
三浦しをん 著
「政と源」
(集英社文庫)
東京都墨田区Y町。つまみ簪職人・源二郎の弟子である徹平の様子がおかしい。どうやら、昔の不良仲間に強請られたらしい。それを知った源二郎は、幼なじみの国政とともにひと肌脱ぐことにするが―。当年とって七十三歳の国政と源二郎は、正反対の性格ながら、なぜか良いコンビ。水路のある下町を舞台に老人パワーを炸裂させるふたりの、痛快で心温まる刃傷譚!−裏表紙より−
つまみ簪職人の源二郎と、幼なじみの国政。この2人の物語です。73歳の2人ですが、ずっと同じ町に暮らし、別々の仕事をしてきたのにずっとつかず離れず一緒にいました。でも、性格は正反対。
源さんは、73歳にして禿げた頭を赤やピンクの派手な色に染めるような破天荒な人。政さんは、真面目が服を着ているような堅物。正反対な方が意外と仲良くやっていけるのかもしれませんね。
そんな2人が巻き起こし、巻き込まれる日常の様々な事件がドタバタと描かれています。源さんの言動に呆れ、政さんの的確な突込みに笑い、楽しく読めました。
ただ、政さんが寂しそうなのだけが辛かった・・。身近にも政さんによく似た人がいるので、その人が思い浮かんで心が痛くなりました。自分の蒔いた種なんですけどね。
政さんには、源さんという何でも言い合える(言わなくてもわかってもらえる)相手がいるだけで幸せなのかもしれません。
今も現役で仕事をして、弟子もいて尊敬されている源さんのことが羨ましくて仕方のない政さん。 源さんが活き活きしているとやきもちを焼いてしまうのですが、それでもきっと源さんがいれば大丈夫。
そして、一人でも生きていけそうな源さんにも、やっぱり政さんが必要で、ほんと、素敵な関係です。
私も、こんな幼なじみがほしかったな・・・・。
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