2018年03月26日

山口幸三郎「探偵・日暮旅人の遺し物」

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 山口幸三郎 著
 「探偵・日暮旅人の遺し物」
 (メディアワークス文庫)


目に見えない物を“視る”ことで事件を解決する探偵・日暮旅人が、待望の帰還! 保育園の帰り道、旅人に内緒で猫を拾った灯衣ちゃん。子猫のワタゲとの温かい日常を描く『テイちゃんと子猫と七変化』。  ヴェールに包まれた旅人の高校時代。そこには、旅人に寄り添った優しき兄妹との時間と、秘められた恋の物語があった――『君の音』。  ほか、嵐の洋館で像の呪いに旅人が挑む『像の殺意』、廃校の謎を紐解く『畢生の接ぎ』、旅人が五感を失わなかった世界を描く『愛の夢』など、本編では語られなかった物語全5編を収録した番外編。−裏表紙より−


前作で本編は終わったわけですが、これは番外編ということで書かれました。

過去に戻って、旅人の高校時代の話などが描かれていて、これを読むと、今はかなりマシになったんだと改めて思わされます。

昔はより一層偏屈で嫌な奴という感じ。

「像の殺意」はちょっと怖くて、寝る前に読んだせいで変な夢まで見てしまいました。謎が解かれたらスッキリできるかと思ったのですが、旅人の話はあまり後味が良い状態では終わらないので、微妙に暗い気分のまま読み終わりました。


「君の音」では旅人の心温まる話になっていて、これは読んで良かったと思える内容でした。旅人の人間らしい部分が垣間見れてホッとしました。


他の話はどうも好みではなくて、印象も薄くてサラリと読み飛ばした感じになりました。

内容もしばらくしたら忘れてしまうくらいでした。


このシリーズはまだ一冊あるようです。読もうか?止めようか・・??
気が向いたら読むかもしれません。


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2018年03月17日

近藤史恵「シフォン・リボン・シフォン」

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 近藤史恵 著
 「シフォン・リボン・シフォン」
 (朝日文庫)


乳がんの手術後、故郷に戻ってランジェリーショップをひらいたオーナーのかなえ。彼女のもとを訪れる、それぞれの屈託を抱えた客たちは、レースやリボンで飾られた美しい下着に、やさしく心をほぐされていく。地方都市に生きる人々の希望を描く小説集。−裏表紙より−


着飾ることに興味が無いので、当然ながら下着にこだわったこともなく、下着一つでそんなに気分が上がるものなんだろうか?と終始疑問に思いながら読み進めました。


親の介護に疲れた女性が、素敵な下着を選んで身に着けたことで、親には見咎められてしまいますが、きちんと意見が言えるようになり、それからは介護が少し気分的に楽になるという話が一番印象的でした。

それは1話目なのですが、その話ではランジェリーショップの店主・かなえにはほとんどスポットは当たることはありません。でも、次の話からはかなえの視点でも描かれるようになります。

かなえがどんな人生を生きてきて、どうしてこの店を開くことになったのかということも少しずつ語られて行きます。

かなえみたいな女性は実は結構いるのかもしれません。でも彼女の行動力は、私には全くない物なのでうらやましい気持ちになりました。

起業して、小さいながらも店を持って、人を雇って、楽しく仕事が出来たら素敵でしょう。

フワフワやリボンに囲まれる幸せ・・・はちょっと理解できませんが、好きなものに囲まれて仕事ができるのは幸せだろうな・・。


女性として色々と考えさせられる話たちでした。

男性にはちょっと難しい話かもしれません。


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2018年03月05日

椹野道流「最後の晩ごはん 忘れた夢とマカロニサラダ」

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 椹野道流 著
 「最後の晩ごはん 忘れた夢とマカロニサラダ」
 (角川文庫)


兵庫県芦屋市。雨の夜、定食屋「ばんめし屋」を訪れた珍客は、青年の幽霊・塚本だった。元俳優で店員の海里は、店長の夏神たちと事情を聞くことに。なぜか今までのどの幽霊よりも意思疎通できるものの、塚本は「この世に未練などない」と言い切る。けれど成仏できなければ、悪霊になってしまいかねない。困惑する海里たちだが、彼ら自身にも、過去と向き合う瞬間が訪れて・・。優しい涙がとまらない、お料理青春小説第8弾!−裏表紙より−


8作目になり、珍しい展開になっていました。始めの頃は店に霊がやって来るパターンがあって、そこから従業員たちに関連する人たちに憑く霊を何とかするというパターンに変化していたのに、今回はまた珍しいパターン。

店に霊がやって来るのは始めのパターンだったのですが、今回はその霊自身に何の未練も後悔もなくて、自分が霊になったことさえ意外とあっさり受け入れている感じ。

でもこの世にとどまっているからには何か未練があるはずで、このままいたら悪霊になりかねないということで、海里たちも相談にのることに。

とはいえ、ほとんど霊感の無い人にも何となく気配を感じられてしまうくらいの濃い霊なので、店が開店しているときはあまり出てきてもらえませんし、店が閉まっている時間は昼間なのでなかなか出てこれないし・・。

居場所が無いときは、空き家に入り込んだり、川べりに座ったりしているらしい彼。何だかかわいそうになります。


そして題名の通り、マカロニサラダが関連してくるわけですが・・。

マカロニサラダって大好きなんですけど、この話で出てくるのは「みかん缶」入り! ゲ〜ッ!

ポテトサラダにりんごを入れたり、酢豚にパイナップルを入れたり、生ハムメロンとか、本当に嫌なんですよね・・。

おかずに果物を入れるな〜!と声を大にして言いたい! すべての味が台無しになる気がします。

でも意外と人気になったみかん缶入りマカロニサラダ。しばらくは定番の小鉢として出されそうです。


最後の方には、やっと夏神に進展があります。これで少しは立ち直ってくれるかな? 立ち直ってくれないと、海里の将来の話が進まない・・。


<最後の晩ごはん>
「ふるさとだし巻き卵」
「小説家と冷やし中華」
「お兄さんとホットケーキ」
「刑事さんとハンバーグ」
「師匠と弟子のオムライス」
「旧友とおにぎり」
「黒猫とドーナツ」



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2018年03月02日

2月のまとめ

東京バルがゆく 会社をやめて相棒と店やってます (メディアワークス文庫)東京バルがゆく 会社をやめて相棒と店やってます (メディアワークス文庫)
ページ数も少ないし、あっさり読めそうな作品なのに、なぜかなかなか進まず。二人の性格がつかめないな・・と思いながら読んでいたら、最後に意外な展開があって、更に性格がわかりませんでした。続きは読むかどうか保留です。
読了日:02月01日 著者:似鳥 航一


生きる (文春文庫)生きる (文春文庫)
1話目からあまりにも苦しい内容でなかなか進まず困りました。2話目で少し気分が楽になり次々読めたのですが、結末がまた苦しかった…。最後の話も切なかったです。武士の時代は苦しく切ないことが多いです。
読了日:02月09日 著者:乙川 優三郎



マル暴甘糟 (実業之日本社文庫)マル暴甘糟 (実業之日本社文庫)
何とも情けない頼りない雰囲気の甘粕刑事。でも彼がどんどんかっこよく見えてくるから不思議です。凄む相手にビビりながらもしっかり仕事をこなしていく姿は好感もてました。シリーズ化しているようなので次も読みたいです。
読了日:02月17日 著者:今野 敏



スタンダップダブル!  甲子園ステージ (ハルキ文庫)スタンダップダブル! 甲子園ステージ (ハルキ文庫)
選手たちと記者たちの場面が交互に描かれているからわかりやすいのですが、そのせいで逆に話が止まってしまうような感じもあって、面白いのになかなか読み終わらず。野球好きなら楽しめる作品です。熱いな〜甲子園は!
読了日:02月26日 著者:小路幸也



たったの4冊・・。

ページ数の少ない本が多かったというのに、文章の読みにくかったり、登場人物がつかめなかったり、辛すぎて読みにくかったりしてなかなか進まず。

posted by DONA at 15:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:まとめ