2016年07月29日

矢崎存美「ドクターぶたぶた」

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 矢崎存美 著
 「ドクターぶたぶた」
 (光文社文庫)


医師やナースの間で「胃がんなら、この人」と信頼される、消化器系内視鏡手術のエキスパートがいる。その名は山崎ぶたぶた、大きな病院に呼ばれては手術をする名医だた、その見た目”から、たまに執刀を断られることもあるという。その理由は、いったい―?病院を舞台に巻き起こる、悲喜こもごもの四つのドラマ。おまけのショートショートもついてます。−裏表紙より−


窓際の人形劇」「妄想の種」「優しい人」「恋かもしれない」の4編と「祖母の決断」のショートショート1編収録。

年に2度のぶたぶたさん。今回はとうとう人間の医者になりましたよ!しかも、内視鏡手術のエキスパートという存在。胃がんになってもぶたぶた先生がいれば安心!

・・いや、本当にぶたのぬいぐるみが執刀医だったら、ためらうでしょう! ぶたぶたさんファンの人たちなら「よし!」と思えるでしょうが、知らない人にしたら任せられない! 私も家族が手術されるなら断るかも・・。色んな医師に聞いて全員の評価が高ければやってもらうかな??

器具を扱っている場面を見せてもらうとか。


今回は胃がんの患者さんや、病院で手術室看護師をしている人、がんが再発してまた手術をすることになった女性、田舎に住む老夫婦がぶたぶたさんに癒され助けられます。

がんの告知を受けた男性が、失意の中告げられるぶたぶた先生の存在。呆然としているときに、おしゃれなカフェでお茶するぶたぶたさんを見付けます。彼と会話するうちに「彼に任せてみよう」と思えるようになるわけですが、おしゃれなカフェで向かい合った男性とぶたぶたさんの場面が妙に笑えました。

「いや、僕はね、ちょっと古ぼけてるんですよ。ここはなんかこう・・・もっと新しいぬいぐるみじゃないと合わないきがして」
もはや反論不可能だった。ぬいぐるみの悩みは人間の斜め上だ。



目の前でぶたぶたさんを見たら、たくさん聞いてみたいことがあるんだろうと思います。でもぶたぶたさんって、ぬいぐるみであることに自然体でいるから、どこまで質問していいかわからない気持ちもわかります。

どうやって食べ物を食べているのか?は絶対に知りたい! でも聞いても「みなさんと同じですよ」とかシレッと言われそうです。


次はどんな職業につくのか。保育士はどうかな?と思うのですが・・。


<ぶたぶたさんシリーズ>
「ぶたぶた」
「刑事ぶたぶた」
「ぶたぶたの休日」
「夏の日のぶたぶた」
「クリスマスのぶたぶた」
「ぶたぶた日記」
「ぶたぶたの食卓」
「ぶたぶたのいる場所」
「ぶたぶたと秘密のアップルパイ」
「訪問者ぶたぶた」
「再びのぶたぶた」
「キッチンぶたぶた」
「ぶたぶたさん」
「ぶたぶたは見た」
「ぶたぶたカフェ」
「ぶたぶた図書館」
「ぶたぶた洋菓子店」
「ぶたぶたのお医者さん」
「ぶたぶたの本屋さん」
「ぶたぶたのおかわり!」
「学校のぶたぶた」
「ぶたぶたの甘いもの」

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2016年07月27日

今野敏「捜査組曲 東京湾臨海署安積班」

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  今野敏 著
 「捜査組曲」東京湾臨海署安積班
 (講談社文庫)


お台場の公共施設で放火との通報が入った。安積班のメンバーが臨場すると、警備員がいち早く消火活動を始めており一大事にならずに済んだ。警備員から聞き込みをした須田は、何か考え込んでいて・・。三日後、またしても同じ施設内で強盗事件が起きる。珍しく須田がこの事件を担当したいと安積に頼むが―(「カデンツァ」より)。安積班をはじめ、強行犯第二係長・相楽、鑑識係・石倉、安積の直属の上司・榊原、それぞれの物語を音楽用語になぞらえて描く、安積班シリーズ待望の文庫化。−裏表紙より−


大好きな安積班シリーズ。1年半ぶりの文庫です。

今回は短編です。音楽用語が題名になっていて、それにちなんだ内容の話が書かれています。音楽用語でまとめることで、安積班や捜査のチームワークの大切さみたいなものを描きたかったのかな?と思います。

短編の1話ずつの視点がそれぞれ違っていて、今回は安積班のメンバーに加えて、隣の係長で安積をライバル視している相楽警部補や鑑識の重鎮・石倉や安積の上司・榊原も主役となって活躍しています。

お陰で彼らから見た安積の姿がよくわかるようになっていて、更に班長がかっこよく見えました。

特にお気に入りなのは、村雨の話。彼はメンバーたちの特徴をしっかりつかんでいて、冷静にどうすれば各々が動きやすいかを考えて行動しています。特に気にかけているのが班長のこと。須田の能力は認めているものの、彼には安積は助けられないと思っていて、いかに安積がストレスなく活躍できるかを考えて、防波堤になれるのは自分だけだときちんと理解しています。

普段はあまり多くを語りませんし、須田の陰に隠れてしまっている村雨の安積を思う気持ちに感動する内容でした。


それと、石倉の話もよかったです。鑑識は職人って感じが強くて、中でも特に偏屈なイメージの石倉ですが、部下からはかなり慕われていることがわかりましたし、彼も安積班長に一目置いていることがわかりました。

石倉が安積から諭されて、急におとなしくなるのは面白かったです。


そして、登場以来気になっている女刑事・水野ですが、どうやら安積も彼女のことを認めたようですので、私も仲間として見ていくようにしようかな?と。今回は女性として活躍してくれましたし、今後に期待することにします。


さ、次はいつ文庫になるのかな?楽しみです。


<安積班シリーズ>
「二重標的」
「虚構の殺人者」
「硝子の殺人者」
「警視庁神南署」
「神南署安積班」
「残照」
「陽炎」
「最前線」
「半夏生」
「花水木」
「夕暴雨」
「烈日」
「晩夏」

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2016年07月26日

葉真中顕「ロスト・ケア」

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 葉真中顕 著
 「ロスト・ケア」
 (光文社文庫)


戦後犯罪史に残る凶悪犯に降された死刑判決。その報を知ったとき、正義を信じる検察官・大友の耳の奥に響く痛ましい叫び―悔い改めろ!介護現場に溢れる悲鳴、社会システムがもたらす歪み、善悪の意味・・・。現代を生きる誰しもが逃れられないテーマに、圧倒的リアリティと緻密な構成力で迫る! 全選考委員絶賛のもと放たれた、日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。−裏表紙より−


初めましての作家さんです。

読む前からきっと重い話だろうと覚悟はしていたのですが、読み終わるとやっぱり重くて感想が整理できない状態になりました。


話は、2011年12月、<彼>に死刑判決が降る裁判の様子から始まります。<彼>はどうやら殺人を犯したようだということしかわかりません。ただ続いて何人かの感情が描かれている文章から察するに、この殺人によって救われた人と、怒りが収まらない人がいることはわかります。

そして次の章では、2006年11月へ。ここから<彼>が起こした事件の内容が明らかにされていきます。そして<彼>と表記されているのはこの中に出てくる誰なのか?動機は何なのか?が少しずつ明かされていくのです。


ミステリーだけではなく、高齢化社会について描かれています。家で介護することの大変さ、介護ビジネスの難しさ、社会システムの問題点などなど。

私自身は、介護をしたことが無いので、介護する人の大変さは想像するしかありませんが、中で描かれていた娘が母親を介護する様子は涙があふれて仕方ありませんでした。あまりにも壮絶で、娘さんの苦しみも、介護されている母親の苦しみも痛いほど伝わって、読むのが苦しいくらいでした。と言っても、実際に介護された方の気持ちなんて、経験していない私に理解できるわけないのですが。

更に介護ビジネスについて、老人ホームや介護施設などを経営している会社の社員の話もあります。その社員の言っていること全てに賛同するわけでは決してないですが、いくつかの部分では自分の携わる保育の世界と共通する所がたくさんあって、激しく共感してしまいました。

老人の介護をすることは、家族だけでは難しい。でも、それをビジネスにするとなぜか社会から白い目で見られる。現場を知らない偉い人たちが考えたルールを全部正確に守っていたらビジネスとして成り立たない部分がある。この辺りは本当にわかります。一般の会社がやるからには、利益がないと倒産してしまうのは当然のことで、福祉としてそれは変だ、ダメだと言うなら、それなりの資金を回してくれ!ってことです。予算は無い、でも介護はクリーンで無いと・・というのは矛盾しています。

利益を得るために何をやっても良いというわけでは無いですけどね。詰め込みすぎたり、職員の待遇がひどすぎたり、虐待したり、そういうことになるのは絶対にダメです。

今は待機児童の問題で、保育士の給料が安すぎる、なんて叫ばれていますが、介護士も本当に安いです。労働に見合わない職業ですよね?結局、彼らの善意に甘えている所が大きいと思います。


介護されている人が喪失感を感じて「早く死にたい」と考えるのは何となくわかります。我が子に迷惑をかけるなんて、想像するだけでも辛いです。でもだからといって、<彼>がしたことに賛同はしたくないんですよね。

でも気持ちはわかる・・・・・。

本当に難しい問題ですし、自分もどうやって気持ちを整理したら良いのかわかりません。正義ってなんでしょうね??

色々考えさせられた作品でした。とりあえず、福祉についてルールを決めている偉い人たちに読んでもらいたいものです。


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タグ:葉真中顕

2016年07月25日

椹野道流「時をかける眼鏡 医学生と、王の死の謎」

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 椹野道流 著
 「時をかける眼鏡 医学生と、王の死の謎」
 (集英社文庫)


母の故郷・マーキス島にある「法医学博物館」で突然過去の世界に飛ばされた、医学生の西條遊馬。わけがわからないまま、殺人事件の現場に居合わせたために投獄されてしまう。そこで出会ったのは、この国の皇太子ロデリック。彼は、父である王を殺した罪に問われているというのだが・・?そして、ロデリックの無実を証明するよう、遊馬に頼んできた人物とは―!?−裏表紙より−


この作家さんの本を読むのは2作目ですが、同じように面白い設定になっていて、気づけば話に引き込まれていました。しかも、登場人物たちが憎めないんですよね・・。

主人公は、法医学者を目指している、医学生の遊馬。この字を書いて「あすま」と読むのですが、漢字で書いてあると「ゆうま」と読んでしまうし、タイムスリップしてからは、カタカナで「アスマ」と書かれていて、今度は「すあま」と読んでしまうし、ややこしくて仕方ありませんでした・・私だけかな?


遊馬が過去に飛ばされてからは、怒涛の展開が。いきなり殺人現場に行きあたって、容疑者にされて投獄されます。でも謎の人物に助け出され、その人物からなぜ遊馬がこの時代に連れてこられたのか?を聞かされます。

結局、その当時の王族の相続問題に巻き込まれるような形ではありますが、殺人事件の調査をすることになります。法医学者を目指しているアスマにとっては良い勉強になるようで、黙々と、特に大きくパニクることもなく解決していきます。

まあこの謎解きははっきり言って大したことはないので、ミステリーとしてはイマイチなんですけどね。

ただ、昔の王族の内部事情のようなものを知ることができますし、何より王族の人たちが良い感じのキャラなんですよね。

特に3番目の王子が印象的でした。彼は、上に2人も男子がいるので、その当時のしきたりとして姫として育てられました。姫王子と呼ばれているわけですが、生まれてからずっと女装で過ごし、姫として扱われています。いつかは姫として他国へ嫁入りするのだとか。そんな彼に遊馬がそんな定めはつらくないか?と聞いたところ、国で作られているお菓子を渡してからこう返事をしました。

「これは、(中略)贅沢な菓子だ。我が国の大半の民は、この甘さを知らぬまま一生を終える。菓子など買う余裕がないからだ」(中略)「一方で、そんな民たちが納める税で、私は養われておる。(中略)すべて民のおかげだ」(中略)「ならば、私をここまで守り育ててくれた民の幸せのため、この身を捧げるのは当然のことであろうよ。王室に生を享けるとは、そういうことなのだ」

王族に生まれるなんて、想像もつかないですが、守られて育つだけに「民のため」という気持ちは強くなるのかもしれませんね。その覚悟に感動しましたし、ちょっと悲しい気持ちにもなりました。


まだ遊馬は現代に帰れないので、彼の成長を見届けるためにも、続きを読んでいきます。


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2016年07月22日

買った本

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 今野敏 著
 「捜査組曲 東京湾臨海署安積班」
 (ハルキ文庫)


大好きなシリーズ。読んでいた本が重い内容だったので、この本と並行して読みました。短編で読みやすくて良い感じ。


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 矢崎存美 著
 「ドクターぶたぶた」
 (光文社文庫)


こちらも大好きなシリーズ。自分でもよく飽きないな〜と思いますが、読むのが楽しみです。

2016年07月20日

藤崎翔「こんにちは刑事ちゃん」

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 藤崎翔 著
 「こんにちは刑事ちゃん」
 (中公文庫)


ベテラン刑事・羽田隆信は後輩の鈴木慎平と殺人事件の捜査中、犯人に撃たれ殉職した―はずだった。目がさめると、なんと鈴木家の赤ちゃんに生まれ変わっていた!?最高にカワイイ赤ちゃんの身体と、切れ味鋭いおっさんの推理力で、彼は周囲で巻き起こる難事件に挑む! 笑って泣ける衝撃のユーモア・ミステリー、誕生!−裏表紙より−


初めましての作家さんです。表紙の絵を見ると「笑わせてやろう!」感が出すぎていて、あまり好みのタイプではないのですが、ネットでの感想を読めば読むほど面白そうに思えて、ついつい買ってしまいました。


あらすじを読んでもわかる通り、禿げたおっさん刑事としてスタートした主人公が後輩刑事の家に誕生した赤ちゃんに生まれ変わってしまいます。

「見た目は子ども、頭脳は大人」というコナンを思い出してしまいますね。この話の場合は「見た目は赤ちゃん、頭脳はおっさん」なので、コナンよりも年齢差が大きいですが・・。

連作短編になっていて、「おっさんの章」から始まり、「ねんね」「寝返り」「はいはい」「あんよ」と続き、最後に「別れの章」があります。一つの章に一つの事件が起きます。

章の名前の通り、赤ちゃんが成長していく過程も描かれていて、中身がおっさんなだけに、身体能力に対する苦労がたくさんあって、その描写が笑えるんです。

でも周りからすれば(中身がおっさんなので)かなりやりやすい赤ちゃんではあります。かわいげがないかもしれませんが。

普通の赤ちゃんと違う・・と悩んでしまう母親のことを気遣って必死で普通の赤ちゃんのような反応しようとする処とか、笑える処がたくさんあります。

鋭い推理力を見せつつ、後輩を助けつつ、事件をスパッと解決していく部分は爽快ですし、なかなか面白い展開が続きます。

そして、最後の「お別れの章」では涙涙・・。別れが来ることはわかっていたのに、つい号泣してしまいました。でもどうやらまた彼は違うものに生まれ変わるようです!

それは第2弾として書く予定だとか。「作者がやる気を失わなければ」的な条件があるようですが、ぜひぜひ書いてもらいたいです。禿げたおっさんが、今度はふさふさモフモフの毛に悩む様子が読みたいです。


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タグ:藤崎翔

2016年07月15日

大門剛明「不協和音 京都、刑事と検事の事件手帳」

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 大門剛明 著
 「不協和音 京都、刑事と検事の事件手帳」
 (PHP文芸文庫)


刑事だった父は、本当に冤罪を生んだのか―。京都府捜査一課の川上祐介は、妻を殺したと自白しながら、黙秘に転じた被疑者に手を焼いていた。そこへ、京都地検から「不起訴」の連絡が届く。それを決めた担当検事は、父が違法捜査を疑われて失職した際に別の家の養子となった弟の真佐人だった。不起訴に怒る祐介に、真佐人は意外な一言を返す。刑事と検事の信念がぶつかる連作ミステリー。−裏表紙より−


題名や表紙の雰囲気で勝手に中年おやじたちをイメージしていたので、新人刑事と検事の話だということに驚かされました。後になってみると、なぜ中年だと思ったのか自分でも謎ですが・・。


刑事と検事という2人の兄弟ですが、弟が養子に出たため、名字が違います。刑事である兄も、冤罪を生んだ亡き父とは違う名字なので、あの伝説の刑事”と親子だとは気づかれていませんし、検事の弟とも兄弟とはバレていません。

兄を中心に話は進みますが、兄が捜査を進めて送検するときには、検事の弟がダメ出しをしてきます。しかも、しばらく疎遠だったせいもあって、何だかよそよそしい上に高圧的な態度。

兄はイライラを募らせますが、弟の言うことはかなり的を射ていて、その通りに調べると、被疑者が罪を認めたり真犯人が見つかったり、スムーズに解決できるようになるため、頭の片隅に置いて捜査するようになっていきます。

弟を育てた父は検事だったので、弟は検事の道を選びました。刑事だった実の父を非難するような言動を繰り返しています。それも兄は気に入らないのですが、弟の言動にはどうやら裏がありそうです。

なかなか本心を語らない弟の本心が、シリーズを読み進めたら明らかになっていくのでしょう。その辺りも楽しみですし、何より警察小説は大好きなので、シリーズを追っていきたいと思います。

今回は、弟にやられっぱなしだった兄ですが、いつかひっくり返してくれることにも期待します。


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2016年07月12日

森沢明夫「夏美のホタル」

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 森沢明夫 著
 「夏美のホタル」
 (角川文庫)


写真家志望の大学生・相羽慎吾。卒業制作間近、彼女の夏美と出かけた山里で、古びたよろず屋「たけ屋」を見付ける。そこでひっそりと暮らす母子・ヤスばあちゃんと地蔵さんに、温かく迎え入れられた慎吾たちは、夏休みを「たけ屋」の離れで暮らすことに。夏空の下で過ごす毎日は、飽きることなくシャッターを切らせる。やがて、地蔵さんの哀しい過去を知った慎吾は、自らできることを探し始めるが・・・。心の故郷の物語。−裏表紙より−


この作家さんの作品は2作目。初めて読んだ作品と同じようにとても優しい文章で、優しい物語でした。さらっと読みやすく、短時間で読んでしまいました。


写真家志望の大学生・慎吾は、なかなか実力が認められずに軽いスランプに陥っていました。気分転換も兼ねて、彼女の夏美とバイクで出かけることに。トイレを借りるために立ち寄った山里の小さな店で暮らす母子に出会い、そこから彼らの人柄に惹かれ、夏休みの間を店の離れで暮らすことになりました。

山里での暮らしは、都会では味わえないことばかりで、2人ははまっていきます。何より、店のヤスばあちゃんと息子の恵三に心を癒され、たくさんのことを教えてもらい、逆に支えたりしながらの暮らしは新鮮でした。

恵三は、足が不自由であまり歩けないのですが、彼から教えてもらった川あそびの様子を写真に撮ることで、慎吾の方向性が見えたのです。

恵三は、店の前にあるバス停からバスに乗っていく子どもたちを地蔵のように優しく見送っていることから「地蔵さん」と呼ばれてみんなから愛される人ですが、彼には過去に悲しい出来事がありました。

それを告白されてからは、一層彼に惹かれていった慎吾と夏美でしたが、そんな幸せは長く続かないもので・・・。


前半の明るい雰囲気から一転、涙なしでは読めない展開が待っていました。私はそれを電車の中で読んでいたので、思いっきり泣けずにもやもやしてしまいました・・残念。泣かないようにするために流し読みするなんて!勿体ないです・・。

地蔵さんもヤスばあちゃんも本当に良い人で、何の欲もなく毎日心静かに暮らしている姿にほのぼのしましたし、憧れました。こういう心境になるまでには様々な苦労があったわけです。私もこういう風に穏やかに生きてみたいです。

最後まで静かな時が流れる優しい展開で、明るい希望がもてる終わり方でした。読み終わって幸せなため息が出る物語でした。

うまく感想が書けないのが悔しいです・・。


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タグ:森沢明夫
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2016年07月11日

買った本

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 藤崎翔 著
 「こんにちは刑事ちゃん」
 (中公文庫)


ネットで感想を読んで面白そうなので購入。読み始めましたが、まだまだ序盤なのでどうかな??


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 葉真中顕 著
 「ロスト・ケア」
 (光文社文庫)


こちらも感想を読んで購入。重そうなので、何かと並行して読もうかな?



2016年07月05日

西條奈加「閻魔の世直し 善人長屋」

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 西條奈加 著
 「閻魔の世直し 善人長屋」
 (新潮文庫)


周囲から「善人長屋」と呼ばれる千七長屋。差配も店子も表向きは堅気のお人好し揃いだが、実は裏家業を営む悪党だらけ。ある日、「閻魔組」と名乗る三人組によって裏社会の頭衆が次々に襲われ、惨殺される事件が発生する。天誅を気取る「閻魔組」の暗躍は、他人事として見過ごせない。長屋を探る同心の目を潜り、裏家業の技を尽くした探索は奴らの正体を暴けるか。人情溢れる時代小説。−裏表紙より−


シリーズ2作目です。前作で長屋を引っ掻き回した善人・加助は今回おとなしめ。まあ人助けはするんですけど、他の事件が大きすぎて霞んでいました。

他の事件というのは、「閻魔組」という謎の集団が起こした事件で、裏社会のボスたちを「天誅」ということで惨殺していきました。ボスだけならまだしも、周りにいた人たちをも巻き込んでいて、長屋の人たちはどうにも許せない気持ちが高まってしまいます。

でも、殺し方を見ると、かなりの手練れ集団だということで、どうすれば自分たちの身を守りながら懲らしめることができるのか、差配を中心に頭を悩ませます。

更に、長屋に目をつけている同心まで現れて、ますます厄介な事態に。

更に更に、縫ちゃんに淡い恋まで芽生えてしまい、これがまた叶わぬ恋となれば、周りはあたふたしてしまうのは仕方ないことですし。


最初から最後までバタバタしっ放しの内容で、息つく暇なく一気読みという感じでした。

「悪人だから殺しても良い」なんてことは絶対に無いですし、悪人だからといって殺してしまったら、その犯人もやはり悪人になるわけで、それをヒーローのように祭上げるのは大きな間違いです。

この「閻魔組」も悲しい事情が隠されていて、また因縁のアイツも出てきて、意外などんでん返しもあって最後まで面白かったです。心痛い部分もたくさんありましたが、うまくいい方向に向かっていきそうな結末でホッとしました。

続きも楽しみです。早く出してくれないと、長屋の人たちのこと覚えていられない〜!


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2016年07月04日

2016年 上半期まとめ

なんか今年、早く過ぎる気がする!毎日暇なのにな〜。

上半期は、34冊でした。4月以降は読めるようになったので、去年よりはマシですね。

初めましての作家さんは、9人。

岡本さとる、宮下奈都、桂望実、朝井リョウ、かたやま和華、ヒキタクニオ、今井絵美子、椹野道流、新宮広明

何人かはまた読みたいと思えました。

まとめていて気付いたのですが、上半期は海外物を読んでいない!珍しいです。まあ、ずっと探しているのに見つからないから仕方ないですが。

特に印象に残っているのは、今野敏「宰領 隠蔽捜査5」伊吹有喜「オムライス日和」近藤文恵「キアズマ」高田郁「あきない世傳 金と銀」碧野圭「書店ガール5」西條奈加「閻魔の世直し」です。

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2016年07月01日

6月のまとめ

([い]4-3)なでし子物語 (ポプラ文庫)なでし子物語 (ポプラ文庫)
立場や環境は違っても、似ている境遇にいる3人の物語。子ども2人の言動が微笑ましくて、でも痛々しくて胸が苦しい思いをしながら読み進めました。未亡人の女性がどんどん変わっていくのは素敵でした。3人それぞれが前を向いて生きていくであろう未来が見えて良かった。優しい物語でした。
読了日:6月2日 著者:伊吹有喜


([お]7-8)真夜中のパン屋さん 午前4時の共犯者 (ポプラ文庫)真夜中のパン屋さん 午前4時の共犯者 (ポプラ文庫)
ぶ厚すぎて持ち歩くのが嫌で、家で少しずつ読みました。お陰で時間かかった〜。内容は重かったのですが、省けるところもいっぱいあるのでは?とつい思ってしまうくらい長かった・・。よくもまあこれだけ毎回問題が起きるものです。そろそろ終わりかな?これが最終巻でも良いのでは?とさえ思える内容でした。
読了日:6月7日 著者:大沼紀子


給食のおにいさん 受験 (幻冬舎文庫)給食のおにいさん 受験 (幻冬舎文庫)
う〜ん・・なんだろう?前作で終わりで良かったのかな?と思ってしまいました。お嬢様学校で給食、という設定は面白いですが、ここまで苦労してお嬢様たちに給食を食べさせないといけないのか?という思いが抜けなくて楽しめませんでした。
読了日:6月13日 著者:遠藤彩見


(P[あ]4-8)よろず占い処 陰陽屋猫たたり (ポプラ文庫ピュアフル)よろず占い処 陰陽屋猫たたり (ポプラ文庫ピュアフル)
ちょっとこのほのぼの感に飽きてきたかも?瞬太の幼さが目について仕方がなくなってしまいました。たまにはこういうのんびりしたのも良いんですけどね。
読了日:6月18日 著者:天野頌子


最後の晩ごはん 小説家と冷やし中華 (角川文庫)最後の晩ごはん 小説家と冷やし中華 (角川文庫)
元俳優という設定が活かされる話でした。良かった良かった・・。色々出てくる展開には慣れたので、1作目よりは驚きは少なかったです。イガが少しずつ強くなっていくのを見ているのは楽しいです、今のところは。
読了日:6月19日 著者:椹野道流


サマーキャンプ 潜入捜査官・高階紗香の慟哭サマーキャンプ 潜入捜査官・高階紗香の慟哭
新興宗教の怖さを思い知らされました。人って弱いくせに強がって、突然ポキッと心が折れてしまうと立ち直れない・・そういうときに宗教にすがりたくなる気持ちは何となくわかります。でも怖いですね・・。主人公が潜入した所から俄然面白くなり、そこからはハラハラしっ放しでした。帯にあるように3回騙されるか?は微妙ですが、最後まで楽しめました。事件には嫌悪感しかなかったですが。
読了日:6月28日 著者:新宮広明


閻魔の世直し: 善人長屋 (新潮文庫)閻魔の世直し: 善人長屋 (新潮文庫)
2作目も面白かったです。善人長屋の人たちは裏では悪いことをしつつもどこかに超えてはいけない一線を持っていて、そこが妙にかっこいいんですよね。冷静に見れば彼らも罪を犯しているのですが、なんか憎めない人たちです。縫の淡い恋に心痛めつつ、でも良い具合に落ち着いたようでほっとしました。
読了日:6月28日 著者:西條奈加


6月は7冊。まあまあですね。時間がかかった本が多かった割には読めた方かな?

特に印象に残ったのは「閻魔の世直し 善人長屋」です。

posted by DONA at 15:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:まとめ