罪で逮捕されました。どうか、お願いです。私の弁護をしていただけないでしょうか」。裁判を弄ぶ達也、巧妙に仕組まれた罠。追い詰められた圭輔は、この悪に対峙できるのか? 衝撃と断罪のサスペンスミステリ。−裏表紙より−


初めましてかと思ったら、実は二作目だった作家さんです。以前読んだ作品のことは覚えていません・・。前の方は珍しい話だったようなので、この作品の方がこの作家さんらしいのかもしれません。


二部構成で描かれています。第一部では、圭輔という小学生が、ある事故をきっかけにその平和な暮らしから一気に転落し、遠縁の同学年だった達也とその母親と暮らすことになります。

この達也というのがかなりの曲者で、彼の言動を読む度に怒りと気持ち悪さが止まりませんでした。本当に小学生なのか!?と何度も疑ってしまいました。育て方ひとつでこんなにねじ曲がってしまうものなのか、と思うと恐ろしくもありました。 達也の母親もまたひどい人で・・。2人で共謀して、素直などこにでもいそうな平均的ともいえる純粋な小学生の圭輔を貶めていく様子は、辛くて仕方ありませんでした。


そして、第二部では、すっかり大人になった圭輔が逆境に負けず弁護士になっています。あんな環境で育って、どうやって司法試験を受けられたのか?とても不思議ですが、その答えは後々明かされていきます。 彼にも見方がいたというのが本当に救いでした。

弁護士となった圭輔の所に、達也から依頼が。とても丁寧に頼まれるのですが、あの達也ですからそんな殊勝な態度のまま終わるわけもなく・・。

心配は当たりどんどん追いつめられていく圭輔。いつまで苦しめられるのか・・と読むのがしんどくなりました。でも展開が気になって次々読み進めることになるのですが。最後は大逆転してくれると信じて読みました。


結局、最後までスッキリ爽快!という解決ではありませんでしたが、今後はきっと達也とその母親に苦しめられることはなさそうなので、ホッとはできました。


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タグ:伊岡瞬

2019年06月10日

西條奈加「睦月童」

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 西條奈加 著
 「睦月童」
 (PHP文芸文庫)


ある東北の村から日本橋の酒問屋に招かれた、不思議な目を持った少女・イオ。酒問屋の跡取り息子・央介は、その目を見たことで激しい良心の呵責に襲われ、かつて自分が犯した罪を償おうとする。やがて更生した央介とイオは、彼女の目を使って、江戸で起こる数々の事件を解決していくことになるが・・。青年と少女の交流と成長を通して、「罪と向き合う」ことの意味を描いた、感動のファンタジー時代小説。−裏表紙より−


ファンタジー時代小説というジャンル。この作家さんは得意なジャンルですね。


ある大店にやってきたみすぼらしい感じの少女・イオ。彼女は大店が招いてきてもらったのです。彼女の目を見た大店の跡取り息子・央介は、突然怖がり苦しみだし、自分のお明日罪を償おうとします。央介はあそび人で、仲間とつるんで色々と問題を起こしていたのです。でも、イオの力で改心し、仲間と共に償いを始めます。

その後もイオは江戸に残り、央介と共に過ごすうちに、町でイオの目を怖がる人を見つけては、どんな問題を抱えているのか調べ、助けていくことに。


イオは不思議な力を持っているのに、とてもあどけない少女で、言動が普通の少女と変わらずかわいらしかったです。そんなイオに愛情を感じた央介との関係がほのぼのしました。


でも話はそのままほのぼのとは終わらない・・。できればこのまま2人は楽しく幸せに過ごしてほしかったのですが、そうならないのが悲しかったです。


イオの出生の秘密が明らかになる頃には苦しくて辛くて何度も泣いてしまいました。 最後までスッキリはできませんでしたが、それでもきっとイオも央介も幸せなのだろうと思えて終われたのが救いでした。


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2019年06月07日

ジョアン・フルーク「ウェディングケーキが待っている」

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 ジョアン・フルーク 著
  上條ひろみ 訳
 「ウェディングケーキが待っている」お菓子探偵ハンナシリーズ19
 (ヴィレッジブックス)


ニューヨークで開催されるデザートシェフ・コンテストに出場することになったハンナ。ロスとの結婚式をレイク・エデンでささやかに挙げ、ハネムーンをかねてニューヨークに向かう予定だったが、急遽コンテストの日程が早まり、式は後回しになってしまう。あわただしいままコンテストが始まり、実力派揃いのなか好調な滑り出しを見せていたハンナだったが、またまた彼女の死体レーダーが発動して・・・。−裏表紙より−


前作で、読むのをやめようか?と思ったのですが、一応どうなるのか見てから考えることにしました。

今まで18作に渡って、マイクとノーマンからのプロポーズを拒否し続けてきたハンナですが、元カレのロスとはサラッと結婚することに。

えー!?結局、元カレ? ほんとにびっくりです。しかも、プロポーズを受けたとたんさっさと結婚式を挙げようとしています。でも、同じ時期にデザートシェフコンテストが行われることになったので、ちょっと延期されることに。

シリーズを今まで読んできた人なら、今回、どんな事件が起こるか想像できるでしょう。いつもハンナの邪魔になる人が殺されるわけですから、コンテストの誰か・・。具体的に誰なのか?は書きませんが。


今回もコンテストに参加しつつ、結婚式に想いを馳せつつ、事件を調査。犯人は誰か?はいつものようにどうでもいい感じ。そして、いつものように突然わかってしまう・・。


ハンナの結婚に対して、マイクとノーマンがどんな反応をするのか、それが一番気になっていたのですが、2人はほとんど怒りません。どれだけ良い人なんだ! というか、お人好し過ぎて呆れます。

「これからも友だちだよ」となるであろうことは何となく想像できていましたが、ここまでとは・・。すごい人たちです。


このままハンナの結婚生活は順調にいきそう・・かと思ったら、何やら怪しい雰囲気もあります。
何だか、どうでも良いや!という気分になってきましたが、やっぱり次も読むのでしょう。

ほんと、不思議な魅力のあるシリーズです。


<お菓子探偵ハンナシリーズ>
「チョコチップクッキーは見ていた」
「ストロベリーショートケーキが泣いている」
「ブルーベリー-マフィンは復讐する」
「レモンメレンゲ・パイが隠している」
「ファッジ・カップケーキは怒っている」
「シュガークッキーが凍えている」
「ピーチ・コブラーは嘘をつく」
「チェリー・チーズケーキが演じている」
「キーライム・パイはため息をつく」
「キャロットケーキがだましている」
「シュークリームは覗いている」
「プラムプディングが慌てている」
「アップルターンオーバーは忘れない」
「デビルズ・フードケーキが真似している」
「シナモンロールは追跡する」
「レッドベルベット・カップケーキが怯えている」
「ブラックベリー・パイは潜んでいる」
「ダブルファッジ・ブラウニーが震えている」


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2019年06月05日

山口恵以子「恋するハンバーグ 食堂のおばちゃん2」

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 山口恵以子 著
 「恋するハンバーグ 食堂のおばちゃん2」
 (ハルキ文庫)


トンカツ、ナポリタン、ハンバーグ、オムライス、クラムチャウダー・・帝都ホテルのメインレストランで副料理長をしていた孝蔵は、愛妻一子と実家のある佃で小さな洋食屋をオープンさせた。理由あって無銭飲食した若者に親切にしたり、お客が店内で倒れたり―といろいろな事件がありながらも、「美味しい」と評判の「はじめ食堂」は、今日も大にぎわい。ロングセラー『食堂のおばちゃん』の、こころ温まる昭和の洋食屋物語。巻末に著者のレシピ付き。−裏表紙より−


「食堂のおばちゃん」シリーズの2作目ですが、内容は1作目より前の話になっています。一子さんの若かりし頃のお話です。


有名ホテルで副料理長をしていた孝蔵が、実家の跡に洋食屋をオープンさせました。孝蔵の料理の腕はもちろん、妻・一子の美貌と気風の良さ、面倒見の良さが評判となり、人気の店になりました。

とはいえ、始めのころは、一流ホテルの料理人としてのプライドもあって、お客との距離が縮まらず苦労させられることもありました。孝蔵はとてもやさしい人なので、一子の口出しにも文句を言わず、取り入れるべきだと思えば、きちんと取り入れ、お客の舌に合うメニューを仕上げていきました。

おかげで人気の店となったのですが、色々とトラブルの起きます。 まあ、そうじゃないと話は成り立たないのですが・・。


6編に分けて、それぞれ問題が起きるわけですが、冷静に物事を判断する孝蔵と、お人よしで自らトラブルに巻き込まれに行っているようにも見える一子が、周りの力も借りながら解決していきます。


泣きそうになったり、思わず笑顔になったりするドタバタな話たちに、ほっこりしました。


巻末には美味しそうなレシピもあって、お得です。

シリーズの続きも描かれるのかな? まだまだこの食堂のドタバタが読みたいです。


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タグ:山口恵以子

2019年06月04日

5月のまとめ

あきない世傳 金と銀(六) 本流篇 (時代小説文庫)あきない世傳 金と銀(六) 本流篇 (時代小説文庫)
この時代は女性の名前で店が出せないという理不尽な状態なので、幸は苦労させられます・・。でも念願の江戸出店がいよいよスタートし、今後がますます楽しみです。きっとこのまま順調にはいかないんでしょうね。どうやって乗り越えて、どんな素敵な店にしていくのか最後まで目が離せません。
読了日:05月08日 著者:田郁


繕い屋 月のチーズとお菓子の家 (講談社タイガ)繕い屋 月のチーズとお菓子の家 (講談社タイガ)
サラッと読み終えました。最後の話はちょっと重めでしたけど、他は軽いタッチで読みやすかったです。・・というか物足りないくらいでした。悪夢を食べたら解放されるって安易で良いな〜。悪夢って見ることほとんどないですけど。
読了日:05月13日 著者:矢崎 存美


サブマリン (講談社文庫)サブマリン (講談社文庫)の感想
久しぶりの陣内さんに私も振り回された感じでした。でも彼は変な人ですけど、言っていることは正論で、意外と的を射ているからイラっとします(苦笑) 少年犯罪の難しさ、また考えさせられる内容でした。
読了日:05月22日 著者:伊坂 幸太郎


スーツケースの半分は (祥伝社文庫)スーツケースの半分は (祥伝社文庫)
想像していたのと表紙の青色はちょっと違うイメージですが、青いスーツケースは素敵ですね! 持つのは勇気がいりそうですけど、目立つし、前向きになりそうで良いかも。青いスーツケースを持って旅に出る人たちの物語で、読みやすくて面白かったです。自宅が大好きな私は旅に出たいとは思いませんけど、たまには良いかな?と思わされました。
読了日:05月25日 著者:近藤史恵


舞う百日紅: 上絵師 律の似面絵帖 (光文社時代小説文庫)舞う百日紅: 上絵師 律の似面絵帖 (光文社時代小説文庫)
2作目も面白かったです。相変わらず律と涼太の関係は進展がなくもどかしいのですが。律は少しずつ成長し、弟もたくましくなりました。周りの人たちの温かさにほっこりしながら読み終えました。大きなテーマの一つが片付いたので終わりに近づいたかと思いましたが、まだ続いているようでよかったです。
読了日:05月29日 著者:知野 みさき



全部で5冊。もう1冊読み切れると思ったのに無理でした・・。

何よりも、感想がたまりすぎて・・。忘れてしまいそうな作品もあるから早く書かないと!


特に印象に残ったのは「あきない世傳 本流編」「スーツケースの半分は」です。

posted by DONA at 14:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:まとめ