2017年05月26日

近藤史恵「ホテル・ピーベリー」

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 近藤史恵 著
 「ホテル・ピーベリー」
 (双葉文庫)


職を失った木崎淳平は、鬱屈した心を抱えてハワイ島にやってきた。長期滞在型のホテル・ピーベリーは小さいけれど居心地が良く、他に四人の日本人旅行者がいた。だが、ある夜、客の一人が淳平に告げる。「楽しみにしてろよ。今におもしろいものが見られる」不吉な予感の通り、客の一人が溺死し、やがてもう一人―。様々な気候を併せ持つハワイ島の大自然と、人生の夏休みに絡め取られた人々の心の闇。巧緻な筆致で衝撃の真相へと導かれる、一気読み必至の傑作ミステリー。−裏表紙より−


何だか不思議な雰囲気のあるミステリーでした。

出だしから暗い雰囲気があって、この先どうなっていくのか気になってほぼ一気読みしてしまいました。

読み終わったら、あっさり終わりすぎて印象に残らないくらいの話なんですけどね・・。


でも、ハワイ島の情景が浮かぶ描写が素敵で、あまり好きではないハワイに行きたくなる感じがしました。変わりやすい天気なのはややこしいですが、自然環境は素晴らしいようで、大迫力の風景は見てみたいかも。


舞台となるホテル・ピーベリーも良い感じでした。まあ殺人事件が起きるまでは、ですが。一度しか泊まれない長期滞在型ホテル。長期とはいえ、3か月経ったら出て行かないといけないですし、一度泊まったらもう二度と泊まれません。そういうところも謎めいていて面白そうだと思ったのですが。

ホテルの女主人ともつかず離れずな感じが良いです。

まあそれも読み進めると嫌悪に変わっていくんですけどね・・。

何より主人公の木崎のことが、どうしても好きになれずに困りました。ほぼずっとウジウジしていて、「もっとシャキッとしろよ!」と怒鳴りつけたい感じだったのに、途中でこれまた嫌悪以外わかなくなりました。


読み終わっても、何だったんだろう?このミステリーは、って納得出来ない話でした。要らない登場人物もたくさんいましたし、出てくる人たち、誰一人好きになれないなんて珍しい話です。

気になって一気読みの割には、「面白かった〜」と言えません。だからといって「読んで損した!」とまで思うわけでもなく、自分の感想をうまくまとめられなくてもどかしい状態になりました。


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2017年05月25日

買った本

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 シャンナ・スウェンドソン 著
 「ニューヨーク妖精物語 フェアリーテイル」
 (創元推理文庫)


お気に入りの作家さん。新しいシリーズが出たので買いました。これも面白かったらいいな。


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 今野敏 著
 「潮流 東京湾臨海署安積班」
 (ハルキ文庫)


買ったらすぐ読むシリーズ。サクッと読了です。面白かった〜。

2017年05月23日

西條奈加「御師弥五郎 お伊勢参り道中記」

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 西條奈加 著
 「御師弥五郎 お伊勢参り道中記」
 (祥伝社文庫)


訳ありの弥五郎は伊勢詣の世話役・御師の手代見習いとして修業中。ある日、侍に襲われる材木商・巽屋清兵衛を助けた縁で、用心棒を兼ねて清兵衛の伊勢参りに同行するはめに。「御師は盗人」と言い放つ変わり者の弥五郎だったが、伊勢を目指す人々と関わるうちに、心境に変化が。そして清兵衛の過去を知った弥五郎は・・。時代小説界の気鋭が描く笑いと涙の道中記。−裏表紙より−


御師という職業があるんですね〜。初めて知りました。

伊勢神宮だけではなく、色々な神社に属しているようです。「おし」というのですが、伊勢神宮だけは「おんし」というらしいです。

神社に属していて、その神社に参拝する人をもてなし、宿泊などの世話もするのが仕事です。


この物語の主人公・弥五郎は、そんな御師の見習いとして働いていながら、なぜか御師という職業に嫌悪感を示しているという変わった人物です。

神社を参りたいという信心深い人から金を取るわけですから、見ようによっては「金に汚い職業」に見えなくもないですけど・・。

特に昔は伊勢参りなんて夢の話で、一生に一度行けたら良い方で、ほとんどの人は行かずに終わるわけですから、その夢見る気持ちを踏みにじるように思えなくもない?

でも読み進めると、御師たちの心配りは素晴らしいですし、顔の広さに救われることも多くて、この時代には大事な必要な職業なんだということがわかりました。

弥五郎も、少しずつ考えが変わっていきます。

彼は腕にも覚えがあるので、用心棒も兼ねて旅をします。依頼主には秘密があるようで、それも気になりつつ読み進めるうちに、気づけば終わっていたという感じです。

ハラハラする展開もあり、ちょっとホロリともさせられ、クスっと笑う所もあり、なかなか楽しい話でした。

もう少し盛り上がりがあっても良かったのかな?とも思いますが、これはこれで良かったのかもしれません。

シリーズ化して、続編も書いてもらいたいと思う作品でした。


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2017年05月17日

ロバート・クレイス「容疑者」

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 ロバート・クレイス 著
  高橋恭美子 訳
 「容疑者」
 (創元推理文庫)


ロス市警の刑事スコットは相棒とパトロール中、銃撃事件に遭遇する。銃弾はふたりを襲い、相棒は死亡、スコットも重傷を負った。事件から九カ月半、犯人はいまだに捕まっていない。警備中隊へ配属となったスコットはそこで新たな相棒―スコットと同様に、大切な相棒を失ったシェパード、マギー―に出会った。アメリカ探偵作家クラブの生涯功労賞を受賞した著者の大作登場。―裏表紙より―


初めましての作家さんです。

何だか久しぶりの海外小説で、相変わらず物覚えの悪い私らしく、登場人物一覧を指で挟みつつ読みました。


いきなり、シェパード・マギーが相棒を失う場面から始まります。マギーの視点と気持ちが描かれているので、読んでいて心が痛くなってしまいました・・。

心と身体に傷を負ったマギーがどうなったのか?と次の章に進むと、今度は刑事2人がパトロールしている場面に。どうやらこの2人はカップルなのかな?と思っている間に銃撃戦が始まってしまい、女性警官が亡くなってしまいます。

生き残ったスコットも重傷を負い、恋人も失ってしまった心の傷を抱えてしまいます。

そしてスコットとマギーが出会うんだね?・・と読み進めてみても、なかなか出会わず、そこまでがちょっと読みにくい感じでした。早く出会わないと、スコットが壊れてしまいそう・・と思ったらやっと出会いが。

同じように大事な相棒を失くした者同士、とはいえ、片方は動物ですからそう簡単には仲良くなれるはずもなく。

更にスコットは元々動物に慣れていたわけでもないので、時間がかかってしまいます。

教官の教えを忠実に守りつつ、時間をかけてゆっくりとマギーとの関係を深めていくスコット。

2人がどんどん心を通わせていく様子は、とても穏やかで幸せな気持ちにさせられました。とはいえ、殺人事件の捜査という重いテーマが背後にあるのでそこまでほのぼのできたわけではないですが。

どうやって2人が事件を解決していくのか、どんな活躍を見せてくれるのかを楽しみにしながら読み進めているうちに終わってしまった、という感じでした。


どうやら続編も発売されるそうで、スコットとマギーの関係が今後どんな風に深くなっていくのか、楽しみになりました。


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2017年05月15日

穂高明「これからの誕生日」

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 穂高明 著
 「これからの誕生日」
 (双葉文庫)


千春はバス事故で友人たちや教師を失った。一人生き残った罪悪感に苛まれ、引きこもりがちになる。そんな千春を取り巻く人々―弟、伯母、担任教師、亡くなった友人の母親、新聞記者、ケーキ店の店主―の視点で、ひとが新たな一歩を踏み出してゆくまでの道のりを丹念に辿ってゆく。明日を生きるための強さを優しく描きだした連作短編集。−裏表紙より−


初めましての作家さんです。ネットの評判が良くて読むことにしました。

内容が重くて、どんな風に感想をまとめたら良いのか、はっきり言って今でもよくわからないです。

バス事故にあって、同じ部活の友人たちや顧問の先生が全員亡くなって、1人だけ奇跡的に助かった少女の話なのですが、もし自分が彼女の立場だったらどう思うだろう?とずっと考えながら読んでいて、どんどん苦しくなっていきました。

あらすじにあるように、短編の一つ一つに違う人から見た少女の姿が描かれていて、一話毎に「じゃあ、この人の立場で少女を見たら自分はどう思うんだろう?」という考えもわいてきて、頭の中がごちゃごちゃになりました。

もし自分一人が生き残ったら、絶対に「どうして自分だけが?」という気持ちにはなるでしょうし、どうしても「生き残ってごめんなさい」という気持ちにもなると思います。同じ学校に通い続けるなんてこと、出来ないと思います。

この少女の場合は、母親もちょっと問題ありな人なので転校という選択肢も無く、引きこもってしまう気持ちもよくわかります。・・が、何だかこの少女、どこか可愛げが無いというか最後まで好きになれなかったんですよね。自分でもどこが気になったのかわかりませんが。

そして、周りの人たちの対応も嫌悪感しかわかず。ただまあ、遺族が「どうしてうちの子ではなく、あの子が生き残ったんだ!」と怒りを募らせる気持ちはわかるんですよ。でも、その思いを彼女にぶつけるのはどうなんだろう?と思ってしまいます。愛想よく接する必要もないですけど、辛く当たらなくても・・と思いました。

家族の対応もイマイチ納得できませんでした。弟はともかく、伯母さんも母親もどうしてそんな接し方?と疑問がわきました。

色々な人間模様が読めたのは良かったですし、実際にこういう体験をしたことがあるわけではないので、自分がどんな対応するかもわかりません。だからこういう反応もあることなのかもしれません。・・が、読んでいて不快なことがたくさんありました。

最後にはどうやら立ち直ってくれそうな雰囲気になって良かったです。あまりにもあっさりとはしていましたが。

ただ純粋に涙を流して終わるような話ではありませんでした。


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タグ:穂高明
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2017年05月09日

買った本

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 今野敏 著
 「自覚 隠蔽捜査5.5」
 (新潮文庫)


大好きなシリーズのスピンオフ2作目。今回も面白くて一気読みでした。


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 西澤保彦 著
 「腕貫探偵」
 (実業之日本社文庫)


今読んでいますが、何とも淡々と流れるミステリーで、どうなっていくのか心配です・・。

2017年05月02日

千野隆司「夕霞の女 神楽坂化粧暦」

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 千野隆司 著
 「夕霞の女 神楽坂化粧暦」
 (宝島社文庫)


「金の切れ目が縁の切れ目」とばかり、武家の若妻・登世は理不尽にも離縁されてしまった。途方に暮れる登世は、神楽坂の岡場所の娼家・夕霞楼の下働きとして雇われる。境遇の変わりようを嘆く登世だったが、より哀しい立場の女郎衆を目の当たりにし、登世の感性が磨いた化粧の技で、彼女たちの力になりたいと思う。登世は傾きかけた娼家を再生するために、新たな一歩を踏み出すのだった。−裏表紙より−


初めましての作家さんです。ずっと探していて見つからなかったので、ネットで購入しました。

夕霞の女」「玉簪の夢」「うまい話」「女誑し」の4編からなる連作短編集です。

物語の冒頭で、主人公・登世が嫁いでいた家から出される場面が描かれます。昔って本当に女性は辛い時代です・・。実家の仕送りが無くなったとたんに、嫁ぎ先からも追い出されるなんて。しかもそれに対して文句も言えず、黙って出ていくしかないなんて。

登世も悔しさを胸に抱えたまま家を出て、おじさんに連れていかれたのは、なんと娼家。まさか身売り!?と思ったら、そうではなくて下働きとして住むことになるのです。

女郎として客を取った方が儲かるのに・・と店主に言われるくらい美人ではあったようですが、おじさんが強く言い聞かせて、客はとらず、奥向きの仕事をすることになりました。

始めの方こそ馴染めず、不貞腐れた心中になっていたのですが、すぐに女郎たちとも溶け込もうと努力し、仕事もこなして前向きに生活するようになっていく登世。

女郎たちの身の上を思いやり、どうすれば客がつくかを考えて、化粧のやり方を教えていくことになります。登世の工夫のお陰で女郎たちにも客がつくようになり、店は繁盛していきます。

でも、女郎たちには色々な想いがあり、男性客との恋話や、お金儲けの話なども絡んで来て、それらの問題から何とか助けてあげようと登世は動きます。

店で働く定松やおじさんに力を借りながら。

定松もおじさんも、何やら裏に別の顔がありそうな雰囲気ですが、それぞれ男気が合ってなかなかいい人たちのようです。彼らの正体もシリーズが進むと明かされていくのでしょう。


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タグ:千野隆司

2017年05月01日

4月のまとめ

これからの誕生日 (双葉文庫)これからの誕生日 (双葉文庫)事故にあって、一人だけ生き残った女の子が、どんな葛藤を抱えて生きていくのか?という話で、当事者や遺族や記者などの視点から書かれた話と共に収録されています。一人生き残るってやはり辛いと思います。そんな彼女に対して世間が掛ける言葉の何と冷たいことか。こういう人間にはなりたくないと思ってしまいました。最後の展開は早すぎる気がしましたが、立ち直って強く生きていってくれるのを願います。読了日:04月02日 著者:穂高 明


容疑者 (創元推理文庫)容疑者 (創元推理文庫)マギーと相棒になるまでが妙に長く感じましたが、コンビを組んでからは一気に面白くなりました。全体的に暗い雰囲気だった話をマギーが明るくしてくれました。動物の力って大きいですね。これからも2人(1人と1匹)はお互いを支え合って力強く生きていくんだろうなと暖かい気持ちで読み終えました。読了日:04月17日 著者:ロバート・クレイス


御師 弥五郎 お伊勢参り道中記 (祥伝社文庫)御師 弥五郎 お伊勢参り道中記 (祥伝社文庫)現代ならサッと行ってこられるお伊勢参りですが、昔は何日もかかる上に、関所まで通らないといけないから一生に一度行けるかどうかの大イベント。御師なんていう職業があるなんて知りませんでした。そこまでしてまで行きたいものなんですね〜。変な所に感心してしまいました。読了日:04月22日 著者:西條 奈加


ホテル・ピーベリー (双葉文庫)ホテル・ピーベリー (双葉文庫)事件がなかなか起きなかったのですが、その割には引き込まれるように読み進めました。事件が起きてからはどうなっていくのか気になって一気読み。謎解き部分は浅かったですが、そこを楽しむ話では無かったのでこれで良いのかも。読了日:04月25日 著者:近藤 史恵


今回も少なかったです・・。最後の本はほぼ1日で読み切ったのに・・。

今月は休みもあるし、もう少し読めるかな??

posted by DONA at 16:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:まとめ