2018年05月25日

高田郁「あきない世傳金と銀<五> 転流篇」

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 高田郁 著
 「あきない世傳金と銀<五> 転流篇」
 (ハルキ文庫)


大坂天満の呉服商、五鈴屋の六代目店主の女房となった主人公、幸。三兄弟に嫁す、という数奇な運命を受け容れた彼女に、お家さんの富久は五鈴屋の将来を託して息を引き取った。「女名前禁止」の掟のある大坂で、幸は、夫・智蔵の理解のもと、奉公人らと心をひとつにして商いを広げていく。だが、そんな幸たちの前に新たな試練が待ち受けていた。果たして幸は、そして五鈴屋は、あきない戦国時代を勝ち進んでいくことができるのか。話題沸騰の大人気シリーズ待望の第五弾!−裏表紙より−


現代ではありえないであろう、三兄弟に順番に嫁すという事態になってしまった幸。この時代は女性に選択権は無いのでありえることなんでしょうね・・。しかし、幸しかいないのか!とも思ってしまいます。それだけ幸の商才がすごいということなのでしょうが。

今回の結婚が一番スッキリして幸が幸らしく要られる状態かもしれません。夫自身が「操り人形に徹する」と言ってくれていますから、かなりやりやすいです。

本当はそんなことしなくても、幸が表に出られたら一番良いのですが、この時代は女性では店主にはなれないので仕方ありません。

あらすじにもあるように、幸の支えとなってくれていた義母であるお家さんも亡くなってしまい、幸の負担は大きくなっています。でも、幸の商才が存分に発揮できるのは良いことだと思います。

今回も、今に通じるような売り方をどんどん思いついて実行に移していく幸。そして、その売り上げに貢献したのが、幸の妹とお竹どん。

二人が今で言うモデルとなって、様々な商品と着こなしを披露することで、お客さんは買いやすくなりました。

幸には色んな困難が待ち受けていましたが、それでも商売はどんどん上向いて行きます。そろそろ目標でもある江戸に進出か!?という所までこぎ着けそうそうです。

でも、そんな風に明るく終わらないのがこのシリーズ。最後はまた試練が訪れてしまいます。

とても気になる状態で終わったというのに、しばらくはこのシリーズの新刊は出ないとか。

「みをつくし料理帖」の番外編が出るそうなので、そちらを読みながら首を長くしつつ待つことにします。


<あきない世傳金と銀>
「源流篇」
「早瀬篇」
「奔流篇」
「貫流篇」


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2018年05月23日

桂望実「嫌な女」

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 桂望実 著
 「嫌な女」
 (光文社文庫) 


初対面の相手でも、たちまちするりとその懐に入ってしまう。小谷夏子は男をその気にさせる天才だ。彼女との未来を夢見た男は、いつの間にか自らお金を出してしまうのだ。そんな生来の詐欺師を遠縁に持つ弁護士・石田徹子は、夏子がトラブルを起こすたび、解決に引っぱり出されるのだが……。対照的な二人の女性の人生を鮮やかに描き出し、豊かな感動をよぶ傑作長編。−裏表紙より−


以前読んだ「ハタラクオトメ」は軽く読める明るい感じの小説でしたが、この作品は読むのに時間がかかりました・・。

ページ数の多さもあるのですが、主人公でもある弁護士の徹子先生のことが好きになれず、その遠縁の夏子のことは更に好きになれず、なかなか読み進められませんでした。


夏子が問題を起こして、徹子に頼って来るという展開で話は進みます。1話目から時間が進んでいるので、夏子も徹子も年齢を重ねていきます。

性格も生き方も違う二人の女性が年齢を重ねていくのもこの物語の魅力になっているのでしょうが、とりあえず二人とも好きではないのでどうでも良いと思ってしまいました。

夏子のことはたぶん、女性はほとんどの人が苦手なタイプだと思うでしょう。男性は好きかもしれませんが。徹子や周りの人たちのように「次はどんなトラブルを起こした?」と興味はもてませんでした。そんなに大人になれていないってことかもしれませんが。

徹子は、弁護士に向いているのか微妙な感じのまま、人生に大きな波もなく歩んでいきます。もしかしたら、自分の人生と似ているから好きになれなかったのかも?と思わなくもない感じですが、どうして夏子にここまで振り回されるのか、その理由が理解できないせいもあると思います。


終わりの方にあった、弁護士事務所のベテラン事務員の言葉には感動させられましたが、それ以外はあまり印象に残らない感じでした。


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タグ:桂望実
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2018年05月17日

今野敏「マル暴 甘糟」

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 今野敏 著
 「マル暴 甘糟」
 (実業之日本社文庫)


甘糟達夫は「俺のこと、なめないでよね」が口ぐせのマル暴刑事だ。ある夜、多嘉原連合の構成員が撲殺されたという知らせが入る。コワモテの先輩・群原虎蔵と捜査に加わる甘糟だが、いきなり組事務所に連行されて―!? 警察史上、もっとも気弱な刑事の活躍に笑って泣ける<マル暴>シリーズ第一弾!<任侠>シリーズの阿岐本組の面々も登場!−裏表紙より−


この作家さんはシリーズが多いので、なかなか追いつきません。やっと新たなシリーズを読んでみました。

今回の主人公は、マル暴の刑事。得意の任侠ものですね。

マル暴刑事というと、どちらが暴力団関係者かわからないような風貌をしているイメージですが、この甘糟は細身で優しい顔をしている珍しい刑事です。

なので、よくヤクザさんたちからなめられてしまい、口ぐせが「俺のことなめないでよね」という何とも可愛らしい言葉。

真面目に真摯にヤクザさんたちとも向き合うので(本人に自覚無しですが)、意外と信頼されていて、よくスカウトされるという面白い人。

先輩刑事や、捜査本部の他の部署の刑事たちにも気を使って、ヤクザさんたちには精一杯気を張って、日々「向いてないな」と思いながら刑事を続けています。

あらすじでは「気弱」な刑事となっていますが、気弱ではなく真面目という感じです。芯がしっかりしているので、ブレないのが魅力です。

事件は二転三転しながらも、マル暴たちがうまくコントロールして穏便に解決させていきます。


彼の活躍は今後も楽しみです。また文庫化したら読もうかな?


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2018年05月07日

山田五郎「知識ゼロからの西洋絵画 困った巨匠たち対決」

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 山田五郎 著
 「知識ゼロからの西洋絵画 困った巨匠たち対決」
 (幻冬舎)



「偉大な天才のダメッぷり」とも書いてある作品です。西洋絵画は昔から好きで、この題名に興味をひかれたので「本が好き!」で献本申し込みました。


ダ・ヴィンチ対ミケランジェロ、デューラー対クラーナハ、カラヴァッジョ対レンブラント、モロー対ロセッティ、クールベ対マネ、ドガ対セザンヌ、ゴッホ対ゴーガン、の7対決が解説されています。

名前を聞いただけで作品まで思い浮かぶ画家(ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ゴッホ、ドガ、ゴーガン、マネ、セザンヌ)もいますが、名前を聞いてもピンとこなくて紹介されている絵を見て「あ〜、この絵の作者!」とわかる画家(レンブラント、クラーナハ)もいます。

作品も名前も知らなかった画家もいました・・。まだまだ知識が浅いです。


近い年代の画家同士を色々なダメさを強調して対決させていて、有名で天才な画家たちも人間なんだな〜と面白く読めました。この絵はそういう思いが込められているのか、とかこういう生活を送っている中で描かれたのか、とか勉強になることもたくさんありました。

これを知ってから絵を見たらまた違った感じ方をするのかもしれません。


特に驚いたのはカラヴァッジョ対レンブラント。カラヴァッジョは何と殺人を犯したそうで、逃げ回りながら絵を描いていたとか。なんでもありですね。一方のレンブラントは破産してしまって、大変な生活を送っていたそうです・・。

更にモロー対ロセッティ。モローはニートで、ロセッティはイケメンの浮気性。う〜ん・・画家も人の子なんですね。

そして、ゴッホは性格に難ありだったせいで仕事が続かず、弟・テオの資金援助を受けながら画家として活動していました。なのに自分を傷つけまくりで、最期も悲惨でした・・。ゴーガンは絵はうまいのに商売が下手で、選ぶ道全てのタイミングを外してしまって生活苦。辛い人生です。


天才というのは、何かしら性格が歪んでいたり、日常生活に支障が出たりするのかもしれません。真っすぐすぎたり情熱的過ぎたりしてうまく絵が売れないことも。

依頼者の望む絵を素直に描ける画家ばかりではないんですね。そのせいで苦しい生活を送る人が多かったようです。


そして、時代の先取りをする画家もまた辛い・・。売るためには、当然その絵を欲しいと思う人が必要なわけで、時代に合った人気のある描き方をしないと売れないんですよね。だから亡くなってから人気が出て(時代が追いついて)売れることも出てくるわけです。もっと楽な生き方あるだろうに、と何度も思わされました。



一番印象に残ったのはセザンヌのこと。個人的に今までセザンヌの絵画を見ても良いと思えなかったのですが、この著者が「セザンヌは絵が下手」とはっきり書いておられたのでちょっとすっきりしました! やっぱり下手なんだ〜。

また近くで絵画展があったら見に行くつもりなので、そのときはまた読み返そうと思います。


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タグ:山田五郎
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2018年05月01日

4月のまとめ

六花落々 (祥伝社文庫)六花落々 (祥伝社文庫)
雪の形を記録に取るだけの話では無く、この頃の世情が詳しく描かれた物語でした。主人公の知りたがりな性格も、主人の人柄も、幕末前の動きも全てが魅力的で面白くて次々読み進めました。歴史の勉強でよく聞いていた事柄も詳しくわかって勉強にもなりました。
読了日:04月09日 著者:西條奈加


炎路を行く者: 守り人作品集 (新潮文庫)炎路を行く者: 守り人作品集 (新潮文庫)
守り人シリーズのヒュウゴの物語。彼のことはぼんやりとしか思い出せないくらいだったのですが、それを差し引いて新たな気持ちで読んでも面白かったです。曲げられない信念と、ある程度の強さのせいで、逆に苦しんでしまった彼の半生は読んでいて辛い部分もたくさんありました。でもこの経験が生かされているんじゃないかと思うと救われる感じもします。
読了日:04月16日 著者:上橋 菜穂子


優しい死神の飼い方 (光文社文庫)優しい死神の飼い方 (光文社文庫)
時々笑いながら、ゾクッと怖い所もありながら、最終的には号泣していました・・。感情が色々湧き出してきて読み終わったら疲れていました。死神・レオはずっとおじさんのイメージになっていました。でも犬なんだよね・・と何度も思いながら読み進めていました。最後はそんなことどうでも良いくらい中身が濃い話でした。
読了日:04月23日 著者:知念 実希人


東京近江寮食堂 (光文社文庫)東京近江寮食堂 (光文社文庫)
関西弁でも滋賀県は違うんだな〜と。方言のせいかなかなか読み進めず。でも最終的には号泣してしまいました・・。ヨシ子さんが素敵でした。心に刺さる言葉がいっぱいでした。
読了日:04月29日 著者:渡辺 淳子


4冊。最近は4冊が限界みたいですね・・。もう少し読みたいんですけど、週に1冊ペースになってしまっています。

連休中に少し読めるかな??

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2018年04月26日

似鳥航一「東京バルがゆく 会社をやめて相棒と店やってます」

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 似鳥航一 著
 「東京バルがゆく 会社をやめて相棒と店やってます」
 (メディアワークス文庫)


大手メーカー正社員の座を捨て、独立を決意した貝原。始めたのはカフェ兼酒場、つまりスペイン風のバル。それも移動屋台という意外なものだった。  怪しげな風体の青年を相棒に、都内を流す。大都会東京は24時間眠らない。そこで暮らす人々は多種多様、思いがけぬ出来事に遭遇することもある。でも、出会いは一期一会。貝原は青年ならではの純朴さで客に振る舞うのだ。料理と酒とちょっとだけおせっかいを添えて。  なんとかなるし、明日は変わらずやってくる。そんな気持ちにさせてくれる、大都会のささやかな出会いの物語。−裏表紙より−


「和菓子シリーズ」の作家さん。文章は嫌いじゃないのですが、人物像が掴みにくいと思っていました。この作品でもやはりそんな感想になってしまいました・・・。


大手メーカーで給料もそれなりに高く、安定した生活を送っていた貝原は、急に会社を辞めて店を開くことにしました。題名によると相棒とやるために辞めたかのようですが、実際には一人で店をやるつもりで会社を辞めたようです。

それも、スペイン風のバル。どんな店だろう?イマイチ想像しにくい店です。「スペイン料理食べに行こうか!」って言ったことないな〜なんて思いながら読み進めました。

ピンチョスは聞いたことありますが、なんか前菜っぽい物かな?という程度の知識。なので、色々料理が出てきても映像が浮かばず魅力を感じませんでした。

説明を読んでも想像できず。やはり少しでも知識が無いと想像しにくいのでしょうね。


題名に出てくる“相棒”ですが、読んでいると“相棒”というより、居候とか厄介者といった感じ。ただ店に入り浸っているだけの邪魔奴。小学生からの幼馴染の阿南という彼は、時々鋭いことを言っているので、今後も貝原を助けてうまくやっていくのかな?と思っていたら、本気で邪魔な奴みたいな記述もあって、よくわからない存在でした。彼っている?って思ってしまったんですよね。

でも最後にはなるほど、必要だねとも思えて、結局彼の人柄もわからず魅力を感じませんでした。

これはシリーズ化しているようで、続きもあるのですがもう読まないかな??


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タグ:似鳥航一

2018年04月18日

小路幸也「スタンダップダブル! 甲子園ステージ」

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 小路幸也 著
 「スタンダップダブル! 甲子園ステージ」
 (ハルキ文庫) 


対照的なキャラの双子――エースの青山康一とセンターの健一を擁する神別高校野球部は、北北海道大海を勝ち抜き甲子園へ!彼らが優勝を目指す特別な「理由」を知る前橋絵里は、全国紙のスポーツ記者。彼女の前に、神別高校の監督・田村と高校時代にチームメイトだったスポーツライター・塩崎が現われ、周囲をしつこくかぎ回りはじめる。塩崎は、田村との間に因縁があるらしく……。野球を知らなくても楽しめるハートフル・エンターテインメント、感動のクライマックス!−裏表紙より−


この本の前に何冊か別の本を読んだのですが、ややこしいので先にこちらの感想を書いてしまいます。


1作目で甲子園へ出場することが決まった彼ら。甲子園に行くことが目標ではなく、あくまで優勝することが目標の彼らは淡々と甲子園へ向かいます。

鉄壁のセンターラインを持っている強い彼らですが、さすがに全国の予選を勝ち抜いてきた本戦では勝つのが難しい状況に。でも強い思いで優勝を狙っているので、ますます団結力は固くなり、思わぬ強さも発揮し始めます。

新たに監督になった田村の采配も素晴らしくて、何度も「なるほど!」と思わされました。現実にもこういう人いないのか!?いたらぜひあの球団の監督になってもらいたい!

選手たちの気持ちもしっかり理解して、適材適所に選手を割り振って、確実に点を取っていく様子は爽快でした。

なかなかこんな風に点を取っていくことも、勝っていくことも出来ないとは思うので、あまりにも出来すぎな感じがぬぐえませんが、この話の場合は出来すぎじゃないと成立しませんから、これで良いと思います。

これ以外の終わり方はないでしょう。

途中、記者と選手の視点がころころ変わるので、ちょっと話が途切れる感じがしたのは残念でしたが、すっきりした終わり方が早く読みたくてほぼ一気読みでした。


詳しくなくても楽しめますが、多少野球のことは知らないと、楽しさは半減するかも。野球用語も多いですし、監督の戦略に「なるほど」と納得できないと意味がわからないと思います。

多少、野球が好きな人は楽しめると思うので読んでみてはどうでしょう? 特に高校野球ファンは楽しめそうです。


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タグ:小路幸也
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2018年04月16日

小路幸也「スタンダップダブル!」

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 小路幸也 著
 「スタンダップダブル!」
 (ハルキ文庫) 


三十一歳を目前に北海道支局に「飛ばされ」た、全国紙スポーツ記者の前橋絵里。そこで出会った弱小の神別高校野球部が、旭川支部予選を勝ち上がっていく。彼らの不思議な強さの「秘密」に惹かれた絵里はやがて、ナインが甲子園を目指す特別な「理由」を知る。その中心には、見た目はそっくりで性格が対照的な、エースの青山康一とセンターの健一という双子がいて……。野球を知らなくてもワクワクして元気が出るハートフル・エンターテインメント、待望の文庫化!−裏表紙より−


題名の「スタンダップダブル」って何?と一瞬思ってしまいました。「スタンディングダブル」のことなんですね。ツーベースヒット、しかも滑り込まずにセーフになることです。

というように、野球をある程度知っていないと楽しめない内容だと思います。

高校野球について描かれています。北海道のあまり強いという評判がなかったある高校の話です。

取材に行った記者・前橋が、彼らの強さに気づいたところから始まります。

センターの選手が、打者が打つ前から守備に指示を出して、ほとんどをアウトにしてしまうのです。彼の双子の弟がピッチャーで、天才的な能力を発揮しますし、守備も完璧。

お陰でほとんど点を取られることなく、試合に勝っているのです。

そして何よりも彼らの団結力はとても固くて、それも強さの要因となっています。

なぜ彼らの団結力はここまで固いのか? 調べていくと、過去に悲しい出来事がありました。


この巻では、甲子園に出場するまでのことが描かれています。純粋な彼らの様子は読んでいて応援したくなりました。

甲子園で優勝するのが彼らの目標なのですが、それは難しいだろうと思いつつも、何とか納得できる終わり方をしてほしいと強く願いつつ読み終えました。


続きは「スタンダップダブル! 甲子園ステージ」で。


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タグ:小路幸也
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2018年04月12日

ジョアン・フルーク「ダブルファッジ・ブラウニーが震えている」

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 ジョアン・フルーク 著
  上條ひろみ 訳
 「ダブルファッジ・ブラウニーが震えている」お菓子探偵ハンナシリーズ18
 (ヴィレッジブックス)


母ドロレスとドクの結婚式をサプライズで計画したハンナたち。式を挙げる予定のラスベガスに向かっている幸せいっぱいの母とドクを見ていたハンナは、自分自身も一生に一度の大恋愛をしてみたいと思うようになっていた。ハンナにとって大切な二人の男性はプロポーズしてくれたし、彼らのことは愛しているけれど・・。そんなとき、ラスベガスで思いもよらない出来事が! ハンナの恋、ついに決着!?―−裏表紙より−


前作のあとがきにハンナの恋に新展開が!?と書いてあったので、楽しみにしていました。長い間、進展がなくモヤモヤした状態でしたから。

でも、この展開だったら、モヤモヤの状態の方がマシだったかも・・。


今回はドロレスの結婚式に参加するところから話は始まります。旅行先のラスベガスで再会したのが、ハンナの元恋人・ロス。

彼との恋は終わったはずだったのに、何だか口のうまい彼にどんどん惹かれていくハンナ。

地元にはマイクとノーマンがいるでしょ!と何度思ったことか。

一旦、ロスと別れて家に帰ったら、彼のことを引きずりながらも、マイクやノーマンにも良い顔をして見せるハンナに、正直イライラさせられました。

マイクはともかく、ノーマンは誠実で一途な人なのに、そんな人をだますなんて。


事件も起きて、ハンナも巻き込まれていくのですが、今回は事件なんてどうでもいいと思うくらい、恋の行方が気になるというか、イライラさせられっぱなしでした。


そして、最近ずっと同じですが、相変わらず仕事をしないハンナ。もう少し店の仕事の様子を描いてほしいです。


このままいったら、たぶん想像する通りの展開になるとは思いますが、そうなったときの周りの状態やハンナの対応など気になることがたくさんあります。次の巻を読んでみて、その展開によっては読むのをやめてしまうかも??


<お菓子探偵ハンナシリーズ>
「チョコチップクッキーは見ていた」
「ストロベリーショートケーキが泣いている」
「ブルーベリー-マフィンは復讐する」
「レモンメレンゲ・パイが隠している」
「ファッジ・カップケーキは怒っている」
「シュガークッキーが凍えている」
「ピーチ・コブラーは嘘をつく」
「チェリー・チーズケーキが演じている」
「キーライム・パイはため息をつく」
「キャロットケーキがだましている」
「シュークリームは覗いている」
「プラムプディングが慌てている」
「アップルターンオーバーは忘れない」
「デビルズ・フードケーキが真似している」
「シナモンロールは追跡する」
「レッドベルベット・カップケーキが怯えている」
「ブラックベリー・パイは潜んでいる」


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2018年04月10日

矢崎存美「ぶたぶたラジオ」

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 矢崎存美 著
 「ぶたぶたラジオ」
 (光文社文庫)


東京のAMラジオ局で、朝の帯番組のパーソナリティを務める久世遼太郎は、木曜日の新しいゲストに、山崎ぶたぶたという人物(?)を迎えることになった。ぶたぶたの悩み相談コーナーは、一味違う答えがもらえる、とすぐ大人気に。今日もラジオに耳を澄ませると、ぶたぶたの渋い声が聞こえてくる。それだけで、不思議と心が落ち着くんだな。胸に響く三編を収録。−裏表紙より−


「ぶたぶたの本屋さん」の続編です。

「ぶたぶたにきいてみよう」「運命の人?」「ずっと練習してたこと」の3編収録。


今回は本屋さんのことはほとんど出てきません。ラジオのパーソナリティとしてのぶたぶたさんの活躍が描かれています。

ラジオのパーソナリティってぶたぶたさんにぴったりな職業ですね。リスナーには姿が見えないですから、どんな姿かたちをしていても声さえ良ければオッケーです。

しかも、人生経験豊富なぶたぶたさんは、リスナーの悩みを解決するのが得意です。

本人は「僕で大丈夫だろうか?」と心配をし続けていますが、説得力のある声と答えでみんな癒されていきます。

今回は3話で、同じ番組でパーソナリティを務める2人の悩みにも答えていきますし、更にリスナーの悩みも解決。

小さな悩みも、真剣で深い悩みも解決してくれるので、ぶたぶたさんの悩み相談コーナーは大人気となっていきます。


ラジオって学生時代以来ほぼ聞くことはなくなりましたが、たまには聞いても面白そうかもと思えました。ぶたぶたさんがやってくれるなら聞きたいです。

でもたぶん「僕はぶたのぬいぐるみです」と告白されても信じないでしょうけど・・。


さ、次はどんな職業のぶたぶたさんに会えるのかな? 楽しみです。


<ぶたぶたさんシリーズ>
「ぶたぶた」
「刑事ぶたぶた」
「ぶたぶたの休日」
「夏の日のぶたぶた」
「クリスマスのぶたぶた」
「ぶたぶた日記」
「ぶたぶたの食卓」
「ぶたぶたのいる場所」
「ぶたぶたと秘密のアップルパイ」
「訪問者ぶたぶた」
「再びのぶたぶた」
「キッチンぶたぶた」
「ぶたぶたさん」
「ぶたぶたは見た」
「ぶたぶたカフェ」
「ぶたぶた図書館」
「ぶたぶた洋菓子店」
「ぶたぶたのお医者さん」
「ぶたぶたの本屋さん」
「ぶたぶたのおかわり!」
「学校のぶたぶた」
「ぶたぶたの甘いもの」
「ドクターぶたぶた」
「ぶたぶたの花束」
「居酒屋ぶたぶた」
「海の家のぶたぶた」


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