2017年08月30日

柴田よしき「紫のアリス」

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 柴田よしき 著
 「紫のアリス」
 (文春文庫)


人生最悪の日―不倫を清算し、結婚の夢を捨てた紗季が会社を辞めた日、夜の公園で見たのは男の変死体と「不思議の国のアリス」のウサギ。引っ越したマンションで隣人のお節介に悩む紗季に元不倫相手が自殺したという知らせが。不思議の迷宮で、十重二十重のトリックにがんじがらめの紗季が辿りついたのは?−裏表紙より−


この作家さんは色んな話を書くな〜と感心させられました。

久々に後味の悪いすっきりしない話でした・・。


会社の上司との不倫を解消して以来、何となく会社にいる意味を失っていた紗季は、突然会社を辞めようと思い立ちます。すっぱりやめたのは良いけれど、特に何をしようということもなく、ぼんやりと公園で佇んでいるとそこに現れたのはアリスのウサギ。

突然のことに驚いていると、足元に死体があることに気づき、あわてて逃げだしてしまいます。

その夜以来、身の回りで変なことばかり起き始め・・。


マンションの隣人の老婦人が色々と協力してくれるようになりますが、読者としては、彼女のこともどんどん怪しく見えてきて、次々事件が起きる度に、ちょっとずつ忘れていた過去の記憶を思い出していく紗季の姿も怪しく感じられ、出てくる人物すべてが犯人に見えてくるという何ともハラハラドキドキの展開。

どうやら紗季の学生時代に事故死した同級生のことが関係あるらしいということまではわかるのですが、そこからはなかなか謎が解けていきません。その上、次々事件も起きるので混乱してしまいます。


やっとすべてが解決できた!と思ったら・・・と、最後まで安心できない展開です。

結局の真相はどうなんだろう? 想像にお任せしますって感じなので、すっきりできないです。

でもこの話はすっきりしない方が良いのかもしれないな、とも思うんですけどね。あの人が犯人で終了だったら、別の意味ですっきりできないかも。

不思議の国のアリスの話も絡んで、ますます謎めいた話になりました。


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2017年08月29日

小川糸「ツバキ文具店」

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 小川糸 著
 「ツバキ文具店」
 (幻冬舎)


ラブレター、絶縁状、天国からの手紙…。鎌倉で代書屋を営む鳩子の元には、今日も風変わりな依頼が舞い込む。伝えられなかった大切な人への想い。あなたに代わって、お届けします。−「BOOK」内容紹介より−


初めましての作家さんです。少し前に、テレビドラマ化されたそうで、ドラマが面白かったと聞いたので、本を読んでみました。


祖母から文具店を受け継いだ鳩子。文具店を営みながら、代書屋もやっています。代書屋って本当にある仕事なのかな?よく知りませんが、自筆で手紙を書くことが減ったこの時代だからこそ、必要な職業なのかもしれません。

本の中には、鳩子が書いた手紙も載っています。きちんと彼女が書いた文字のままに。

一人の人が書いたとは思えないくらい色んな文字が書けて、しかもどの字も綺麗で読みやすいので、羨ましくなりました。

ここまできれいじゃなくても良いから、読みやすい字が書ける人になりたかったな・・としみじみ。


前半は、あまりにも何も起こらず、淡々と話が進み過ぎて、気分も乗らない感じでしたが、徐々に面白くなっていきました。

代書を頼むような手紙ですから、普通に季節のあいさつ的な物は少なくて、ラブレターだったり絶縁状だったり変わった物が多いわけです。その内容や文字の美しさ、手紙へのこだわりなんかを読んでいるうちに、どんどん面白くなってきました。

手紙を代書するって、何となく文章は考えてあってそれを本人に代わって書くのだと思っていたのに、実際には文章から考えるんです。そこにまず驚かされました。手紙を出す人と相手の人柄や、どんなことを伝えたいかなど詳しく聞いた上で、文章も考えて書くなんて!

しかも、便せんや封筒、字を書くペン(筆記具)、更には貼る切手にまでこだわって選んで完成させます。

一度書いた手紙は、翌朝まで封をせずに置いておき、冷静な目で読み返してから投函します。

その細かいこだわりに感動しました。

ここまでのこだわりや文章、文字の美しさは、やはり小さい頃の訓練があったからこそのことで、鳩子は本当は子どもらしくしていたかったようですが、努力は報われている気がしました。


感動する手紙や出来事もいくつかあって、泣いてしまう所もありました。

ただ、登場人物たちのあだ名が・・。変なあだ名が多くて、物語の邪魔をしているように感じられたのが残念。良いアクセントだと思えれば良いのでしょうが、私は引っかかってしまいました。

これはまだまだ続編が書けそうですがどうかな? 続きが出たら読んでみたいです。


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タグ:小川糸
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2017年08月28日

矢崎存美「海の家のぶたぶた」

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 矢崎存美 著
 「海の家のぶたぶた」
 (光文社文庫)


町の海水浴場に、ひと夏限定、レトロな外観の海の家ができたという。かき氷が絶品で、店長は料理上手だが、普通の海の家とは違っている。店先にピンクのぶたのぬいぐるみが「いる」のだとか・・?そう、ここはおなじみ、ぶたぶたさんの海の家。一服すれば、子どもの頃の思い出がすうっと蘇ってきて、暑さも吹き飛びますよ。心に染み入る、五編を収録。−裏表紙より−


海の家うみねこ」「きっと、ぬいぐるみのせい」「こぶたの家」「思い出のない夏」「合コン前夜」の5編収録。


今回のぶたぶたさんは、海の家の店主。海の家か〜、懐かしいな〜と一瞬思ったのですが、よく考えたら思い出なんて一つもなかった・・。子どもの頃、海には連れて行ってもらっていましたけど、海の家には入ったことないです。

何となく小屋みたいな物がいっぱい並んでいるのは見た気がしますけど・・。

というわけで、懐かしい気持ちではなく、いつも通りの気分で読み進めました。


このあらすじ、途中まで読んだらホラーみたいです。ぬいぐるみが「いる」だなんて! 人形ではなくぬいぐるみ、しかもピンクのぶたのぬいぐるみだからホラー感も薄れますけどね。


今回は5つの話なので、つまり5人の人たちがぶたぶたさんに救われ、癒されていきます。もちろん読んでいる自分も癒されますが。

子どもから大人までがぶたのぬいぐるみに癒されるんですよね。何とも不思議な現象です。ぬいぐるみだからというだけではなく、彼の人柄がそうさせるのでしょうが。読む度に会いたいと思わされます。

ぶたぶたさんといえば、美味しい食べ物。今回は海の家なのでかき氷! そういえば今年は食べなかったな・・と思って無性に食べたくなりました。ぶたぶたさんの作るかき氷は本格的でとても美味しそうです。フルーツにもシロップにもこだわっています。大きなかき氷をバレーボール大のぶたぶたさんが運んで来るなんて最高です。

かき氷以外にも焼きそばなど定番の料理もたくさん。全て美味しそうで、食べたくなりました。

ぶたぶたさんは、この海の家をきっかけにして、この町にカフェを開く予定だとか。次回、そのカフェの話になるのかはわかりませんが、個人的には読んでみたいです。


<ぶたぶたさんシリーズ>
「ぶたぶた」
「刑事ぶたぶた」
「ぶたぶたの休日」
「夏の日のぶたぶた」
「クリスマスのぶたぶた」
「ぶたぶた日記」
「ぶたぶたの食卓」
「ぶたぶたのいる場所」
「ぶたぶたと秘密のアップルパイ」
「訪問者ぶたぶた」
「再びのぶたぶた」
「キッチンぶたぶた」
「ぶたぶたさん」
「ぶたぶたは見た」
「ぶたぶたカフェ」
「ぶたぶた図書館」
「ぶたぶた洋菓子店」
「ぶたぶたのお医者さん」
「ぶたぶたの本屋さん」
「ぶたぶたのおかわり!」
「学校のぶたぶた」
「ぶたぶたの甘いもの」
「ドクターぶたぶた」
「ぶたぶたの花束」
「居酒屋ぶたぶた」


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2017年08月25日

ジュリア・バックレイ「そのお鍋、押収します!」

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 ジュリア・バックレイ 著
  上條ひろみ 訳
 「そのお鍋、押収します!」秘密のお料理代行1
 (コージーブックス)


昼間は両親の不動産業を手伝う普通のOL。そんなライラにはもうひとつ別の顔があった。それは秘密のお料理代行。ちょっと訳ありの依頼人―料理下手なのを隠したい、高齢で料理できなくなったことを家族に内緒にしたい―さまざまな事情を持つお客さんのもとに、美味しい料理を作ってこっそり届けるのだ。ところがある日、いつもどおり秘密の注文を受けて作ったチリコンカンがイベントで振る舞われると、最初に口にした女性が死亡してしまった。何者かが鍋に毒を混入したらしい。ライラはその料理を作ったのが自分だとすぐに警察に話そうとするものの、依頼人は秘密を明かすことを許してくれない。そのせいでライラはとんでもない窮地に追いやられてしまい!?―裏表紙より―


初めましての作家さんです。新たなシリーズに出会いたくて読んでみました。

主人公・ライラは、料理代行という実際にあるのかわからない仕事をしています。この仕事、なかなか面白いです。確かに料理下手よりも料理上手な方が魅力的に感じてもらえますから、恋人や知人たちに言い格好をしたくて頼んでくる人は多そうです。

パーティー好きなアメリカですしね。ちょっとしたホームパーティーをするにも、教会でのパーティーにもとにかく料理は必要なわけで、作れない人は誰かに作ってもらいたいと思うでしょう。

ケータリング業者はいますが、それだったら手作り感は出ませんから、「自分で作ったのよ」と言いたい人にはぴったりです。


そんな面白い仕事をしているライラが依頼されて作った料理を食べた女性が突然苦しみ出して亡くなってしまいます。当然、ライラが疑われるところなのですが、秘密の仕事なので、依頼人が「自分が作った」と言い張ってしまいます。

疑われても秘密を明かさない依頼人の根性はある意味あっぱれですが、「人が死んでるのに!?」と呆れる気持ちにもなりました。料理上手と思ってもらうことがそんなに大事か?

そのお陰でライラは捜査上にも浮かばないわけですが、秘密にしたせいで最後に悲しいことにつながるので、良かったかどうかは微妙です。


事件の内容や人間模様はどうでもいい感じですが、ライラが飼っている犬のミックは最高に可愛いですし、料理代行という仕事も面白いですし、ライラの家族も良い人たちなので、続きも読んで行こうと思います。

気になる出来事もありましたし。

もう発売されているので早めに手に入れることにします。


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2017年08月23日

大崎梢「ようこそ授賞式の夕べに」

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 大崎梢 著
 「ようこそ授賞式の夕べに」
 (創元推理文庫)


書店大賞授賞式の当日、成風堂書店に勤める杏子と多絵のもとを福岡の書店員・花乃が訪ねてくる。「書店の謎を解く名探偵」に、書店大賞事務局に届いた不審なFAXの謎を解いてほしいというのだ。同じ頃、出版社・明林書房の新人営業マンである智紀にも事務局長から同様の相談が持ち込まれる。授賞式まであと数時間、無事に幕は上がるのか?! 本格書店ミステリ、シリーズ第四弾!−裏表紙より−


このシリーズ、最後に読んだのは7年も前なんですけど!?
登場人物少ないから何とかついていけるけど、細かい所は忘れてますって!
でもやっぱり前作を読み直すのは次の機会にして、とにかく読みました。


書店シリーズに、出版社の営業マン・ひつじくんシリーズから、ひつじくんを始め色んな人物も登場し、謎解き合戦の様相を見せました。

これは盛り上がりそうだぞ!と思ってワクワクしながら読み進めたのですが、意外とそこまで盛り上がらず。というか、みんな謎めいたしゃべり方をするので理解できないことも多くて困りました。

今回のテーマになっているのは「書店大賞」です。現実にも「本屋大賞」なるものがありますね。これを参考にして書いたのでしょうが、なかなか運営するのも大変なんだということがわかりました。

書店員さんも必死で真面目に選んでいることがわかりましたし、受賞することがどれだけ重要なことかというのもわかりました。本が売れないという時代に、何とかして本に親しんでもらおうという活動は良いことだと単純に思っていたのですが、そう簡単にはいかないんですね。

賞を取ったら売れる、となると、その選考方法で良いのか?という疑問も出てきますし、やはり大手出版社から出している本の方が手に取りやすいのでは無いかということも考えられますし、何となく出来レースに見えなくも無いですね。

かといって、どんな方法だったら公平なのかも浮かびませんし。


私は、どんな賞だったとしても受賞しているからといって手に取るタイプではありませんが、じゃあどうやって読む本を選んでいるかといえば、好きな作家さんだという理由以外では、結局ネットなどでの評判を見て選んでいるわけで、結局は人の意見に左右されているんですよね。

そうなると、賞を取らなくてもとにかく誰かが読んで「最高だったよ!」と発信することで、売れる本って出来ていくわけで、そこから「本屋大賞」なんかにつながっていくのでしょう。

そういう意味では賞を作るというのも大事なのかな?と思いますし、「本屋大賞」だったらお偉い作家先生が選んでいない分、手に取りやすい感じもありますね。

今まで「本屋大賞」に何の疑問ももったことはありませんが、これからも作為的な何かを感じないような公平さのある賞にしていってほしいと強く思いました。

これからはちょっと参考にしてみようかな?


<成風堂シリーズ>
「配達赤ずきん」
「晩夏に捧ぐ」
「サイン会はいかが?」


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2017年08月21日

買った本

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 柴田よしき 著
 「紫のアリス」
 (文春文庫)


お気に入りの作家さんです。久しぶりに読みましたがやっぱり合うな〜。内容はともかく。


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 西條奈加 著
 「まるまるの毬」
 (講談社文庫)


こちらもお気に入りの作家さん。面白かった。シリーズ化希望!


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 大沼紀子 著
 「真夜中のパン屋さん 午前5時の朝告鳥」
 (ポプラ文庫)


シリーズ最終巻。何となく惰性で続いたって感じの内容でした。前作で終わりで良かったんじゃないかな?とも思います。

2017年08月18日

上橋菜穂子「鹿の王2」

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 上橋菜穂子 著
 「鹿の王2」
 (角川文庫)


謎の病で全滅した岩塩鉱を訪れた若き天才医術師・ホッサル。遺体の状況から、二百五十年前に自らの故国を滅ぼした伝説の疫病“黒狼熱”(ミツツアル)であることに気づく。征服民には致命的なのに、先住民であるアカファの民は罹らぬ、この謎の病は、神が侵略者に下した天罰だという噂が流れ始める。古き疫病は、何故蘇ったのか―。治療法が見つからぬ中、ホッサルは黒狼熱に罹りながらも生き残った囚人がいると知り・・!?−裏表紙より−


なんか、このあらすじって前作の内容っぽいな。

それはともかく。

あらすじのようなことが1冊目にありまして、もっと病が広がる事態になってしまいます。しかも病にかかってはいけないような人たちが・・。

でも、この世界では治療するということに対して消極的な考えの人も多く、昔の日本みたいに病になるのは神の祟りで、祈祷して治そう!という考えに近い物があって、天才医術師がいても治療が進まない状況に。

しかも医術師がやろうとしているのは、この世界ではかなり先端をいく「ワクチンを体に入れて戦わせる」という方法。知らなければ抵抗ありそうな方法ですから、なかなか打たせてもらえません。

そのワクチンも今回の病がはっきり何なのかわかっていないため、完璧に効くとは言えない物。そうなるとますます抵抗されてしまいます。

ワクチンを作るためにも、一人病から逃れた奴隷・ヴァンを探さないといけないわけですが、彼は元々軍人なのでなかなか見つけられません。

彼は彼なりに生きる道を見つけていきそうな感じでしたが、まあそう簡単に平和は訪れませんね・・。

何だか病を逃れるのは良いけど、別の怪しい状態になっていて、彼や一緒に生き延びた幼子・ユナの今後もかなり気になります。

そして、医術師・ホッサルは政治にも巻き込まれつつ、治療に消極的な人たちにも足を引っ張られつつ、病から人々を救う道を見つけられるのか?

今回も気になる状況のまま終了。どうやって2人は出会って、どんな治療法を見つけるのか?楽しみです。


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2017年08月17日

上橋菜穂子「鹿の王1」

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 上橋菜穂子 著
 「鹿の王1」
 (角川文庫)


強大な帝国・東乎瑠(ツオル)から故郷を守るため、死兵の役目を引き受けた騎士団“独角”。妻と子を病で失い絶望の底にあったヴァンはその頭として戦うが、奴隷に落とされ岩塩鉱に囚われていた。ある夜、不気味な犬の群れが岩塩鉱を襲い、謎の病が発生。生き延びたヴァンは、同じく病から逃れた幼子にユナと名前を付けて育てるが!? たったふたりだけ生き残った父と子が、未曽有の危機に立ち向かう。壮大な冒険が、いまはじまる―!−裏表紙より−


大好きな作家さんの新シリーズです。本屋大賞にも選ばれたそうで、文庫化されるのを待っていました!

架空の世界の話で、物語が始まる前にまず大まかな地図が描かれています。そして、登場人物の一覧。

それを見ただけでワクワクします。と同時に、これはまた頭が混乱しそうだな・・とも思うのですが。

人の名前もわかりにくいですし、国の名前も難しい。更に出てくる動物の種類も変わった名前ですし、国同士の関係性も難しい。

この1冊目はとにかくその辺りの関係性や、どんな人物なのか、どういう人生を歩んで来たのか、時代背景などを理解するのに必死になりました。

架空の世界の話なので、どの時代の話というのもありませんから、どの程度発展している世界なのかも知っていく必要があります。まあとりあえず車や飛行機などは無さそうですから、人は健脚でとにかく歩いて移動している感じです。動物にも乗りますが。

食事もガスや水道などもなくて、地道に水を汲んで来て薪で料理しているようですし、医術もこれからって感じです。

そんな医術がこの物語のメインテーマの一つとなっていて、天才と言われる医術師・ホッサルが中心となって話が進んで行きます。


ヴァンという奴隷が、囚われている洞窟で不思議な病にかかったのに生き延びた所から話は始まります。奴隷や奴隷の監督たちなどの大人数の中、彼と幼子・ユナだけが生き残ったため、とにかく逃げることになりました。

どうやら前日に犬に襲われたことが病のきっかけのようではありますが、何の病かわからないまま話は進みます。

大量に人が死んでいることに気づいた国王が、ホッサルを呼び寄せて原因を探るように頼みます。彼は大量に亡くなった現場にも行き、大昔流行したある病ではないか?と考えます。

生き残ったヴァンを探し出して、彼に作られたであろう抗体を調べたい、と考えるのは自然な流れでしょう。奴隷として探すというより、病の原因を探るために彼を探し出すことに。

恐ろしい病が再流行したのか?と不安になっている間に1巻は終了。


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2017年08月16日

山口恵以子「食堂のおばちゃん」

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 山口恵以子 著
 「食堂のおばちゃん」
 (ハルキ文庫)


焼き魚、チキン南蛮、トンカツ、コロッケ、おでん、オムライス、ポテトサラダ、中華風冷や奴・・。佃にある「はじめ食堂」は、昼は定食屋、夜は居酒屋を兼ねており、姑の一子と嫁の二三が、仲良く店を切り盛りしている。心と身体と財布に優しい「はじめ食堂」でお腹一杯になれば、明日の元気もわいてくる。テレビ・雑誌などの各メディアで話題となり、続々重版した、元・食堂のおばちゃんが描く、人情食堂小説(著者によるレシピ付き)。−裏表紙より−


初めましての作家さんです。ネットでの感想を読んで面白そうだったので買いました。

改めてあらすじを見ると、結構話題になっていたようですね。そうなるとまた実写化されるのかな?でも一子のような年齢である程度美人で、料理も出来る女優さんっているかな?と心配です。二三も難しそう。だからといって、そこを適当に設定を変えられると違いますし。・・と、余計な心配をしてしまいました。


で、内容ですが。

よくある下町の定食屋さんって感じの素朴な「はじめ食堂」が話の舞台です。切り盛りするのは姑の一子と、嫁の二三。二人とも夫を亡くした未亡人で、血のつながりのない関係ですが、かなり仲良くやっています。気を使い過ぎず、でもお互いを気遣ってとてもいい関係です。

この食堂で出てくる料理も素朴だけど温かくて美味しそうです。レシピも巻末に付いていますしそれだけでもお得ですね。


ただ食堂でご飯を食べて終わり、というわけではなく、日常のちょっとした謎もすべての話に付いてきます。それをお客さんの言葉などから解き明かしていきます。

読んですぐのときは、事件を通して色々と思うこともあったのですが、数日経った今となってははっきり思い出せないくらいの小さな謎たちです。


後半になって、新たな出会いもあったので、今後の展開も楽しみになりました。シリーズとして続いているようなので次も早めに読むつもりです。

でもどうやら2冊目は前の話に戻るようで・・・。まあとにかく読んでみます。


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タグ:山口恵以子

2017年08月07日

三上延「ビブリア古書堂の事件手帖7〜栞子さんと果てない舞台〜」

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 三上延 著
 「ビブリア古書堂の事件手帖7〜栞子さんと果てない舞台〜」
 (メディアワークス文庫)


ビブリア古書堂に迫る影。太宰治自家用の『晩年』をめぐり、取り引きに訪れた老獪な道具商の男。彼はある一冊の古書を残していく―。  奇妙な縁に導かれ、対峙することになった劇作家ウィリアム・シェイクスピアの古書と謎多き仕掛け。青年店員と美しき女店主は、彼女の祖父によって張り巡らされいた巧妙な罠へと嵌っていくのだった・・。  人から人へと受け継がれる古書と、脈々と続く家族の縁。その物語に幕引きのときがおとずれる。−裏表紙より−


前作でどうやら謎が深まったらしいですが、またまた思いっきり忘れてしまっていました。

読み始めても思い出せず、ずっとついていけない状態に。新刊を読む前に前作を読み直せば良いのに、つい面倒くさくなってしまって。


太宰治の「晩年」という本を探さないといけない栞子さん。貴重な古書らしいので、大変なようです。その噂を聞きつけてやってきたのが怪しげな道具商の老人。法外な値段を提示して去っていきます。

そんなお金、どこから出てくるんだか!と思っていたのに、どうやら買う方向??

貴重な本なのはわかりますが、「読めればいいやん」と思ってしまう私には、その価値は全くわかりません。この本にそれだけの値段を払うなら、ブランド物のバッグを買う方がマシかも(どっちも要りませんけど)。

今まで関わってこなかった祖母も関わってきて、もちろん栞子の母親も大きく関わってくる上に、彼女のやりたかったことが私には理解できず。

大輔は結局バイトしかしていないのに、結婚を考え始めるし、本当に色々ありすぎてついていけなくなりました。


結局、シリーズを最後まで読んだわけですが、最後まで読んでも古書への強い想いは理解できず。絵画もそうですけど、貴重な物だということはわかっているつもりですが、そのために厳しい生活の中から大金を払ったり、家族を捨てて世界に捜しに行ってしまったりすることには全く理解できませんし、同情も共感も何もできません。

博物館的な所で一括して保管しておこうよ〜!と思ってしまう私は読書家として失格なのかな?

このシリーズを読んだお陰で、古書のことや古書を扱う世界の話が垣間見えて、少しはわかるようになって、良い勉強にはなった気がしますし、面白かったです。

まあでも、しばらくは古書関係は要らないかな・・。


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2017年08月04日

買った本

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 大崎梢 著
 「ようこそ授賞式の夕べに」
 (創元推理文庫)


お気に入りのシリーズが久しぶりの新刊発売。今までとはちょっと違う展開かな?


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 矢崎存美 著
 「海の家のぶたぶた」
 (光文社文庫)


こちらもお気に入りのシリーズ。安定のぶたぶたさんです。


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 ジュリア・バックレイ 著
 「そのお鍋、押収します」
 (コージーブックス)


新しいコージーシリーズに手を出してみました。読み終わりましたが続きも読みたい感じです。

2017年08月03日

森沢明夫「ミーコの宝箱」

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 森沢明夫 著
 「ミーコの宝箱」
 (光文社文庫)


ミーコは風俗と福祉の仕事を両立しながら娘のチーコを育てるシングルマザーだ。幼い頃に両親に見捨てられ、躾の厳しい祖母との関係に苦しんだ過去を持つ。苦労の絶えないミーコだが、彼女の特技は、毎日一つ、小さく光る宝物を見つけること。ミーコの宝箱に入っている、一番大切な宝物とは・・。一人の女性の半生を通して、母と子、人と人の絆を温かく描き出す。−裏表紙より−


読み終わってすぐは色々と感想が出てきていたはずなのに、何日も経ってしまった今となってはあまり感想が出てこないくらい、私の中では印象の薄い内容でした。


一話目で、読むのをやめようか?と思うような描写があって、かなり引いてしまいましたが、それを超えると大丈夫でした。

ミーコという女性が大人になるまでどんな人生を歩んで来たか?が主に描かれているわけですが、本人が言うほど虐待されていたようには思えませんでしたし、祖母が厳しくても祖父は助けてくれたわけで、ある意味愛情たっぷりに育ててもらったんじゃないかな?と思うと、それほど重い内容でもなく、どうして彼女の半生を描こうと思ったのかな?と読みながら疑問を感じてしまいました。

確かに両親に捨てられるという体験は、子どもにとってかなり大きなことで、心に消えない傷を負うことでしょう。でもそれに代わる愛情をもらったのだから良いのでは?と思います。

実際、ミーコは毎日一つ宝物を見つけて集める、という素敵なことを実行するような良い人に育っているわけで、娘も真っすぐ育っているようですし、問題無さそう。

ただまあ、男性運は無いのかも? それも彼女のやさしさが生んだ結果なので、何とも言えませんが。


ミーコの祖母がミーコに対する気持ちを祖父に話す場面では泣きそうになりましたが、それ以外は泣きそうにもならず。

そんな感じで、最後まで何となくふわっとした雰囲気の中進んで行って終わった・・というのが私の感想かな?


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タグ:森沢明夫
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2017年08月02日

7月のまとめ

鹿の王 1 (角川文庫)鹿の王 1 (角川文庫)
グイグイ引き込まれる感じが心地良い物語です。まだ登場人物の名前や関係性に翻弄されている状態ですが、今後それぞれがどんな運命をたどっていくのか楽しみです。
読了日:07月02日 著者:上橋 菜穂子


鹿の王 2 (角川文庫)鹿の王 2 (角川文庫)
人の名前はわかってきましたが、国の名前と関係がわかりにくくて困ります・・。でも、この先どうなっていくのか気になって次々読み進めました。誰か裏で糸を引いているのか、病はどうなっていくのか、ヴァンは結局どうなってしまうのか・・問題山積みで続きが気になります。
読了日:07月09日 著者:上橋 菜穂子


ようこそ授賞式の夕べに (成風堂書店事件メモ(邂逅編)) (創元推理文庫)ようこそ授賞式の夕べに (成風堂書店事件メモ(邂逅編)) (創元推理文庫)
別のシリーズからひつじくんも登場してなかなか面白かったですが、視点がコロコロ変わって読みにくい所も。本屋大賞って最近注目されていますが、こういう賞を決めるのも大変なんだとわかりました。こんな問題を読む度に、私の読書熱って冷めてるなと思います。
読了日:07月16日 著者:大崎 梢


そのお鍋、押収します! (コージーブックス)そのお鍋、押収します! (コージーブックス)
それなりに面白かったかな?秘密のケータリングという仕事内容も面白いし、主人公の愛犬も可愛いし、事件はともかく今後も読んでみようと思える内容でした。しきりに出てきたキャセロールっていうのが、美味しそうに思えないのはなぜだろう??馴染みなさすぎ。
読了日:07月26日 著者:ジュリア バックレイ



海の家のぶたぶた (光文社文庫 や)海の家のぶたぶた (光文社文庫)
海の家か〜。全く思い出も印象も無いな、と思いつつ読みましたが、意外と面白かったです。まあぶたぶたさんがいれば何でもオッケーになりますわね。とりあえず、久しぶりにカキ氷が食べたくなりました!
読了日:07月28日 著者:矢崎存美


全部で5冊。最後のぶたぶたさんはページ数が少ない本だったので、ギリギリ読み切れました。それにしても少ないな〜。

印象に残ったのは「鹿の王」です。まあ、まだ完結していませんから、保留って感じですが。

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