2019年04月23日

「なさけ <人情>時代小説傑作選」

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 細谷正充 編
 「なさけ <人情>時代小説傑作選」
 (PHP文芸文庫)


差配から住人まで全員が悪党の長屋に引っ越してきた新住人をめぐる騒動(「善人長屋」)、人の縁を取り持つ“結び屋”が出合った、見合い相手に不可解な態度を取る娘の哀しき真実(「まぶたの笑顔」)、つらいお店奉公に耐えかねた幼い丁稚に、大旦那さまが聞かせた不思議な話(「首吊りご本尊」)など、書籍未収録作品や書き下ろし作品を加えた時代小説アンソロジー。ほろ苦くも心を揺さぶる珠玉の六作を収録。−裏表紙より−


女性時代小説作家さんたちによるアンソロジーです。新たな出会いに便利ですが、今回は初めての作家さんが志川節子、村木嵐だけでした。「なさけ」という題名にも惹かれたので、仕方ないですね。


西條奈加「善人長屋」坂井希久子「抜け殻」志川節子「まぶたの笑顔」田牧大和「海の紺青、空の碧天」村木嵐「地獄染」宮部みゆき「首吊りご本尊」の6編です。



子どもがいなくなるという話が2話もありました。昔はそれだけ“神隠し”的なことも多かったということなのでしょうね。
子どもの手を離したせいで行方不明になる・・これは想像しただけで胸が苦しくなる状況ですよね。子どもがいつか帰って来ると信じたい気持ちと、自分のせいで・・と責める気持ちで、今までの生活が出来なくなるのはわかる気がします。読むのが辛い話たちでした。


気に入ったのは田牧大和「海の紺青、空の碧天」です。姉想いの弟と、どっしりと動じず大人な姉、そしてその婚約者。3人の様子、人柄が素敵で、話もどうなるのか?とワクワクする展開でした。スッキリ爽快な結末でした。


そして、初読みの2人ですが。志川節子の話は読みやすく、面白かったので他も探してみようと思いますが、村木嵐の話はちょっと・・。ずっと暗い気持ちになる展開だったのでどうかな?と思いました。大人すぎ??



色々な作家さんの話が読めて、新たな出会いもあって、素敵なアンソロジーでした。また他のも読んでみたいです。


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2019年04月15日

買った本

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 五十嵐貴久 著
「セカンドステージ」
(幻冬舎文庫)


ネットでの感想を読んで面白そうだったので購入。あっさり終わった感じがありましたが、面白かったです。


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 横関大 著
「チェインギャングは忘れない」
(講談社文庫)


お気に入りの作家さん。しばらく積んでいましたが、やっと読みました。


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 アンソロジー
「Wonderful Story」
(PHP文庫)


5人の作家さんが「犬」になって描いたというアンソロジー。まだ途中までしか読んでいませんが、面白いです。

2019年04月08日

近藤史恵「昨日の海と彼女の記憶」

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 近藤史恵 著
 「昨日の海と彼女の記憶」
 (PHP文庫)


どちらかがどちらかを殺した?―。夏休みのある日、海辺の小さな町の高校生・光介の家に、母の姉・芹とその娘の双葉がしばらく一緒に暮らすことになった。光介は芹から、二十五年前の祖父母の死が、実は無理心中事件であったと聞かされる。カメラマンであった祖父とそのモデルを務めていた祖母。二人の間に何が起こったのか。切ない真相に辿り着いたとき、少年はひとつ大人になる。『昨日の海は』を改題。−裏表紙より−


大好きな作家さんの作品なので、とりあえずなんでも読んでみようと思っています。でも、時々「?」と思う作品があります・・。


高校生・光介の家に、母の姉がしばらく一緒に暮らすことになります。彼女(伯母)の「ことは全く知らされていなかった光介は、かなり戸惑います。東京からやって来た伯母は、祖父のやっていた写真店を再開させようとしている様子。

伯母が張り切るほど、母が元気がなくなる気がして心配になる光介。どうやら姉妹の両親(祖父と祖母)の死に何か隠されていることがありそうです。

そして、伯母から2人の死の謎を告げられます。光介は伯母の悩みを解決すべく、思いつくかぎり手伝っていきます。

昔のことなので、苦労させられますが、何とか真実にたどり着きます。でもそれを知って誰が得するのか?という気がしました。多少、スッキリは出来るのかな? でも誰にとっても嬉しいことではないので・・・。


出てくる人たちみんな、心に何か抱えている感じがしたのもあまり好きになれなかった原因かもしれません。もう少し明るく爽快な人がいても良いのに。まあ、内容が内容だけに変に明るい人がいてもおかしいかもしれませんが。光介も高校生らしくない落ち着きぶりでした。

とにかく切ない物語でした。


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2019年04月05日

買った本&背表紙も

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 伊岡瞬 著
 「代償」
 (角川文庫)


ネットでの感想を読んで面白そうだったので。疲れたときには読みたくない内容でした・・。


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 風野真知雄 著
 「妻は、くノ一(一)」
 (角川文庫)


こちらも、ネットでの感想を読んで面白そうだったので。どうなるのか気になる展開です。


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 ジョアン・フルーク 著
 「ウェディングケーキが待っている」
 (ヴィレッジブックス)


お気に入りのシリーズですが、前作で読むのをやめようか?と迷いましたが、とりあえず読んでみました。


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 西條奈加 著
 「睦月童」
 (PHP文庫)


お気に入りの作家さんなので、なんでも読んでみる予定です。ファンタジーでした。


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   背表紙はこんな感じ。角川は色分けがはっきりしていて探しやすいです。

2019年04月04日

矢崎存美「編集者ぶたぶた」

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 矢崎存美 著
 「編集者ぶたぶた」
 (光文社文庫)


小説家の礼一郎は、依頼をくれた編集者と初めて会う約束をした。待ち合わせの喫茶店に現れたのは、どう見ても小さなピンクの、ぶたのぬいぐるみ。これは夢だ、と思った礼一郎は、おもしろがって、ぬいぐるみに新作の構想を話し始めるが・・(「長い夢」)。編集者・山崎ぶたぶたは、本や雑誌を作りながら、出会う人々にも、元気をくれるんだって。大ヒットシリーズ!−裏表紙より−


初登場から20周年だそうです。おめでとうございます! 私が出会ったのは2011年「ぶたぶた日記」なので、8年前ですがそこから次々読み進め、しっかり追いつきました!

すっかりぶたぶたさんのファンです。いつか会ってみたいと!と願っています・・が、本当に目の前をタタッと走っていたらびっくりして固まる自信あり!ですけど。 とりあえず固まるのが終わったら、後をつけるかな?・・とか想像するのがまた楽しみの一つです。


今回のぶたぶたさんは編集者。なるほど、今まで色んな仕事をしてきていますが、これは無かったな〜。食べ物関係が多いですからね。作家さんにとって近すぎて描きにくいのもあるんのかな?

「書店まわりの日」「グルメライター志望」「長い夢」「文壇カフェをようこそ」「流されて」の5編で、作家さんや編集者、そして主婦などが癒され悩みをスッキリさせます。ぶたぶたさんは、基本的には編集者ですが、違うときもあります。どちらにしても、いつもふとしたときにタイミング良く悩んでいる人のそばに現れて、特に素晴らしい発言をしなくてもその存在感と声で癒してくれます。


特に気に入ったのは「書店まわりの日」です。ここに出てくる漫画家は対人恐怖症の女性。私も人見知りなので人と話すのがかなり苦手。共感できることが多くて、彼女が豚豚さんに助けられるのを見ていると、自分も少し癒された気がしました。


他の話もいつも通りとてもスッキリできる物ばかり。しかも、本の話ばかりではなく、きちんとグルメも出てきますから、相変わらずおなかが空きますよ。

さ、次はどんなお仕事かな??


<ぶたぶたさんシリーズ>
「ぶたぶた」
「刑事ぶたぶた」
「ぶたぶたの休日」
「夏の日のぶたぶた」
「クリスマスのぶたぶた」
「ぶたぶた日記」
「ぶたぶたの食卓」
「ぶたぶたのいる場所」
「ぶたぶたと秘密のアップルパイ」
「訪問者ぶたぶた」
「再びのぶたぶた」
「キッチンぶたぶた」
「ぶたぶたさん」
「ぶたぶたは見た」
「ぶたぶたカフェ」
「ぶたぶた図書館」
「ぶたぶた洋菓子店」
「ぶたぶたのお医者さん」
「ぶたぶたの本屋さん」
「ぶたぶたのおかわり!」
「学校のぶたぶた」
「ぶたぶたの甘いもの」
「ドクターぶたぶた」
「ぶたぶたの花束」
「居酒屋ぶたぶた」
「海の家のぶたぶた」
「ぶたぶたラジオ」
「森のシェフぶたぶた」


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2019年04月02日

今野敏「去就 隠蔽捜査6」

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 今野敏 著
 「去就 隠蔽捜査6」
 (新潮文庫)


大森署管内で女性が姿を消した。その後、交際相手とみられる男が殺害される。容疑者はストーカーで猟銃所持の可能性が高く、大正女性を連れて逃走しているという。指揮を執る署長・竜崎伸也は的確な指示を出し、謎を解明してゆく。だが、ノンキャリアの弓削方面本部長が何かと横槍を入れてくる。やがて竜崎のある命令が警視庁内で問われる事態に。捜査と組織を描き切る、警察小説の最高峰。−裏表紙より−


久しぶりの隠蔽捜査。前回は冴子さんがあまり出て来ず寂しかったのですが、今回はたくさん出てくれました。大きなテーマとして“ストーカー”というのがあり、女性の連れ去り事件が発生して捜査することになるのですが、それ以外に竜崎の娘と恋人の関係もおかしくなっていて、それを解決することになるのです。 娘も大変ですが、お陰で冴子さんがまたいい味を出しくれたのはファンとして嬉しい限りです。よくこんな変人の堅物と暮らしていけるな〜と毎回感心します。


今回も竜崎の大森署管内で事件が発生し、捜査本部が作られます。そうなると同期の伊丹刑事部長も登場し、彼とのやりとりにもニヤニヤさせられます。

そして、今回竜崎の足を引っ張るのは方面本部長の弓削。彼はノンキャリアなので竜崎の方がちょっと上のような、でも本当は弓削の方が立場は上で、ややこしい関係性です。こういう人って変にプライドが高いから大変です。ひがみ根性もあるせいで、竜崎が言う正論にいちいち引っ掛かってしまいます。

そんな彼と現場での指揮をめぐって争いに・・。どう見ても竜崎が正しいと思うのですが、やはり縦社会の厳しい警察ですから、命令系統が破られるとうるさいんですよね。正しいことをしたはずの竜崎の立場が危ぶまれます。


最後はとても気になる終わり方。もしかして竜崎は元に戻るのか? それは嬉しいような、でも出来れば彼には現場にいてもらいたいような複雑な心境になりました。

続きが気になるので、早く文庫化してほしい!!


<隠蔽捜査>
「隠蔽捜査」
「果断」
「疑心」
「初陣」
「転迷」
「宰領」
「自覚」



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2019年04月01日

3月のまとめ

ウェディングケーキは待っている (ヴィレッジブックス)ウェディングケーキは待っている (ヴィレッジブックス)
ノーマン、よく言った!と褒めたくなったとたんに、やっぱりどんだけ良い人なんだ!とあきれてしまいました。マイクもどうすればそんなに寛大になれるのか・・。さんざん待たせたのにそれで良いのかハンナ!と突っ込みどころ満載でしたが、サクサク読めるんですよね・・。続きはどうしよう??一年悩むことにしようかな?
読了日:03月01日 著者:ジョアン・フルーク


睦月童 (PHP文芸文庫)睦月童 (PHP文芸文庫)
不思議なお話でした。神様とのつながりの部分は辛すぎて読みにくかったですが、江戸での話はイオの可愛さと、話の内容の深さに次々読めました。何とかイオとルイだけでも幸せになってくれそうなので、それだけが救いでした。
読了日:03月12日 著者:西條 奈加


代償 (角川文庫)代償 (角川文庫)
第一部は、ただひたすら達也と道子親子の言動にイライラさせられ暗く陰気な気持ちにさせられ、第二部ではすっきり逆転!かと思えば、相変わらず何を企んでいるのかわからない達也の言動に、このままやられっぱなしで終わるのか?とハラハラさせられ、とにかく疲れる読書でした。でも結末が気になって次々読み進めないと気持ち悪かったです。最後は一応すっきりかな?救われない人が多すぎたので爽快な気分にはなれませんが。
読了日:03月16日 著者:伊岡 瞬


完本 妻は、くノ一(一) 妻は、くノ一/星影の女 (角川文庫)完本 妻は、くノ一(一) 妻は、くノ一/星影の女 (角川文庫)
時々、誰目線で描かれているのかわかりにくい描写があるのが気になりますが、くノ一と夫婦になった悲しみがあふれていて両方の想いが本当に切なかったです。続きも読もうかな?
読了日:03月25日 著者:風野 真知雄


うちの旦那が甘ちゃんで (講談社文庫)うちの旦那が甘ちゃんで (講談社文庫)
軽く読めて楽しい物語でした。甘ちゃんの旦那さんも素敵ですし、それを精一杯支える奥さんも素敵でした。なんでもうまく物事が運ぶのがありえないけど心地良かったです。
読了日:03月29日 著者:神楽坂 淳


全部で5冊。相変わらずの少なさです。

それよりも、どんどんたまっていく感想文を早く書かないと忘れる〜!

posted by DONA at 15:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:まとめ