2017年05月02日

千野隆司「夕霞の女 神楽坂化粧暦」

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 千野隆司 著
 「夕霞の女 神楽坂化粧暦」
 (宝島社文庫)


「金の切れ目が縁の切れ目」とばかり、武家の若妻・登世は理不尽にも離縁されてしまった。途方に暮れる登世は、神楽坂の岡場所の娼家・夕霞楼の下働きとして雇われる。境遇の変わりようを嘆く登世だったが、より哀しい立場の女郎衆を目の当たりにし、登世の感性が磨いた化粧の技で、彼女たちの力になりたいと思う。登世は傾きかけた娼家を再生するために、新たな一歩を踏み出すのだった。−裏表紙より−


初めましての作家さんです。ずっと探していて見つからなかったので、ネットで購入しました。

夕霞の女」「玉簪の夢」「うまい話」「女誑し」の4編からなる連作短編集です。

物語の冒頭で、主人公・登世が嫁いでいた家から出される場面が描かれます。昔って本当に女性は辛い時代です・・。実家の仕送りが無くなったとたんに、嫁ぎ先からも追い出されるなんて。しかもそれに対して文句も言えず、黙って出ていくしかないなんて。

登世も悔しさを胸に抱えたまま家を出て、おじさんに連れていかれたのは、なんと娼家。まさか身売り!?と思ったら、そうではなくて下働きとして住むことになるのです。

女郎として客を取った方が儲かるのに・・と店主に言われるくらい美人ではあったようですが、おじさんが強く言い聞かせて、客はとらず、奥向きの仕事をすることになりました。

始めの方こそ馴染めず、不貞腐れた心中になっていたのですが、すぐに女郎たちとも溶け込もうと努力し、仕事もこなして前向きに生活するようになっていく登世。

女郎たちの身の上を思いやり、どうすれば客がつくかを考えて、化粧のやり方を教えていくことになります。登世の工夫のお陰で女郎たちにも客がつくようになり、店は繁盛していきます。

でも、女郎たちには色々な想いがあり、男性客との恋話や、お金儲けの話なども絡んで来て、それらの問題から何とか助けてあげようと登世は動きます。

店で働く定松やおじさんに力を借りながら。

定松もおじさんも、何やら裏に別の顔がありそうな雰囲気ですが、それぞれ男気が合ってなかなかいい人たちのようです。彼らの正体もシリーズが進むと明かされていくのでしょう。


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タグ:千野隆司