2015年05月28日

「晴れた日は謎を追って がまくら市事件」

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 伊坂幸太郎・大山誠一郎・伯方雪日・福田栄一・道尾秀介 著
 「晴れた日は謎を追って がまくら市事件」
 (創元推理文庫)


不可能犯罪ばかりが起こる街、蝦蟇倉市。賑やかな商店街や老婦人が営む和菓子屋があり、いわくつきの崖や海を望むホテルがあるこの街は、一見のどかなようで、どこかおかしい。蝦蟇倉警察署には“不可能犯罪係”が存在し、スーパーの駐車場では怪しい相談屋が混む所を開いている。この街の日常は、いつも謎に彩られている。第一線で活躍する作家による、不思議な街の道案内。−裏表紙より−


不可能犯罪ばかり起こるという蝦蟇倉市を舞台にした小説ばかり5話収録されています。道尾秀介「弓投げの崖を見てはいけない」、伊坂孝太郎「浜田青年ホントスカ」、大山誠一郎「不可能犯罪係自身の事件」、福田栄一「大黒天」、伯方雪日「Gカップ・フェイント

色々な作家さんが書いているわけですが、さり気なく他の話のことにも触れられていたりして、関連性も楽しめるようになっています。

どれも面白かったですが、一番気に入ったのは「浜田青年ホントスカ」です。この作家さんだけ読んだことがあるので、馴染やすかったのもあるかもしれません。

どんでん返しが多くて、始めから何気ない描写にも気を配って読んでおかないと、最後に置いて行かれる感じになるのは、伊坂さんらしい作品です。彼らが結局どうなったのか、その後を想像するのも面白いかもしれません。


他に読みやすかったのは福田栄一「大黒天」です。初めて読んだ作家さんでしたが、私には読みやすかったです。実は名前も知らなかった作家さんなので、今度からは本屋さんでも気を付けてみておきたいと思います。話の内容も面白かったですが、登場人物のキャラクターが入りやすかったです。


「不可能犯罪係自身の事件」も面白かったです。これは、キャラクターよりもまさしく不可能犯罪!という密室での殺人を解き明かす部分がミステリ好きにはたまらない内容でした。複雑だったのですが、あざやかというか、視点を変えるだけで解決できる、実は簡単な事件だったというオチも好みでした。もう少し人物が魅力的なら更に面白かったのでしょうが・・。


初めて読む作家さんも多く、興味が出た方もおられたので、新たな出会いができて良かったです。またアンソロジーも読みたいです。


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2015年05月19日

高田郁「晴れときどき涙雨 高田郁のできるまで」

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 高田郁 著
 「晴れときどき涙雨 高田郁のできるまで」
 (幻冬舎文庫)


『銀二貫』、『みをつくし料理帖』シリーズなどで大人気の時代小説作家・高田郁。その優しさと温もりに満ち溢れた作品の源流は、ここにあった!! 法曹界を志し、挫折を味わったこと。交通事故に遭い、後遺症に苦しんだ日々のこと。阪神・淡路大震災の経験―。艱難辛苦を乗り越え手にした希望とは? 文庫版あとがきを加えた、貴重な初エッセイ集。−裏表紙より−


漫画原作を書いていた頃の高田さんが、4年半に渡って連載していたエッセイを一冊にまとめた作品です。

この作家さんのことはすっかりお気に入りになり、出版されたら(文庫になったら)読んでいますが、本人のことはほとんど知らずにいました。漫画の原作を書かれていたことは知っていましたが、それ以前に法曹界を目指していたことも知らず、作家になってからも色々苦労されていたことも知りませんでした。

挫折を味わったことで、人の痛みがわかり、こんなにやさしい物語が描ける作家になれたのかもしれません。


とても短いエッセイがいくつも収められていて、さらっと読んでしまえますが、一話毎にじわ〜っと涙が溢れる感じがして、しっかりかみしめて読みたい作品でした。

自分の想いを文章にしたら、誰かに対する文句や世の中に対する不満などを書いてしまいそうですが、高田さんは違いました。自分に対する不甲斐なさや悔しさなどは書かれていますが、誰に対しても文句が書かれていません。そこがすごいと思います。


他の小説と同じように、温かく優しい涙をときどき流しながら読み終えました。彼女のように、人のことを思いやり、そっと頭をさげられるような人間になりたいと強く思いました。

人に感謝する気持ちをもっているからこそ、周りにも素敵な人が集まってきますし、うまく助けてもらえるのでしょうね。

私が今からやり直せることがあるのか?はかなり疑問ですが、日常のちょっとしたことにも目を向けて、少しでも感謝の心をもつように出来たら良いと思います。


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2015年05月18日

買った本

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 奥田英朗 著
 「ガール」
 (講談社文庫)


ずっと気になっていたのですが、なかなか手が伸びず。やっと手に取ったので購入しました。


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 柴田よしき 著
 「桜さがし」
 (集英社文庫)


探していたのに見つからなかった作品。やっと発見したので購入しました。

2015年05月12日

大山淳子「猫弁と少女探偵」

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 大山淳子 著
 「猫弁と少女探偵」
 (講談社文庫)


ひとりぼっちの少女とコンビを組み、失踪した三毛猫を探すことになった天才弁護士・百瀬太郎。忙しさのあまり婚約者の誕生日に気づかず、彼女はイケメンの同級生と急接近! さらに次郎と名乗る弟まで現れて・・。やっかいでかけがえのない人たちのために悩み、奔走する百瀬。絶好調、癒されるミステリ!−裏表紙より―


シリーズも第4弾になり、そろそろ百瀬の天才ぶりが明らかになっても良い頃なのに、その辺は相変わらず・・。隠れた天才で終わるんでしょうね。

でも相変わらず鋭い観察眼は持っていて、今回共に調査することになった少女の気持ちや、行動の意味などをズバリと言い当てたり、弟と名乗る男性のこともあっさり解決させました。

なのに、プライベートがひどい!!どうしてこんなに鈍いのか!

誕生日に気づかない上に、何とも外れたことを言い出して、さすがの亜子も呆れ気味です。彼女は百瀬のどこが良いんだろう??と毎回不思議に思います。確かに温かい人なんですけどね。

亜子が彼の気持ちを想像して、ちょっとしたシグナルを感知してってやっていかないと、かなり不安に思いそうです。絶対に裏切られない気はしますけど。


今回の依頼は、誘拐された三毛猫を救いだすこと。相変わらず仕事らしくない仕事をやっています。野呂さんが言うように、それは探偵の仕事な気がします。あざやかな解決ぶりや、ただ事件を解決するだけではなく、それに関わった人たちの人生もうまく導くような所はさすが!でした。


次回で最終巻だとか。亜子との結婚はうまくいくのか?や、百瀬の母親のこともどうなるのか、気になることをうまく解決して終わってほしいものです。楽しみに待つことにします。


<猫弁シリーズ>
「天才・百瀬とやっかいな依頼人たち」
「猫弁と透明人間」
「猫弁と指輪物語」


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タグ:大山淳子

2015年05月09日

乃南アサ「いちばん長い夜に」

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 乃南アサ 著
 「いちばん長い夜に」
 (新潮文庫)


ペットの洋服作りの仕事が軌道に乗ってきた芭子と、パン職人の道を邁進する綾香。暗い場所で出会い、暗い過去を抱えながら、支え合って生きてきた。小さな喜びを大切にし、地に足のついた日々を過ごしていた二人だったが、あの大きな出来事がそれぞれの人生を静かに変えていく。彼女たちはどんな幸せをつかまえるのだろうか―。心を優しく包み込む人気シリーズ、感動の完結編。−裏表紙より−


一作目では、芭子の後ろ向きさというか、笑ってはいけないと思っている真面目さが心配でたまらなかったのですが、だんだん今まで明るかった綾香の本音が知りたくなってきていました。

いつも軽口を言って笑わせている彼女は本当はどういう気持ちで日々を過ごしているんだろう? 服役していた年数は芭子の方が長いわけですが、犯した罪の重さは綾香の方が実は重いわけで、情状酌量される部分はあるとしても、人の命に代わるものは無いのにそれを奪ってしまった罪はきっと簡単には償えないはず・・。

このまま明るく終わってほしい気もしましたが、やはり綾香の心に触れてしまいました。それはあの東日本大震災がきっかけになります。

震災といえば、自分が経験した阪神淡路大震災を思い浮かべてしまい、東日本大震災の映像も直視できない状態になっていました。でも前者とは違って目の前で起きていることではないので、何もできずただただ早い復興を願うしかない自分がいました。

今まで震災についての話題を避けてきた私ですが、この作品を読んだことで目をそらしてはおけなくなりました。綾香がパン屋の職人に対して怒鳴った言葉や、芭子に対して吐き出した心の内、その一つ一つが私の心にも刺さる気がしました。

そして、綾香が震災をきっかけに、命の重さ、尊さ、大切さを改めて思い出し、それを奪ったことに対する罪の重さにやっと気づいたのは読んでいてつらかったですが、やはり必要なことだったのかもしれないと思いました。


震災をきっかけに変わったのは、芭子も同じでした。今まで後ろ向きでいた彼女も少し前を向けたり、周りに目を向けたりできるようになりましたし、今後の人生も変わっていきそうな雰囲気になりました。彼女はきっともう大丈夫だと思えるほど強くなりました。

最後は2人に明るい未来が広がっていきそうな予感がする終わり方をしていたので、読み終わったときは明るい気持ちになれました。でも、終わったのはとても残念ですし、また続編を書いてほしいと思います。

この2人に出会えて本当に良かったです。この作品を最後まで読めて良かったです。そう思える作品でした。


<芭子&綾香シリーズ>
「すれ違う背中を」
「いつか陽のあたる場所で」


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2015年05月07日

買った本

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 高田郁 著
 「晴れときどき涙雨」
 (幻冬社文庫)


文庫化を待っていました。もう読み終わっているので、そのうち感想を書きます。


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 「晴れた日は謎を追って」
 (創元推理文庫)


アンソロジーです。気になる作家さんも参加しているので読んでみようと思いました。

2015年05月01日

4月のまとめ

あい―永遠に在り (時代小説文庫)あい―永遠に在り (時代小説文庫)
激動の人生を生きた、あいの生涯は、この頃の女性としてはそれほど珍しくないのかもしれませんが、現代の自分が読むとものすごく考えさせられましたし、感動しました。これほど愛して支えたいと思える相手がいる幸せがうらやましくも思えました。あいと共に生きたような錯覚に陥るほど入り込んで読みました。
読了日:4月3日 著者:高田郁


旅のお供に殺人を (創元推理文庫)旅のお供に殺人を (創元推理文庫)
シリーズ最終巻。まだまだ続けられそうなのに残念です。今回はカムデンを飛び出し、旅先で事件が発生します。犯人は何となくわかるのですが、アンジェラの危機がいつもより多くてドキドキしました。
読了日:4月16日 著者:コリン・ホルト・ソーヤー


ヴァン・ショーをあなたに (創元推理文庫)ヴァン・ショーをあなたに (創元推理文庫)
今回も三舟シェフの鋭い観察眼と料理にやられました。彼の修行時代の話も読めましたし、大満足でした。次も楽しみです。
読了日:4月19日 著者:近藤史恵


いちばん長い夜に (新潮文庫)いちばん長い夜に (新潮文庫)
読み終えてしまった・・。後半にまさかの展開が待っていましたが、今まで避けられてきた綾さんの本心も聞くことが出来て、彼女たちの人生に寄り添って歩いて来たつもりになっていたので、何とも言えない感動がありました。うまく文章に出来ない感想です。またいつか、彼女たちの人生を読みたいと思います。
読了日:4月25日 著者:乃南アサ


目が良くなる!!10の眼トレ目が良くなる!!10の眼トレ
視力が良くなって、更に頭痛も治るとなれば、読まずにいられません。わかりやすく解説してあって、しかも簡単なトレーニングで治るとか。日々実践中です。効果はいつ出てくるかな??
読了日:4月29日 著者:平松類,菊地琢也,蒲山順吉


猫弁と少女探偵 (講談社文庫)猫弁と少女探偵 (講談社文庫)
コロコロ視点が変わってわかりにくい所が相変わらずありますが、物語は面白くていつもすぐに読み終えてしまいます。登場人物が優しい人ばかりでほっこりします。特に、大福亜子の寛大さには尊敬さえしてしまいます。次はどうなるのか?楽しみです。
読了日:4月30日 著者:大山淳子




全部で6冊。読みやすい本があったのに少ないですね…。

特に印象に残ったのは、「あい」「いちばん長い夜に」です。


posted by DONA at 15:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:まとめ