2019年03月26日

シャンナ・スウェンドソン「カエルの魔法をとく方法」

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 シャンナ・スウェンドソン 著
  今泉敦子 訳
 「(株)魔法製作所 2nd season3 カエルの魔法をとく方法」
 (創元推理文庫)


オーウェンと晴れて婚約したケイティに、魔法界のマフィアのような謎の組織が接触してきた。彼らは以前からMSIの乗っ取りを企てており、その目論見はいったんは挫かれたものの、彼らの息のかかった社員が、いまだMSI内部に多数いるらしい。マーリンは一計を案じ、逆にスパイを送り込むことに。となれば適任なのは・・・ケイティ!? お待たせしました大人気シリーズ最新刊。−裏表紙より−

久しぶりにシリーズ新刊です。読んだのは4年半くらい前。待ちに待った新刊です。


いよいよ婚約したケイティとオーウェンですが、このまますんなり結婚というわけにいくはずもなく・・。

ケイティは前作までの数巻では、魔法が使えるようになったり、イミューンとしての能力がなくなったり、色々な目に合ってきましたが、今回は元の通りイミューンとしての活躍がみられます。ちょっとホッとできる展開。

ただ、MSIで働くわけではなく、ある組織に入り込むことになります。彼らは昔、ある組織を乗っ取り、全員をカエルにしてしまった過去をもつマフィアのような存在。今度はMSIを狙ってきたため、ケイティが裏切ったふりをしてもぐり込みます。

このマフィア組織が面白くて、今回もほぼ一気読み。あまりにも秘密裏な存在なので、働いている人でさえ会社の場所がわからないようにするためスモークを貼った車が迎えに来たり、出社後は外との連絡を絶つために、着てきた物を全て脱いで着替えて、私物は全て持ち込めません。ちょっとしたアクセサリーなどを持ち込んだだけでも警告音が鳴るほどの徹底ぶり。なかなか大変です。

でもそれ以外は手厚くて色々としてもらえるので楽しそうだなと。ちょっと働いてみたい気がします。食堂もエステもジムもなんでもあるんですよ。

そして、題名の「カエルの魔法をとく方法」は・・ちょっとグロイ。カエルがかけた魔法という意味ではなく、カエルにされた人をもとに戻す方法・・おとぎ話なんかである方法なので、想像するとゾッとします。キモイ〜!と叫びたくなる感じでした。とりあえず私は絶対にしたくない。婚約者がカエルになっていてもためらいそう・・。

とかキャーキャー思っているうちに読み終わりました。今回も楽しかったです。

さ、次はいよいよ結婚かな? どんな結婚式になるのか、楽しみに待ちます。


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2019年03月25日

坂木司「アンと青春」

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 坂木司 著
 「アンと青春」
 (光文社文庫)


アンちゃんがデパ地下の和菓子店「みつ屋」で働き始めて八ヶ月。販売の仕事には慣れてきたけど、和菓子についてはまだまだ知らないことばかりだ。でも、だからこそ学べることもたくさんある。みつ屋の個性的な仲間に囲まれながら、つまずいたり悩んだりの成長の日々は続きます。今回もふんだんのあんことたっぷりの謎をご用意。待ちに待ったシリーズ第二弾!−裏表紙より−


和菓子屋「みつ屋」で働くアンちゃんの成長物語第2弾です。

相変わらずしっかりしてかっこよくて更に美人でもある店長、ロマンチックで乙女なイケメン・立花くん、アンちゃんと同じ年だけど先輩で口が悪いけど優しい桜井さんという3人と共に毎日にぎやかにアルバイトしています。

今回も5つの短編で、和菓子の奥深さを知ることができ、アンちゃんも少しずつ成長しているのが見られます。


同じデパート内にできた洋菓子屋さんの新人さんと話すようになったことで、色々相談にのるうちにアンちゃんが悩むことになったり、自信のなさから空回りして、店長に怒られたり、そして客とのやりとりに悩むことも。

アンちゃんのウジウジと悩む姿は読んでいて腹が立つこともあります。そばに行って「しっかりしろ!」と喝を入れたくなるくらいです。

でも、周りに素敵な人たちがいてくれるので、必ず立ち直ってくれますし、確実に成長しているんですよね。それがわかるから読み終わるとスッキリ爽快な気分になります。


読んだら絶対に和菓子が食べたくなりますし、デパートの和菓子売り場をうろつきたくなるこのシリーズ。毎回お腹がすきつつ読んでいます。

続きもアンちゃんたちに会うために読むつもりです。

<和菓子のアンシリーズ>
「和菓子のアン」


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2019年03月22日

斜線堂有紀「私が大好きな小説家を殺すまで」

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 斜線堂有紀 著
 「私が大好きな小説家を殺すまで」
 (メディアワークス文庫)


突如失踪した人気小説家・遥川悠真。その背景には、彼が今まで誰にも明かさなかった一人の少女の存在があった。 遥川悠真の小説を愛する少女・幕居梓は、偶然彼に命を救われたことから奇妙な共生関係を結ぶことになる。 しかし、遥川が小説をかけなくなったことで二人の関係は一変する。梓は遥川を救うため彼のゴーストライターになることを決意するが・・・。 才能を失った天才小説家と彼を救いたかった少女―なぜ彼女は最愛の人を殺さなければならなかったのか?−裏表紙より−


初めましての作家さんです。ネットでの感想を読んで面白そうだったので読んでみました。


『憧れの相手が見る影もなく落ちぶれてしまったのを見て、「頼むから死んでくれ」と思うのが敬愛で「それでも生きてくれ」と願うのが執着だと思っていた。だから私は、遥川悠真に死んで欲しかった』という文章で始まるこの物語。この文章でグッと惹きつけられる感じがありました。

その後、誰かの遺書らしいということはわかります。どんな人が自殺したのか・・。

読み進めるとこの遺書の主は、小説家・遥川悠真が助けた少女・幕居梓だということがわかってきます。遥川悠真と共同生活を始めることになった梓。“少女”というくらいですから、さすがに同棲ではないのですが、保護者代わりという感じです。梓の母親はネグレクトなので、日々の生活に困っていた梓を見兼ねて「家に来ても良い」ということになりました。


梓は実は遥川悠真のファンでもありました。そばにいられることにただただ喜びを感じていたのですが、彼が小説を書けなくなったことで、少しずつ2人の関係に変化が。


この辺りから渡しは少しずつ置いて行かれた気がしました。遥川の気持ちはともかく、梓の気持ちがどうしても理解できなかったのです。彼を独占するために色々画策したり、彼の気持ちを想像して先回りして何かしようとしたり。更には愛するあまり殺さなければならないとまで思い詰める・・・。う〜〜ん。ある意味ここまで愛することが出来るのは、羨ましいような、ここまで落ちたくはないような。


これを暗く悲しい物語だと感じてしまった私は、まだまだなのかな?と思ってしまいました。


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タグ:斜線堂有紀

2019年03月18日

今野敏「継続捜査ゼミ」

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 今野敏 著
 「継続捜査ゼミ」
 (講談社文庫)


元刑事、警察学校校長を最後に退官した小早川の再就職先は三宿女子大学。「刑事政策演習ゼミ」、別名「継続捜査ゼミ」を担当し、5人の女子大生と挑む課題は、公訴時効廃止後の未解決の殺人等重要事案。逃走経路すらわからない15年前の老夫婦殺人事件だった。警察小説の名手が贈る、新たなる捜査が始まる!−裏表紙より−


大好きな作家さんなので、何でも読みたくなるのですが、シリーズが多すぎて追うのが大変で新シリーズに手を出すのをためらっていました。でも、面白かったので読んで良かったです。それに、ちょっと他のシリーズとは雰囲気が違うので混同しなくて良さそう。一応、これも警察小説になるのかな?


元・刑事で、最後は警察学校の校長をやってから退官した小早川が、再就職したのは女子大の准教授。そこで担当している「継続捜査ゼミ」が話の中心となります。ゼミ生は5人。彼女らと共にゼミの課題として、過去の事件を推理し、捜査します。

何て面白そうなゼミ! 大学でこんなゼミがあったらぜひ参加したい!


小早川は元刑事なので、コネを使って実際にお蔵入りした事件の資料を借り出して題材にします。これって大丈夫?と心配になってしまうほど詳しく後輩たちから聞き出し、細かいことまで知った上で捜査出来るので、本当に羨ましい!

素人がする捜査ですから、簡単に解決できないはずですが、「5人寄れば文殊の知恵」的なことと、ビギナーズラックのような感じで解決。まあこれは現実にはあり得ないでしょうけど。


事件の捜査も面白かったですし、ゼミ生のことも小早川や彼らを手伝う現職の刑事たちのことも気に入ったので、次も文庫化を待って読むつもりです。

しかし、また新たなシリーズにはまってしまったな・・・・・。


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posted by DONA at 15:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:今野敏

2019年03月07日

伊坂幸太郎「PK」

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 伊坂幸太郎 著
 「PK」
 (講談社文庫)


人は時折、勇気を試される。落下する子供を、間一髪で抱きとめた男。その姿に鼓舞された少年は、年月を経て、今度は自分が試される場面に立つ。勇気と臆病が連鎖し、絡み合って歴史は作られ、小さな決断がドミノを倒すきっかけをつくる。三つの物語を繋ぐものは何か。読み解いた先に、ある世界が浮かび上がる。−裏表紙より−


「PK」「超人」「密使」という3つの話からなるのですが、短編でもないし連作短編ともいいにくい内容です。最初から話は繋がっているのですが、それぞれ独立もしています。

この作家さんらしく、読み始めはよくわからない記述も最後にはきれいにつながっていく・・ということでもなかったのが残念でした。

そのせいで、最後まで読んでも理解できず。

解説を読んでちょっとわかった気がしましたが、感想文が書けるほどには理解できませんでした。

結局はあの嫌な虫が活躍する!?的な??


とりあえず、読んだ記録ということで。

 
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2019年03月06日

加藤実秋「モップガール」

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 加藤実秋 著
 「モップガール」
 (小学館文庫)


なんなのこの人たち? なんなのこの会社!?
高級優遇・初心者歓迎・・求人広告に誘われて、フリーターの桃子が就職した先は、事件・事故現場の後始末が専門の掃除会社だった。そこで働くのは、超犬好きの社長を筆頭に、売れない役者の重男、ギャルの未樹、イケメンだが不愛想な翔と、変人ばかり。 ようやく仕事にも慣れてきた桃子だったが、ある事件現場の清掃中、フラッシュバックに襲われる。  個性豊かな清掃員達が、桃子に起こる超常現象を手がかりに、事件や事故の謎に挑む日本初!お掃除サスペンス。
−裏表紙より−


初めましての作家さんです。


事件現場の掃除をする会社に入ることになった桃子。事件現場の掃除。たまに2時間ドラマなどで見かけますが、確かにいないと困る人たちですね。ただ、自分でやりたくない・・。清掃業者でも断る所が多いというのは納得できます。

桃子が入ったのは、変な社員ばかりの会社でした。まず社長。彼はほぼしゃべらない謎の多い人物。ただただ犬が大好きというのだけはわかります。そして、売れない役者で次の仕事の役柄になりきって性格さえも変わる重男、事務をやっているギャルの未樹、イケメンだけど性格がよくわからないこちらも謎の多い翔、という4人。そこに入った桃子も見た目は大人しくてまじめですが、実は時代劇マニアという珍しい女性。

私も時代劇は好きなので出てくる話は結構知っていましたが、さすがに彼女ほどのマニアではない・・。でも血生臭い事件の中で、彼女のマニアっぷりがちょっと話を軽くしてくれている気がしました。

そんな彼女は初めての現場以来、体調に異変が起こるようになりました。そこからどんどん事件に入り込んでいきます。変人たちと事件を解決していく桃子の成長も楽しめるようになっています。


マニアな感じと変人たちの様子が面白かったので、続編も読んでみようと思います。


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タグ:加藤実秋

2019年03月01日

2月のまとめ

パレートの誤算 (祥伝社文庫)パレートの誤算 (祥伝社文庫)
パレードだと思っていたからどういう意味だろう?とずっと考えていました・・。パレートね。生活保護と貧困ビジネスと役所・・色々問題が起こりそうなものばかり出てきます。生活保護受給者に対しては、近くで不正受給の人を見ていると怒りが湧きますが、必要な制度だとは思いますし、本当に難しいです。当然そこには裏のビジネスが絡んできますね・・そして役所も。色々考えさせられる話でした。
読了日:02月04日 著者:柚月 裕子


落ちぬ椿: 上絵師 律の似面絵帖 (光文社時代小説文庫)落ちぬ椿: 上絵師 律の似面絵帖 (光文社時代小説文庫)
初読みの作家さん。視点がよく変わるのが気になりますが、登場人物たちが魅力的で、話も面白くて気に入りました。シリーズ追いかけます。
読了日:02月07日 著者:知野 みさき


スターダストパレード (講談社文庫)スターダストパレード (講談社文庫)
シリーズの途中から読んだのか?と思うくらい、マモルと鷹原刑事の関係性がわかりにくかったですし、元妻の存在もよくわからなかったです。ハラハラする展開だったのに、一気に解決し過ぎて尻つぼみ感がすごかったです…。
読了日:02月13日 著者:小路 幸也


政と源 (集英社オレンジ文庫)政と源 (集英社オレンジ文庫)
身近に政のような人がいるので、時々心が痛くなる思いもしつつ、でも源がいる政のことが羨ましくもあり、複雑な思いで読み終えました。幼馴染というものに改めて憧れてしまいます。年をとっても遠慮なく相手のことが言えるなんて、良いですね。
読了日:02月20日 著者:三浦 しをん


恋するハンバーグ 食堂のおばちゃん(2) (ハルキ文庫 や)恋するハンバーグ 食堂のおばちゃん(2) (ハルキ文庫)
1作目では姑として出て来ていた一子さんの若かりし頃の物語。夫の孝蔵さんも素敵。本当に素敵な夫婦でただただうらやましかったです。一流だけど、暖かい家庭料理のような雰囲気もあって良い食堂です。美味しそうな描写もたくさんありました。
読了日:02月25日 著者:山口恵以子



全部で5冊。結構読めた気がしたのは気のせいでした・・。

posted by DONA at 15:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:まとめ