2018年11月21日

横関大「グッバイ・ヒーロー」

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 横関大 著
 「グッバイ・ヒーロー」
 (講談社文庫)


立て籠もり現場にピザを届けることになったバンドのリーダー、伊庭亮太。だがそこにいたのは、腰の低いおっさんだった。託されたメッセージ。奇しくも今夜は大切なライブの日。だけど困っている人がいたら助けなければならない。おっさんと亮太の長い一日が始まる。次々くり出される意外な展開が止まらない!−裏表紙より−


数年前に読んで「お気に入りの作家さんが増えた」と喜んでいたはずなのに、ずっと読まずにいた作家さん・・。

久しぶりに手に取って読み始めたらやっぱり面白かったです。


まずプロローグで、ある少女がライブに行く様子が描かれています。どうやら彼女は一人で来ることになったようです。一緒に行くはずの友人が体調不良で参加できなかったようです。そのくらいの情報だけでプロローグは終わってしまいます。

本編になると、少女は出てきません。出てくるのはピザの配達のアルバイトをしている男性。バンドのリーダーもやっている伊庭亮太は、ピザの配達という仕事に誇りを持っています。

注文されればどんな所にでも運ぶ!という心意気を見せる彼ですが、そのせいで事件に巻き込まれることに・・。

立て籠もり事件の現場に届けた上に、そこにいた人質から伝言まで頼まれて、どんどん巻き込まれる亮太。人質であるおっさんと共に事件を解決に導き、いわくありげなおっさんのことも手助けしていきます。

しかも、大事なライブを控えている日に。


どんな結末を迎えるのか、おっさんが隠していることは何なのかが気になってほぼ一気読みでした。

プロローグのこともすっかり忘れていて、第二章になって「そういえば・・」と思い出すほど入り込んでいました。おっさんがどうなったのか、曖昧な結末でしたが、きっといい方向に進んでくれると信じられる感じでした。

それにしても、亮太は良い人すぎ! 人を信じる気持ちは強いし、親切心がすごい。お人好し過ぎ。こんな人、身近にいたらある意味うっとおしいのかもしれません・・。


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タグ:横関大

2018年11月08日

椹野道流「最後の晩ごはん 海の花火とかき氷」

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 椹野道流 著
 「最後の晩ごはん 海の花火とかき氷」
 (角川文庫)


兵庫県芦屋市。元俳優の海里の職場は、夜だけ営業の定食屋「ばんめし屋」。人間だけではなく幽霊も常連客という不思議な店で、それなりに楽しく働いている海里だが、近頃気になる事があった。誰かの気配と視線を感じるのだ。気のせいと割り切って、後輩の李英と芝居を見に行った帰り、海里は「シネ」という言葉とともに突き飛ばされる。その犯人は、視線の持ち主でもある「重い女」の幽霊、フミで……。癒し系お料理青春小説第9弾! −裏表紙より−


もう9作目になったんですね〜。まだもう少し新刊がありますが。

いつの間にかドラマ化もしたそうですが、実写化した物は霊が出てくるだけあって見たくないかも・・。


今回はまたなかなか怖い展開でした。目に見えない相手から「シネ」と言われて、しかも車道に向かって突き飛ばされるなんて怖すぎます!

しかも、更にひどい目にも合うことになるカイ。今回は本当にさんざんな目に合いました。

ロイドが活躍してくれて何とかなったのですが、彼がいなければ物語は終わっていたかも??

犯人の女性(幽霊)は、生前も結構面倒な女性だった様子。彼女が幽霊となったのは何だかわかる気がしますけど、それにしてもひどい幽霊だ・・。

お人好しのカイとロイドのお陰でどうやら成仏できそうなのは何よりでしたけど、彼女のようにならないようにしなければ!と、自分のことも反省してしまうような内容でした。

とにかく、人のことを恨まないように、憎まないように、イライラしないようにして生きて行こう! と心に誓って読み終わりました。

シリーズの中ではあまりその他の部分は前進していないような。彼らとのお別れが少しは遠のいた感じがしてちょっと嬉しくもあり、このまま続いて飽きてしまうのも嫌だとも思います。

どうか、良きところでハッピーエンドにしていただきたい。


<最後の晩ごはん>
「ふるさとだし巻き卵」
「小説家と冷やし中華」
「お兄さんとホットケーキ」
「刑事さんとハンバーグ」
「師匠と弟子のオムライス」
「旧友とおにぎり」
「黒猫とドーナツ」
「忘れた夢とマカロニサラダ」


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2018年11月07日

買った本

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 加藤実秋 著
 「モップガール」
 (小学館文庫)


ネットでの感想を読んで面白かったので購入。本屋で見つからず、ネットで購入しました。


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 アンソロジー
 「捨てる」
 (文春文庫)


好きな作家さんが何人か参加しているので読んでみたくなりました。


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 中山七里 著
 「テミスの剣」
 (文春文庫)


ドラマを録画したまま放置している作品。今読んでいます。

2018年11月06日

矢崎存美「NNNからの使者 猫だけが知っている」

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 矢崎存美 著
 「NNNからの使者 猫だけが知っている」
 (光文社文庫)


最近寂しさが身に染みる独身男藤本誓のもとに、やけに模様がくっきりとした三毛猫が現れるようになった。と同時に、会社からの帰り道、野良と思われる白猫が「お腹すいた」と猛アピールしてくるように。食べ物を与えるようになった誓は、次第に猫が飼いたくなり、ペット可物件に入居してしまう(表題作「猫だけが知っている」より)。今日もミケさんたちは、猫好きな誰かのことをじっと見ている!? ページをめくるたび、あなたも猫の魅力のとりこになる、モフモフ猫小説誕生!−裏表紙より−


NNNとは「ねこねこネットワーク」の略で、猫好きや猫を飼いたい人のところへ猫を派遣し、猫のしもべとして生きるように画策する謎の組織のことだそうです。

猫好きですけど、初めて聞きました。

ネットを調べてみると、都市伝説っぽい感じです。野良ネコに餌をやったら、その人の所にたくさんの猫が集まってくるようになったとか、飼っていた猫が亡くなって悲しんでいる人の前に、タイミングよく別の猫が現れるとか、そういう出来事がよく起こるそうで、それは全てNNNの仕業ではないか?ということらしいです。

猫って確かに謎めいた動物ですもんね。そういうこともやっていそうです。


この話は、そのNNNのことが描かれています。ミケさんと呼ばれる、NNNのボスっぽい三毛猫が組織を動かしているようです。まずは寂しさを感じている独身男がターゲットに。

猫を飼うつもりなんてなかったのに、野良猫になつかれてしまって、ついペット可物件に引っ越すほど猫を飼いたくなりました。

その他、猫を使って親子関係を修復することもありました。


私も猫好きなので、ターゲットにされそう・・でも、今の所全く飼おうとは思っていませんし、寂しさも感じていないのでダメかな??

仕事を引退してからでも、NNNから猫を派遣されていものです。

シリーズ化しているようなので、続きも読んで、猫の世界に浸りたいです。


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2018年11月01日

10月のまとめ

ふんわり穴子天―居酒屋ぜんや (時代小説文庫)ふんわり穴子天―居酒屋ぜんや (時代小説文庫)
ちょっと忘れかけていた細かい部分は気になりつつ、それでも楽しく読めました。第2弾も良い感じです。人間関係の温かさと美味しそうな料理の数々に満足しました。続きも読みます。
読了日:10月04日 著者:坂井 希久子


花だより みをつくし料理帖 特別巻花だより みをつくし料理帖 特別巻
久しぶりに澪たちに会えてものすごくうれしかったです。読み切ってしまうのがもったいなくて、特に最後の1話はなかなか読まずに置いてしまいました・・。またいつか気が向いたら番外編としてでも澪たちのその後を描いてもらいたいです。また会えるのを楽しみに・・。
読了日:10月11日 著者:田郁



最後の花束: 乃南アサ短編傑作選 (新潮文庫)最後の花束: 乃南アサ短編傑作選 (新潮文庫)
1話目から何の話なんだろう?と思って軽く読んでいたら思いっきりひっくり返されてびっくりしました。おおー!そんなオチなんだね??それ以降はワクワクしながら読み進め、1話毎にゾクッとさせられたりニヤッとさせられたり楽しみました。ほとんどがハッピーエンドじゃないのが素敵でした。平和そうな表紙なのに・・。
読了日:10月13日 著者:乃南 アサ



下町ロケット ガウディ計画 (小学館文庫)下町ロケット ガウディ計画 (小学館文庫)
やっぱり面白い! 中小企業でも技術力と大きくて強い志さえ忘れなければ大きな仕事に携われるということを教えてくれました。佃製作所の人たち、みんなかっこよかった!人を助けられる仕事って素敵です。誇りをもって仕事できるのも本当に素敵。次も楽しみにしています。
読了日:10月22日 著者:井戸 潤




全部で4冊でした。相変わらず少ない・・。とはいえ、濃い読書でした。

印象に残ったのは「花だより」「最後の花束」「下町ロケット」です。

posted by DONA at 14:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:まとめ