2017年01月28日

奥田英朗「我が家の問題」

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 奥田英朗 著
 「我が家の問題」
 (集英社文庫)


夫は仕事ができないらしい。それを察知してしまっためぐみは、おいしい弁当を持たせて夫を励まそうと決意し―「ハズバンド」。新婚なのに、家に帰りたくなくなった。甲斐甲斐しく世話をしてくれる妻に感動していたはずが―「甘い生活?」。それぞれの家族に起こる、ささやかだけれど悩ましい「我が家の問題」。人間ドラマの名手が贈る、くすりと笑えて、ホロリと泣ける平成の家族小説。−裏表紙より−


甘い生活?」「ハズバンド」「絵里のエイプリル」「夫とUFO」「里帰り」「妻とマラソン」の6編収録されています。



「家日和」に続く第2弾。家庭内のちょっとした問題を取り上げた短編集です。

どれも面白かったのですが、特に気に入ったのは「ハズバンド」と「夫とUFO」「里帰り」です。

甘い生活?」の夫の悩みは何だか妙に刺さってしまって、周りに「贅沢な悩みだ」と言われている彼のことがかわいそうになってしまって読みにくかったです。女性目線では本当は逆なのでしょうが・・。


ハズバンド」は、夫が会社で辛い思いをしているらしいと知った妻が、せめてお昼休みくらい安らぎをあげたいと考え、お弁当を作ることにした話です。そのお弁当は肩に力を入れず、さり気なく工夫を凝らして、見た目は普通でも味は美味しいように、毎日作るために頑張りすぎないように作られていて、こういうお弁当って最高に妻の愛情が入っている素敵な物だなと感動しました。この妻の心使いに気づいているかどうか怪しいですが、彼女もそれを望んでいるわけではないから良いのでしょうね。


夫とUFO」は、夫が急に「UFOを見た。宇宙人と会話した」と言い出す話です。しばらくはこの話はどこへ向かうんだろう?と心配になるのですが、最後には感動させられました。妻が子どもたちに言った「これからおとうさんを救出してきます」宣言がかっこよすぎでした。


里帰り」は、新婚の2人が初めてのお盆にお互いの実家に顔を出す話です。初めはどちらか行かなくても良いのでは?など悩む2人ですが、結局お互いの実家に強行スケジュールで帰ります。お互いの実家のことが気に入って、最後は丸く収まる感じが心地よかったです。


絵里のエイプリル」だけは 結局どうなるんだろう?と気になる所で終わっていますが、他はすべてすっきりと収まり、爽快な気分にさせられる読後感でした。

シリーズはまだあるようなので、文庫化を待って読もうと思います。


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タグ:奥田英朗
posted by DONA at 16:56| Comment(2) | TrackBack(0) | 読書:その他

2017年01月23日

浅葉なつ「神様の御用人3」

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 浅葉なつ 著
 「神様の御用人3」
 (メディアワークス文庫)


個性的すぎる洋服を押し付けられ、相撲勝負に柄杓探し、おまけにお菓子作りまで!? 走り回る良彦を横目に神様たちは今日もいたって自由気まま。こんな時に頼りの黄金は、お菓子の神様とスイーツ三昧で肥満の危機!? そして、穂乃香の協力を得て御用人の役目に励む良彦もまた、神様との出会いによって少しずつ変わりはじめる。果たして、今の自分にできることは―。 神様と人間の繋がりと絆を描く御用人物語、第三弾!−裏表紙より−


天降るデザイナー」「一人角力」「童子の柄杓」「橘の約束」の4編収録されています。

今回もなかなかの個性派揃いでした。

でも今までの神様たちに比べたらまだかわいらしいというか、真剣な悩みが多かった気がします。表面的な願いはともかく、本当の深い部分での悩みや願いは納得できるというか、これは仕方ないと思えるものが多かったです。

妙に健気というか強気なキャラクターも登場し、穂乃香と共に今後また活躍してくれそうな雰囲気になっていました。若干うっとおしい感じではありますが・・。

何より、良彦がかなり立派になりました。まだ振り回される部分は多いのですが、早い段階で神様それぞれの本当の悩みや願いを見極められるようになり、黄金にも言わずに密かに対策を立てたりしています。

黄金もちょっと見直したようです。

相変わらず黄金とのやりとりはくだらなくて笑えるのですが、2人(?)の絆は深まった気がしますし、信頼し合っている感じが出てきました。

今回は最後の「橘の約束」で少し泣きそうになってしまいました。慕っていた神様に対する熱い想いが不器用だけど素敵で、ちょっとほろりとさせられました。


次はまたもっと成長した姿が読めそうで楽しみです。


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タグ:浅葉なつ

2017年01月20日

買った本

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 奥田英朗 著
 「我が家の問題」
 (集英社文庫)


家シリーズ第2弾。これも面白かったです。くすりと笑えたり、ちょっと泣けたり。

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 吉永南央 著
 「糸切り 紅雲町珈琲屋こよみ」
 (文春文庫)


シリーズ第3弾。今読んでいますが、相変わらず賢くスマートに生きているお草さんに憧れてしまいます。




2017年01月18日

谷瑞恵「思い出のとき修理します3 空からの時報」

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 谷瑞恵 著
 「思い出のとき修理します3 空からの時報」
 (集英社文庫)


穏やかに交際を続ける明里と秀司。ある日「秀司の時計店を女が手伝っている」と教えられた明里は、店で骨董店の娘・郁実と出会う。東京での仕事を辞めて帰ってきたという彼女は、商店街のお祭り準備で秀司が不在がちの今だけ、店番をしているのだという。自分と境遇の似た彼女に共感を覚えつつも、秀司との関係に少しだけ不安を感じて・・。切なく温かく、心を癒やす連作短編集、シリーズ第3弾。−裏表紙より−


3作目、また何だか秀司の性格が変わったような・・。それまでの詳しい内容を覚えていない自分が悪い気もしますが。

正に「穏やかに」交際を続ける明里と秀司。ベタベタくっついているわけではないですが、サラッと手を繋いだり、頭をポンと叩いて励ましたり、明里のことをあっさり公表したり、妙に親密な感じになっています。

でも明里は何だか不安に思っているようで、秀司の店に女性の店番が来たと聞いてちょっとやきもちをやいてしまいます。

その女性のことは、好きになれない感じではあったのですが、もっと自信をもっても良いはずの明里がやきもちを焼いては自己嫌悪に陥る描写は読んでいてイライラさせられました。

やっぱり私、恋愛話って苦手なんだと改めて思わされました・・。

普通なら微笑ましく読める部分なんでしょうね〜。

サッサと収まる所に収まってくれたら良いのに、と思ってしまいました。


今回も時計店に持ち込まれた時計にまつわる話が多かったですが、それ以外の話もあり、明里の秘密も明らかになります。それが最後には解決したので、ここからは一気に良い感じで収まる気はします。

次も手元にあるので、一応読んでみようかな?


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タグ:谷瑞恵

2017年01月17日

香月美夜「本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜第一部『兵士の娘T』」

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 香月美夜 著
 「本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜第一部『兵士の娘T』」
 (TOブックス)


とある女子大生が転生したのは、識字率が低くて本が少ない世界の兵士の娘。いくら読みたくても周りに本なんてあるはずない。本がないならどうする?作ってしまえばいいじゃない!目指すは図書館司書!本に囲まれて生きるため、本を作るところから始めよう!
緻密な世界観と多くの魅力的なキャラクターで大人気を集める本作が待望の書籍化!本好きのための、本好きに捧ぐ、ビブリア・ファンタジー!
−裏表紙より−


ネットでの感想を読んだら面白そうで、読みたいと思っていたら献本になっていたので「本が好き」で申し込みました。

とりあえず表紙を見ると、おばさんが読んで大丈夫なのか!?と心配になってしまったのですが、読み始めると一気に本の世界に引き込まれてしまいました。

この表紙のイラストがあるお陰でイメージもしやすくなりますし、これで良かったのかも。文庫じゃないから持ち歩けませんしね。



本が大好きというか、活字中毒といえるくらい本が好きすぎる女子大生が、突然事故にあい、目覚めたときには見知らぬ世界にいました。

なぜか青い髪の少女になってしまった彼女。しかも病弱な少女だったため、ちょっと動いては熱が出てしまう生活を強いられます。

更に、日本でも無ければ現代かどうかもわからない世界。言葉は少女の記憶を頼りになんとかなりますが、生活水準がかなり低い家庭だったため、不便な生活を送ることに、

活字中毒なのに、本もない!字も読めない、書けない状態になってしまい、彼女は何とかして本を手に入れようとします。でも結局本が手に入らないらしいとわかり、だったら本を作ればいいんだ!と張り切ります。本を作るだけではなく、最終的には司書になりたい!という壮大な夢を語るわけですが・・。

でも便利な機械はもちろん、紙もペンも無い世界。しかも病弱ときているため、なかなか計画は進みません。様々な困難に立ち向かいながら地道に進んでいこう!というところで一冊目終了。


架空の世界が描かれているわけですが、その世界観も面白くて、登場人物も魅力的で、何よりも本がどうやって出来上がるのかも楽しみでほぼ一気読みでした。

最後には何だか怪しい雲行きになりそうな発言もありましたし、物語をひっかきまわしてくれそうな人も出てきましたし、続きもとても楽しみな物語になりました。

次もぜひ読みたいです。


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タグ:香月美夜

2017年01月06日

西條奈加「上野池之端 鱗や繁盛記」

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 西條奈加 著
 「上野池之端 鱗や繁盛記」
 (新潮文庫)


騙されて江戸に来た13歳の少女・お末の奉公先「鱗や」は、料理茶屋とは名ばかりの三流店だった。無気力な周囲をよそに、客を喜ばせたい一心で働くお末。名店と呼ばれた昔を取り戻すため、志を同じくする若旦那と奮闘が始まる。粋なもてなしが通人の噂になる頃、店の秘事が明るみに。混乱の中、八年に一度だけ咲く桜が、すべての想いを受け止め花開く―。美味絶佳の人情時代小説。−裏表紙より−


始めは、高田郁さんの小説のようだと思いながら読んでいたのですが、だんだん雰囲気が変わっていきました。

騙されるような形で奉公に出てきたお末。三流の料理茶屋で接客をすることに。他の奉公人は現状を仕方ないと諦めていましたが、お末は何とかお客を満足させたいという気持ちで働きます。

お末に影響されるように、料理長も少しずつやる気を出していきます。

若旦那は以前から店を何とかしようと思っていたらしく、義父である主人がやる気がないので、自分のやりたいように店を改革し始めました。

こういう感じで、店が良くなっていき、お末も他の奉公人たちも生き生きと働いて、店がどんどん大きくなって・・という展開になるんだと思っていたら、何だか不穏な展開に・・。

変だな?と思っているうちに、どんどんおかしな方向へ。


気持ちはわかるけど、こんな方法をとらなくても・・と悲しい結末が。

でも最終的には明るい未来を感じさせる終わり方になっていたので、途中のことを思えば、読後感はそれほど悪くありませんでした。

一つ残念なのは、途中の年月がかなり省略されていたこと。2作に分けてでも詳しく書いて欲しかった部分でした。

シリーズにするのは難しそうですが、彼らにはまた会いたいという気持ちになりました。


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posted by DONA at 17:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:西條奈加

2017年01月05日

2016年年間トップ10

今年も遅くなりましたが、年間のランキングをつけました。

1.高田郁「あきない世傳金と銀 源流篇」

  お気に入りの作家さんの新シリーズ。このシリーズも面白くなりそうです。


2.今野敏「宰領 隠蔽捜査5」

  お気に入りのシリーズ。そろそろマンネリ化しそうなのに、まだまだ飽きません。


3.今野敏「廉恥 警視庁強行犯係 樋口顕」

  久しぶりに発売されたシリーズ最新刊。懐かしい気持ちで読みました。


4.今野敏「捜査組曲 東京湾臨海署 安積班」

  これもお気に入りのシリーズ。短編でメンバーそれぞれにスポットが当たっていて面白かったです。


5.西條奈加「千年鬼」

  意外な結末が待っていて、久しぶりに号泣させられました。


6.藤崎翔「こんにちは刑事ちゃん」

  意外なヒットでした。かなり笑わせてもらいました。シリーズ化希望します!


7.西條奈加「閻魔の世直し 善人長屋」

  シリーズ2作目。これも面白かったです。


8.近藤史恵「キアズマ」

  これもお気に入りのシリーズ。主人公は変わりましたが、それでも面白かったです。


9.伊吹有喜「オムライス日和」

  シリーズ2作目。不思議な雰囲気の物語。しっとりした雰囲気で楽しめました。


10.桂望実「ハタラクオトメ」

  ちょっと太めなOLにかなり癒されました。


今回も、順位は一応・・って感じで。この10冊が面白かったのは確かですが、特に上位5作くらいはどれも面白かったので順位は関係ないです。

去年は、久しぶりに発売されたシリーズがあってうれしかった年でした。次は間を空けずに書いてほしいです。

posted by DONA at 10:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:まとめ

2017年01月04日

12月のまとめ

ほっこりミステリー (宝島社文庫)ほっこりミステリー (宝島社文庫)
好きな作家さんが書かれている作品が集まっているなんて、読まずにはいられません。柚月さんのは読んだことがありましたが・・。他の3作も面白かったです。ただ、「ほっこり」ではない気がしましたけど。
読了日:12月4日 著者:伊坂幸太郎,中山七里,柚月裕子,吉川英梨


神様の御用人 (2) (メディアワークス文庫)神様の御用人 (2) (メディアワークス文庫)
まだまだ新米御用人の良彦ですが、その真っすぐな性格のお陰で御用をうまくこなしています。不覚にも泣きそうになる話もありました。続きも楽しみです。
読了日:12月6日 著者:浅葉なつ


ブラックベリー・パイは潜んでいる (ヴィレッジブックス)ブラックベリー・パイは潜んでいる (ヴィレッジブックス)
珍しい展開で始まったのですが、途中からはいつもの流れに。安定感はありますね。今回はモシェの可愛さに全て持って行かれた感じでした。あとがきによると、次回は大きな転機が訪れるとか。楽しみです。
読了日:12月16日 著者:ジョアン・フルーク


居酒屋ぶたぶた (光文社文庫)居酒屋ぶたぶた (光文社文庫)
一つの店だけの話かと思ったら、話毎に違う店。たまには、ずっと同じ店にいて、お客さんが次々変わるのも読んでみたいです。一軒目の居酒屋、良い雰囲気そうだったから、ずっと読みたかった・・。
読了日:12月20日 著者:矢崎存美


上野池之端 鱗や繁盛記 (新潮文庫)上野池之端 鱗や繁盛記 (新潮文庫)
頑張り屋さんのお末が可愛いらしくて、出てくる料理は美味しそうで、ミステリー要素もあって、なかなか面白かった。人間のいやらしさも描かれていたのに、最後がすっきりしたからか、爽やかな読後感でした。続編もあると良いのですが、書きにくいかな?
読了日:12月29日 著者:西條奈加


全部で5冊と少なかったです。旅行先でも読めていたのにな・・。

去年のランキングも次回作ってみます。

posted by DONA at 14:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:まとめ