
横関大 著
「グッバイ・ヒーロー」
(講談社文庫)
立て籠もり現場にピザを届けることになったバンドのリーダー、伊庭亮太。だがそこにいたのは、腰の低いおっさんだった。託されたメッセージ。奇しくも今夜は大切なライブの日。だけど困っている人がいたら助けなければならない。おっさんと亮太の長い一日が始まる。次々くり出される意外な展開が止まらない!−裏表紙より−
数年前に読んで「お気に入りの作家さんが増えた」と喜んでいたはずなのに、ずっと読まずにいた作家さん・・。
久しぶりに手に取って読み始めたらやっぱり面白かったです。
まずプロローグで、ある少女がライブに行く様子が描かれています。どうやら彼女は一人で来ることになったようです。一緒に行くはずの友人が体調不良で参加できなかったようです。そのくらいの情報だけでプロローグは終わってしまいます。
本編になると、少女は出てきません。出てくるのはピザの配達のアルバイトをしている男性。バンドのリーダーもやっている伊庭亮太は、ピザの配達という仕事に誇りを持っています。
注文されればどんな所にでも運ぶ!という心意気を見せる彼ですが、そのせいで事件に巻き込まれることに・・。
立て籠もり事件の現場に届けた上に、そこにいた人質から伝言まで頼まれて、どんどん巻き込まれる亮太。人質であるおっさんと共に事件を解決に導き、いわくありげなおっさんのことも手助けしていきます。
しかも、大事なライブを控えている日に。
どんな結末を迎えるのか、おっさんが隠していることは何なのかが気になってほぼ一気読みでした。
プロローグのこともすっかり忘れていて、第二章になって「そういえば・・」と思い出すほど入り込んでいました。おっさんがどうなったのか、曖昧な結末でしたが、きっといい方向に進んでくれると信じられる感じでした。
それにしても、亮太は良い人すぎ! 人を信じる気持ちは強いし、親切心がすごい。お人好し過ぎ。こんな人、身近にいたらある意味うっとおしいのかもしれません・・。
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