
山田五郎 著
「知識ゼロからの西洋絵画 困った巨匠たち対決」
(幻冬舎)
「偉大な天才のダメッぷり」とも書いてある作品です。西洋絵画は昔から好きで、この題名に興味をひかれたので
「本が好き!」で献本申し込みました。
ダ・ヴィンチ対ミケランジェロ、デューラー対クラーナハ、カラヴァッジョ対レンブラント、モロー対ロセッティ、クールベ対マネ、ドガ対セザンヌ、ゴッホ対ゴーガン、の7対決が解説されています。
名前を聞いただけで作品まで思い浮かぶ画家(ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ゴッホ、ドガ、ゴーガン、マネ、セザンヌ)もいますが、名前を聞いてもピンとこなくて紹介されている絵を見て「あ〜、この絵の作者!」とわかる画家(レンブラント、クラーナハ)もいます。
作品も名前も知らなかった画家もいました・・。まだまだ知識が浅いです。
近い年代の画家同士を色々なダメさを強調して対決させていて、有名で天才な画家たちも人間なんだな〜と面白く読めました。この絵はそういう思いが込められているのか、とかこういう生活を送っている中で描かれたのか、とか勉強になることもたくさんありました。
これを知ってから絵を見たらまた違った感じ方をするのかもしれません。
特に驚いたのはカラヴァッジョ対レンブラント。カラヴァッジョは何と殺人を犯したそうで、逃げ回りながら絵を描いていたとか。なんでもありですね。一方のレンブラントは破産してしまって、大変な生活を送っていたそうです・・。
更にモロー対ロセッティ。モローはニートで、ロセッティはイケメンの浮気性。う〜ん・・画家も人の子なんですね。
そして、ゴッホは性格に難ありだったせいで仕事が続かず、弟・テオの資金援助を受けながら画家として活動していました。なのに自分を傷つけまくりで、最期も悲惨でした・・。ゴーガンは絵はうまいのに商売が下手で、選ぶ道全てのタイミングを外してしまって生活苦。辛い人生です。
天才というのは、何かしら性格が歪んでいたり、日常生活に支障が出たりするのかもしれません。真っすぐすぎたり情熱的過ぎたりしてうまく絵が売れないことも。
依頼者の望む絵を素直に描ける画家ばかりではないんですね。そのせいで苦しい生活を送る人が多かったようです。
そして、時代の先取りをする画家もまた辛い・・。売るためには、当然その絵を欲しいと思う人が必要なわけで、時代に合った人気のある描き方をしないと売れないんですよね。だから亡くなってから人気が出て(時代が追いついて)売れることも出てくるわけです。もっと楽な生き方あるだろうに、と何度も思わされました。
一番印象に残ったのはセザンヌのこと。個人的に今までセザンヌの絵画を見ても良いと思えなかったのですが、この著者が「セザンヌは絵が下手」とはっきり書いておられたのでちょっとすっきりしました! やっぱり下手なんだ〜。
また近くで絵画展があったら見に行くつもりなので、そのときはまた読み返そうと思います。
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