2019年02月26日

アミの会(仮)「アンソロジー 捨てる」

img_bd50087b64db2400392ad054b160db55636071.jpg

 アミの会(仮) 著
 「アンソロジー 捨てる」
 (文春文庫)


連作ではなく、単発でしか描けない世界がある―9人の人気女性作家が、それぞれの持ち味を存分に発揮し、今大変注目を集めている「捨てる」をテーマに豪華競作!女性作家ならではの視点で、人の心の襞をすくいとり丁寧に紡がれた9篇は、いずれも傑作ぞろい。さまざまな女たちの想いが交錯する珠玉の短編小説アンソロジー。−裏表紙より−


アミの会(仮)によるアンソロジーです。女性作家ばかりが集まってできた会だそうです。名前の由来はあとがきを読めばわかるようになっています。

収録されているのは9篇。

大崎梢「箱の中身は」ミステリーっぽくもあり、ちょっと不思議な雰囲気もありました。ただ、結局何だったのかイマイチ理解できず。自分の理解力の無さが情けない・・。


松村比呂美「蜜腺」嫁姑の確執の話。かなりイライラさせられる内容でした。そして、最後が怖い。でもちょっと気持ちはわかる気がするのが、自分でも怖いです。


福田和代「捨ててもらっていいですか?」ハラハラさせられる内容。でもちょっとほのぼのします。遺品を捨てるって難しそう。特にこの遺品は・・。



篠田真由美「forget me not」これも遺品整理の話。娘が母の家を片付けるのですが・・。自分のときはちゃんと片付けておかないと、と強く思わされました。


光原百合「四つの掌編」人形の話は怖そうなので途中でやめておきました。



新津きよみ「お守り」お守りをいつどうやって捨てる? 確かに悩みますね。捨てずに持っていたお守りを捨てたとき・・・。



永嶋恵美「ババ抜き」女性が集まると駆け引きが怖いです。これも色んな意味でゾッとさせられました。



近藤史恵「幸せのお手本」祖母に憧れていた主婦の話。これも結末はゾッとさせられました。でもある種よくある夫婦で、一線を越えるかどうかだけな気もします。


柴田よしき「花子さんと、捨てられた白い花の冒険」謎がいっぱいのミステリー。軽い感じなのに本格的でした。最後はすっきり解決して良い感じです。


彼女たちのアンソロジーは他にもあるようなので、文庫化されたら読みたいと思います。


↓ ランキングに参加中 ポチッ×2と押して下さるとうれしいです。

   人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

 

2019年02月25日

買った本

034300.gif

 柚月裕子 著
 「パレートの誤算」
 (祥伝社文庫)


お気に入りの作家さんなので購入。深いお話でした。


9784334773281.jpg

 知野みさき 著
 「落ちぬ椿」
 (光文社文庫)


ネットでの評判が良かったので購入。


9784758440943.jpg

 山口恵以子
 「恋するハンバーグ 食堂のおばちゃん2」
 (ハルキ文庫)


シリーズ2作目。ちょっと間が空いてしまいましたが・・。

2019年02月20日

伊坂幸太郎「陽気なギャングは三つ数えろ」

034451.gif

 伊坂幸太郎 著
 「陽気なギャングは三つ数えろ」
 (祥伝社文庫)


陽気なギャング一味の天才スリ久遠は、ひょんなことからハイエナ記者火尻を暴漢から救うが、その正体に気づかれてしまう。直後から、ギャングたちの身辺で、当たり屋、痴漢冤罪などのトラブルが頻発。蛇蝎のごとき強敵の不気味な連続攻撃で、人間嘘発見器成瀬ら面々は追いつめられた! 必死に火尻の急所を探る四人組だが、やがて絶体絶命のカウントダウンが!−裏表紙より−


お気に入りの作家さんのお気に入りのシリーズです。第3弾ですが、間が空きすぎて(約9年ぶり!?)中身をすっかり忘れていたので、読みながら思い出す状態でした。


4人のギャングの物語で、この4人についてはぼんやりとはいえ覚えていました。冒頭で銀行強盗をするのですが、その場面が好きなんですよね。悪いことをしているので“好き”というのも微妙なのですが・・・。

ぺらぺらと演説しながら人質を集めておとなしくさせる響野、スリの天才・久遠、人間嘘発見器であり堅物な成瀬、正確な体内時計を持つ雪子、という個性的なメンバーで、この4人が集まって問題に立ち向かう様子がとても面白いです。

何か問題が起こったときに、それぞれがどんな反応をするか予想して「やっぱり!」と当てたり、外れて「あれ?意外と・・」と驚かされたりするのも読む楽しみの一つです。


今回の彼らは、人助けからトラブルに巻き込まれるという何ともかわいそうな展開。ひたすら冷静に物事を把握して解決させようとする成瀬に、雪子も冷静に、でも時に熱くなりつつ立ち向かい、久遠は発端を作った本人であるにも関わらず妙に他人事のように第三者的な目線で立ち向かい、響野は1人バタバタしては物事をよりややこしくする役回り。

彼らのバタバタさに何度もニヤッとさせられながら読みました。最後まで飽きずに一気読みできました。


彼らの話はいくらでも書けそう。もっと読みたいです。次はもう少し早めに・・。


↓ ランキングに参加中 ポチッ×2と押して下さるとうれしいです。

   人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

 
posted by DONA at 15:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:伊坂幸太郎

2019年02月18日

中山七里「テミスの剣」

img_f070950a840a63101160f7753ab3f383905150.jpg

 中山七里 著
 「テミスの剣」
 (文春文庫)


豪雨の夜の不動産業者殺し。強引な取調べで自白した青年は死刑判決を受け、自殺を遂げた。だが5年後、刑事・渡瀬は真犯人がいたことを知る。隠蔽を図る警察組織の妨害の中、渡瀬はひとり事件を追うが、最後に待ち受ける真相は予想を超えるものだった!どんでん返しの帝王が司法の闇に挑む渾身のミステリ。−裏表紙より−


以前、ドラマをやっていたので録画したのですがまだ見ていません・・。原作を先に読むことにしました。


不動産業者の殺害と窃盗事件が発生し、渡瀬刑事とベテランの鳴海が捜査することに。そこで浮上した容疑者を逮捕し、強引な方法で自白させてしまいます。

容疑者は死刑判決の末、自殺をしてしまいます。なのに、5年後に別に犯人がいることが判明。

普通ならその事実を公表し、亡くなったとはいえ冤罪で逮捕され死刑判決を受けた人の名誉を回復させるべきなのですが、警察と言うのは隠蔽体質のようで、上司たちは何とかして隠そうとします。

渡瀬も公表したときの波紋の大きさを恐れてかなり葛藤し、信頼している検事や冤罪を作ることになってしまった裁判官にも相談しに行きます。

彼の苦しみはわからないこともないですし、勇気も必要だとは思います。でも、間違えたことを組織全体で公表し、そのミスをカバーできるようになるべきなのに・・と思うと、情けない気持ちになります。

唯一、裁判官と検事だけはまともでいてくれたことが救いでした。


現実社会でも時々聞かれる冤罪。人が人を逮捕して裁くことの難しさ、怖さを痛感させられました。


ドラマも見てみよう! どんなアレンジがされているか楽しみです。


↓ ランキングに参加中 ポチッ×2と押して下さるとうれしいです。

   人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

 
タグ:中山七里

2019年02月13日

柴田よしき「恋雨」

img_6a08281f8f24c8fc6f7a8990bf5ddf11928688.jpg

 柴田よしき 著
 「恋雨」
 (文春文庫)


不倫の恋に破れ、仕事も失った茉莉緒は、偶然の出会いから、伸び悩んでいる若手俳優・雨森海のマネージャーに抜擢される。だが、その直後、撮影現場で殺人事件が発生し、海の関与が疑われる事態に。奔流のごとき芸能界で必死にもがく茉莉緒は、海を守り切ることができるのか(『ミスティー・レイン』改題)。−裏表紙より−


大好きな作家さんの作品なので、内容も確かめずに読みました。

題名に「恋」という字が入っている時点で予想するべきでしたが、私の苦手な恋愛絡みの話でした・・。とはいえ、前半はミステリ色が強かったですが。


いきなりタレントと思われる女性が自殺し、それをマネージャーが発見する場面から始まります。

そして次の場面は、茉莉緒という女性が失業した所。つながりのない状態のまま話は進みます。茉莉緒が偶然出会ったまだ売れていない俳優・雨森海のマネージャーになることに。

タレントとマネージャー、そして芸能事務所。ここで始めの場面とのつながりが何となく予想されますね。

その後起きた殺人事件の容疑者にされた海。事件を解決させる・・というわけでもなく、いかに海を守るかに重点がおかれます。海の日常に事件がチラチラと出てくる感じです。

そして後半はどんどん恋愛話へ・・。

事件はあっさり解決しますが、それはあまり関係ない感じです。それよりも恋愛の方が重要になっています。となると、私にとってどうでも良い状態になるわけです。


マネージャーの裏側的な話としては楽しめますので、芸能界に興味がある人は面白いかも。とりあえず、それ以上でもそれ以下でもない感じでした。


↓ ランキングに参加中 ポチッ×2と押して下さるとうれしいです。

   人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

 
posted by DONA at 15:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:柴田よしき

2019年02月08日

池井戸潤「下町ロケット ガウディ計画」

下町ロケットガウディ計画9784094065367.jpg

 池井戸潤 著
 「下町ロケット ガウディ計画」
 (小学館文庫)


ロケットエンジンのバルブシステムの開発により、倒産の危機を切り抜けてから数年―。大田区の町工場・佃製作所は、またしてもピンチに陥っていた。量産を約束したはずの取引はあえなく打ち切られ、ロケットエンジンの開発では、NASA出身の社長が率いるライバル企業とのコンペの話が持ち上がる。そんな時、社長・佃航平のもとに、かつての部下からある医療機器の開発依頼が持ち込まれた。「ガウディ」と呼ばれるその医療機器が完成すれば、多くの心臓病患者を救うことができるという。ロケットから人体へ―。佃製作所の新たな挑戦が始まった。−裏表紙より−


佃製作所のシリーズ2作目。このシリーズも大人気ですね。この作家さんにしては、めずらしく銀行も絡まず話が進められました。

大企業ではなく「町工場」でロケットの重要な部品が作られ、その部品のお陰でロケットが打ちあがるという壮大なお話だった1作目。


確かな技術力さえあれば、大手にも負けない!かっこ良い集団である佃製作所ですが、またピンチに陥っています。


量産するはずの部品の取引が打ち切られ、ライバル企業とのコンペをすることに・・。相手はNASA出身の社長がやっている企業。それだけでもかなり不利な状況。相手との差をどこで出していくかが問題なのですが、佃側としては、やはり正確性です。

でもそれだけでは「NASA出身」の看板に勝つには弱い・・。悩んでいた所へ、元部下から医療機器の開発依頼が。それが「ガウディ」です。

多くの心臓病患者を救えるというその機器が作れれば、社会貢献にもなる上に、新たな道も開けます。とはいえ、今までとは全く違うジャンルへの挑戦。なかなかうまくいきません。

社長の佃は、信頼できる若手の社員に任せ、彼らのがんばりを見守っています。そして、戦うべきときは戦うその姿勢にまた惚れ惚れしてしまいました。


もちろん、ライバルのことは蹴散らすわけですが、それまでの紆余曲折から目が離せない展開が続き、読み応え十分でした。

まだ彼らの話は続いているようです。出来れば困難は少ない方が良いですが、難しい問題であればあるほど読みごたえはアップするので、複雑な心境になります。

文庫化を待って読むことにします。


↓ ランキングに参加中 ポチッ×2と押して下さるとうれしいです。

   人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

posted by DONA at 15:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:池井戸潤

2019年02月04日

1月のまとめ

カエルの魔法をとく方法((株)魔法製作所) (創元推理文庫)カエルの魔法をとく方法((株)魔法製作所) (創元推理文庫)
久しぶりのシリーズ!ワクワクしながら読みました。相変わらず無謀な挑戦をするな〜ケイティは。オーウェンとの仲はいつになったら前進するのか・・。簡単には結婚できませんね〜。それにしても、面白い会社でした。全て着替えないといけないこと以外は最高の職場環境かも。
読了日:01月06日 著者:シャンナ・スウェンドソン


去就: 隠蔽捜査6 (新潮文庫)去就: 隠蔽捜査6 (新潮文庫)
待ってました!の最新巻。ほぼ一気読みでした。相変わらず真っすぐで迷いのない竜崎に惚れ惚れしました。そして、冴子さんも最高! 現実世界で隠蔽事件が起こる度に「竜崎ばかりだったら・・」と思わされます。
読了日:01月09日 著者:今野 敏


編集者ぶたぶた (光文社文庫)編集者ぶたぶた (光文社文庫)
編集者か〜! 確かに今までなかったですね。作家さんにとっては近い存在だからこそ書きにくいというのはあるのかも。ぶたぶたさんに叱咤激励されたらやる気出そう! カフェも行ってみたいです。作家さんも編集者さんも大変です・・。解説に激しく共感しました。
読了日:01月13日 著者:矢崎 存美


昨日の海と彼女の記憶 (PHP文芸文庫)昨日の海と彼女の記憶 (PHP文芸文庫)
話がどういう展開をしていくのかが気になって次々と読み進めました。自分が祖父母のこんな過去を知ったらどんな気持ちになるだろう?と思うと複雑な心境になります。真実をはっきりと口にしないというお互いの気の使い方がまた良いと思いました。高校生と思えないくらいしっかりした主人公の将来も気になる所です。
読了日:01月22日 著者:近藤 史恵


なさけ 〈人情〉時代小説傑作選 (PHP文芸文庫)なさけ 〈人情〉時代小説傑作選 (PHP文芸文庫)
読みにくい(わかりにくい)話もありましたが、それぞれ面白かったです。西條さんの話は読んだことがありました。他は未読。迷子の話が2話もあるなんて。それだけ昔は迷子が多かったのでしょうね。怖い話もあってゾクッとすることも。他の作品も読もうかな?と思う作家さんもいました。
読了日:01月25日 著者:宮部 みゆき,西條 奈加,坂井 希久子,志川 節子,田牧 大和,村木 嵐


ファンム・アレース 1 (講談社文庫)ファンム・アレース 1 (講談社文庫)
久しぶりの香月さん。ちょっと人や動物が死に過ぎですけど、面白かったです。ドタバタ劇だけではない深みがある所が好きな感じです。この2人のその後が気になるので続きを読みます!
読了日:01月27日 著者:香月 日輪




全部で6冊。相変わらずの少なさですが・・。でもなかなか濃い読書だったかも。

どれも面白かったですが、特に印象に残ったのは「カエルの魔法をとく方法」「去就」です。

posted by DONA at 15:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:まとめ