2022年05月20日

沖田円「雲雀坂の魔法使い」

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 沖田円 著
 「雲雀坂の魔法使い」
 (実業之日本社文庫)


ある町の片隅に、少女のような風貌の魔法使い・翠が営む『雲雀坂魔法店』がある。その店を訪れるのは、人知れぬ悲しみや孤独、後悔を抱えた人々。幼馴染との関係に苦しむ女子中学生、余命わずかの画家、物語が書けない小説家・・。翠は、彼女らの心の奥底に眠る「真実」を感じ取り、希望へと繋ごうとするが―。読むたびに涙あふれる珠玉のストーリー。−裏表紙より−


初めましての作家さんです。


「春めく傷痕」「夏風の幸福」「秋雨の道しるべ」「冬が明ければ」「雲雀坂の魔法使い」の5編収録されています。


1話目を読み始めたら、私の嫌いなタイプの話だったので、最後まで読める気がしなかったのですが、何とかそれを乗り越えると面白かったです。


雲雀坂という所にある魔法使いが営む店に持ち込まれる様々な問題や人生が描かれています。魔法使いに悩みを打ち明けたら魔法で何とかしてくれるのかと思ったら、この魔法使いはほとんど魔法を使うことはないんですよね。簡単に魔法で解決しても、真の解決にはならないということで、薬をくれたりアドバイスとまではいきませんが、ちょっとした言葉を掛けてはくれます。それを聞いて自分で考え直すきっかけにはなるようです。


1話目は恋愛物ですし青春物です。どちらの気持ちもわかるけど、やっぱり私はこういう話は苦手だな・・。理由はわかりませんが、昔から好きだ嫌いだの話が苦手です。


2話目以降は恋愛絡みもありますが読みやすかったですし、「夏風の幸福」「冬が明ければ」は電車の中で読んでいなければ泣いていたと思うくらい感動しました。

相手を想う気持ちと、それがうまくいかないもどかしさが、より一層涙を誘いました。


最終話は魔法使い本人の話になっています。彼女が魔法使いになろうとした経緯や成長の様子などが描かれています。始めは誰の事かな?という感じなのですが、わかってくると話が沁みてきました。


魔法は使わないですが、ある意味、魔法を使っているような雰囲気があって、最後まで読み切ることができました。もっとこの世界に浸っていたいような気持ちにもなったので、もし続編があったら読んでみたいです。


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タグ:沖田円

2022年05月02日

4月のまとめ

最後の晩ごはん 秘された花とシフォンケーキ (角川文庫)最後の晩ごはん 秘された花とシフォンケーキ (角川文庫)
イガはどんどん良い子になっています。言動が本当に立派になって感心しきりです。今の彼なら芸能界に戻っても地に足を付いてしっかりやっていけそうです。でもまだしばらくはお店にいてほしいですけど。
読了日:04月06日 著者:椹野 道流


うちの旦那が甘ちゃんで 3 (講談社文庫)うちの旦那が甘ちゃんで 3 (講談社文庫)
相変わらずほのぼのと話が進んで、周りの協力によって事件は解決。ミステリに疲れた時に読むのにちょうどいいシリーズです。前振りは次を手に入れてから読むことにしました。
読了日:04月11日 著者:神楽坂 淳


クリスマスローズの殺人 (祥伝社文庫)クリスマスローズの殺人 (祥伝社文庫)
シリーズ2作目。あっさりと読んでしまえる作品です。そして何となく話の流れがわかってしまったのは残念。でもそうでなければこの世界観にする意味も無いですから仕方ないかな?
読了日:04月15日 著者:柴田よしき


残業税 (光文社文庫)残業税 (光文社文庫)
税金の仕組みがいまいち理解出来ないまま読み進めていたら途中で挫折しました・・。残業税、もし本当に導入されたら申告しない会社多そうです。
読了日:04月22日 著者:小前 亮


歌舞伎座の怪紳士 (徳間文庫)歌舞伎座の怪紳士 (徳間文庫)
久澄と共通する部分が少しですがあって励まされた気がしました。傷ついて働けなくなった身内に対してこんなふうに温かく見守ってくれる家族、本当に羨ましいです。
歌舞伎、生で見たら面白いんだろうなと思いつつまだ見る機会がありません。いつか見てみたいです。
読了日:04月27日 著者:近藤史恵




全部で5冊。読み切れたのは4冊ですけど。

ページ数の少ない作品が多かった割に読めていませんね・・。
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2022年04月28日

高田郁「あきない世傳 金と銀(十二) 出帆篇」

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 高田郁 著
 「あきない世傳 金と銀(十二) 出帆篇」
 (ハルキ文庫)


浅草田原町に「五鈴屋江戸本店」を開いて十年。藍染め浴衣地でその名を江戸中に知られる五鈴屋ではあるが、再び呉服も扱えるようになりたい、というのが主従の願いであった。仲間の協力を得て道筋が見えてきたものの、決して容易くはない。因縁の相手、幕府、そして思いがけない現象。しかし、帆を上げて大海を目指す、という固い決心のもと、幸と奉公人、そして仲間たちは、知恵を絞って様々な困難を乗り越えて行く。源流から始まった商いの流れに乗り、いよいよ出帆の刻を迎えるシリーズ第十二弾!!−裏表紙より−


いよいよ呉服が扱えるようになる!?とわくわくしながら読み始めましたが、やはりそう簡単にはいきません。

今もそうでしょうけど、昔は商売をするのが大変でした。お上からの許可が無いと扱えない商品がありますし、値段設定もありますし、仲間との兼ね合いやライバルの仲間との競合もあります。

袖の下を渡すのも暗黙のルールになっていますし。でも五鈴屋を始め仲間たいtもそこまで裕福なわけではないので、その工面にも苦労させられます。額面通り支払うべきなのか、何か方法は無いか?をさぐる幸。

そういう時に頼りになるのは元旦那さん。彼とのやりとり、そして仲間たちの協力でやっと後半になって呉服の商売が始まります。


呉服を扱うことになったら、今まで来てくれていた客の足が遠のくのではないか?という不安や、また新たな問題も出てきました。

商売をするというのは、自分の代で終わって良いというのではなく、代々伝えていくものでもあって、後継者の話もチラチラと出てきています。幸が望んでいる人が継いでくれると良いのですが。


そして、呉服を扱っても今までの客も来てくれて、更に新しい客も掴むという難問にどう立ち向かうのか?も楽しみですし、最後に出てきた問題もどうなっていくのか楽しみです。

妹・結の店との直接対決にもなりそうで、どうやって打ち負かすのか、爽快な結末が見たいと思います。


<あきない世傳金と銀>
「源流篇」
「早瀬篇」
「奔流篇」
「貫流篇」
「転流篇」
「本流篇」
「碧流篇」
「瀑布篇」
「淵泉篇」
「合流篇」
「風待ち篇」


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2022年04月20日

鴨崎暖炉「密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック」

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 鴨崎暖炉 著
 「密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック」
 (宝島社文庫)


「密室の不解証明は、現場の不在証明と同等の価値がある」との判例により、現場が密室である限りは無罪であることが担保された日本では、密室殺人事件が激増していた。そんななか著名なミステリー作家が遺したホテル「雪白館」で、密室殺人が起きた。館に通じる唯一の橋が落とされ、孤立した状況で凶行が繰り返される。現場はいずれも密室、死体の傍らには奇妙なトランプが残されていて―。−裏表紙より−


「読書メーター」で献本申し込みして当選しました。


「密室の不解証明は、現場の不在証明と同等の価値がある」という判決が出されて以降、殺人事件といえば密室殺人となるほど流行っていた時代の話です。もちろん、現実にはそんな時代はありませんけど。

この判例はつまり、密室殺人事件で密室トリックが解明出来なければ、容疑者が密室内以外どこにいようともアリバイが証明できなくても容疑が晴れるということです。

だから、殺人事件を起こそうと思ったら、変にアリバイ工作するよりも、密室を作ってしまった方が確実だということになり、密室殺人が多発していました。

でも素人が簡単に密室を作れるはずもなく、密室つくりの達人みたいな人が登場します。まあそれは自然な流れですけどね。



そんな時代に、とあるミステリー作家が遺したホテルで密室連続殺人が起きます。そのホテルは作家が生きている頃に密室を作ったことがあり、いまだにそのトリックが解明されていないため、密室事件に興味を持っているマニアから人気になっていました。

ミステリーファンの中でも密室殺人のマニアでもある人たちが泊っている中で起きる連続殺人事件。ホテルに通じる唯一の橋も落とされてしまい、部屋だけではなくホテル自体も大きな意味での密室状態でした。犯人は必ず宿泊客の中にいるわけで、誰が犯人なのか、密室のトリックは解明できるのか、動機はなんなのか、など謎が次々と。


殺人が起きる度に、新たな密室が作られるので、密室殺人が好きな方にはたまらない作品だと思います。私も嫌いではないのですが、想像力が乏しいせいもあって、密室の様子がいまいち頭で再現できないのがもどかしかったです。

簡単な図はついているのですがそれだけでは理解出来ないこともたくさんありました。殺人のドラマはあまり気持ち良い物ではないですが、これはぜひ映像化されたものを見てみたいです。

トリックを暴く人の解説と共に密室の様子を映像でしっかり見せてほしいです。そうしないと「なるほど!」と思えません。

しかし、これだけ何個も密室が出てくると、作家さんの頭ものぞいてみたくなりますね。どういう構造をしていたらここまで次々思いつくんでしょう。変なことに興味がいってしまいました。


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タグ:鴨崎暖炉

2022年04月14日

柚月裕子「検事の信義」

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 柚月裕子 著
 「検事の信義」
 (角川文庫)


任官5年目の検事・佐方貞人は、認知症だった母親を殺害して逮捕された息子・昌平の裁判を担当することになった。昌平は介護疲れから犯行に及んだと自供、事件は解決するかに見えた。しかし佐方は、遺体発見から逮捕まで「空白の2時間」があることに疑問を抱く。独自に聞き取りを進めると、やがて見えてきたのは昌平の意外な素顔だった・・・。(「信義を守る」)−裏表紙より−


「裁きを望む」「恨みを刻む」「正義を質す」「信義を守る」の4編収録されています。

映像化されている作品もあって読んだことがあるような錯覚を覚えてしまいました。映像化されたものを先に見ていると、その俳優さんが頭に出てきてしまいますが、その場の雰囲気や街並みなどは思い浮かべやすくて良いですね。



「裁きを望む」
これはドラマで見ました。でも結末は忘れていたので楽しめて良かったです。ある資産家の隠し子が親子鑑定してもらうために画策する話です。普通に親子鑑定してほしいと言ってもしてもらえないので二重三重に伏線を張って裁判所も巻き込みながら思いを遂げていきます。そこまでしなくても・・と思ってしまいますが、何だか切ない気持ちになりました。



「恨みを刻む」
これもドラマで見ました。アリバイの矛盾点からどんどん事件が思わぬ方向に転がっていきます。最後がスッキリとはいきませんが、佐方は良い上司に恵まれていて羨ましく思いました。



「正義を質す」
これも結末がスッキリしない感じでした。色々な立場の色々な人たちの思惑が絡み合って、検察の世界も政治の世界に似ているように見えました。



「信義を守る」
これも何とも言えない読後感でした。悲しくて切なくて、でもそれだけでは語れない重い問題。母親のことを自分で介護したくて、でも精神的にも体力的にも大変で、でも他人に任せたくなくて・・・。本当に簡単には言えない問題です。自分にもいつかは降りかかってくる問題。でもまだどこか他人事な感じがあって、それではいけないと思いつつどうにもできない。

国の制度で何とかしてほしいですが、それだけではどうにもできないであろうこともわかりますし、親には長生きしてもらいたいけど介護は大変で、どうすれば助けられるのか、助けてもらえるのか、今から色々調べておくべきなのでしょうね。


今回の佐方も自分の信念を貫きつつ、信じられる上司と頼りになる事務官に支えられながら検事の仕事をまっとうしていました。すっきり出来ない話も多かったですが、やはりこのシリーズは面白いです。


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タグ:柚月裕子

2022年04月01日

3月のまとめ

定年就活 働きものがゆく (角川文庫)定年就活 働きものがゆく (角川文庫)
65歳まで働ける会社で充実した日々を送っていたのについ勢いで60歳にして退職してしまった妙子。まだまだ働ける!と就活を開始するその精神力と行動力には感心しました。確かに60歳で退職してしまったら何したら良いか悩みそうです。周りの人に影響されながらも結局は望んだ形で働ける妙子さんがちょっとうらやましくもなりました。
読了日:03月03日 著者:堀川 アサコ


検事の信義 (角川文庫)検事の信義 (角川文庫)
堅物の佐方らしい話の数々。罪をまっとうに裁くことに重きをおいて検事の仕事を進める様子は背筋が伸びる感じでした。もっと肩の力を抜いたら良いのに、という仕事ではないので大変ですね。そんな佐方の唯一のストレス発散がたばこというのがまた切ない。
読了日:03月07日 著者:柚月裕子


【2022年・第20回「このミステリーがすごい! 大賞」文庫グランプリ受賞作】密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
献本当選したので読みました。ありがとうございます。題名の通り、密室殺人のオンパレードでした。密室を作る方法って色々あるんですね・・と変な感心をしてしまいました。ただ、時々図解があるのですがそれだけでは足りない複雑さで頭に思い描けない自分の理解力の無さが悲しかったです。映像で見たい気がしました。謎解きをしているセリフと同時に仕掛けが見たいです。
読了日:03月16日 著者:鴨崎 暖炉


あきない世傳 金と銀(十二) 出帆篇 (ハルキ文庫 た 19-27 時代小説文庫)あきない世傳 金と銀(十二) 出帆篇 (ハルキ文庫 時代小説文庫)
いよいよ大勝負に出ていけそうな状態になったかと思えばまた難問が。菊栄の店も良い方向性が見えてきましたし、どちらも商売がうまくいくようでホッとしました。これからも様々な妨害に負けずにお客にとって買い物しやすい店を続けてくれるでしょう。ますます楽しみです。
読了日:03月22日 著者:高田 郁


雲雀坂の魔法使い (実業之日本社文庫)雲雀坂の魔法使い (実業之日本社文庫)
1話目を読んだ時は失敗した?と思ったのですが2話目からは面白くなりました。もっと魔法を使うのかと思ったらかなり控えめでした。でもそれがこの作品にはちょうど良かったかもしれません。時々ほろりとさせられる話が多くて読んで良かったです。
読了日:03月26日 著者:沖田 円


仙文閣の稀書目録 (角川文庫)仙文閣の稀書目録 (角川文庫)
軽くサラッと読めますが泣きそうになる場面があり面白く読めました。裏切者は予想通りの人でしたけど。ビブリアシリーズの時は本にそこまで思い入れる気持ちがわからないと思いましたが今回は命がけで守りたい気持ちが何となくわかりました。彼女の成長を見続けられるのかな?続きが読みたいです。
読了日:03月31日 著者:三川 みり



全部で6冊。ページ数の少ない物が多かったので少し増えました。

特に印象に残ったのは「あきない世傳金と銀<十二>」「検事の信義」です。

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2022年03月29日

シャンナ・スウェンドソン「魔法使いの失われた週末」

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 シャンナ・スウェンドソン 著
  今泉敦子 訳
 「魔法使いの失われた週末」
 (創元推理文庫)


(株)マジック・スペル&イリュージョンは、ニューヨークの魔法界で魔術を開発販売する会社。CEOはなんと伝説の大魔法使いマーリンだ。シャイで赤面症の研究開発部理論魔術課の責任者オーウェンと養母、素直に愛情を表現できない二人の心の交流を描いた表題作ほか、本国でも未発表な特別な短編一編を含む全四編を収録。日本オリジナル編集で贈る、大ヒットシリーズ初の短編集。−裏表紙より−


「スペリング・テスト」「街を真っ赤に」「犯罪の魔法」「魔法使いの失われた週末」の4編収録されています。


4話のうち3話は本国で電子書籍などで発表されていたようですが、表題作のみ日本オリジナルだそうです。日本で短編集を出すに当たり、ページ数が少ないので何とか1話書いて欲しいとお願いしたら書いてくれたとか。なんて嬉しいことでしょう!ファンとしてはありがたいことです。

表題作は何で未発表なのか不思議なくらい良いお話でしたよ。残り3話はまだケイティが魔法界に携わる前の話なのですが、この表題作だけは1作目の続きというか途中というかの話で、ファンとしては懐かしい気持ちになりましたし、これを読んだらまた1作目から読み返したくなります。

オーウェンと養母の話で、2人のお互いを想っているのにそれをうまく見せることが出来ない関係性がもどかしくも暖かい気持ちになれる内容です。ファンはぜひ読むべき話です。



「スペリング・テスト」は、オーウェンとロッドの学生時代の話です。昔から野心家だったロッドと、人にあまり関心がないオーウェン、2人とも昔からこんな感じだったんだとニヤニヤしてしまいました。ちょっとハラハラする内容ではありますが、すっきり出来る結末です。


「街を真っ赤に」はガーゴイル・サムの活躍が描かれています。彼らの任務にスポットが当たり、元々彼らのファンだった私にはたまらない話でした。


「犯罪の魔法」では、オーウェンとケイティの出会いが描かれています。本編はケイティ目線で描かれているので、オーウェンがどういう気持ちでケイティと出会ったのかはこれを読まないとわかりません。出会うべくして出会った2人なんだと改めて知ることが出来て、ファンとしては笑いが止まらない話です。これも読んだら1作目に戻りたくなります!


シリーズが終わってもう彼らに会えないのかと寂しくなっていたところに新たな短編集。嬉しくてたまりません。ほぼ一気読み状態でした。またいつかこんな風に新作を出してもらえたら嬉しいです。

それまでの間はまた1作目からちょっとずつ読み返そうかな?と画策中。


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2022年03月24日

西條奈加「雨上がり月霞む夜」

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 西條奈加 著
 「雨上がり月霞む夜」
 (中公文庫)


がさつだが情に篤い秋成と、死者や妖しと交流する力を持つ雨月。幼馴染の二人は人間の言葉を話す兎「遊戯」との出会いをきっかけに、様々な変事に巻き込まれることに―。掛け軸から飛び出す金鯉、歳を取らない美女、罪の果てに鬼にまでなった男まで。江戸怪奇譚の傑作『雨月物語』をモチーフに綴る、切なく幻想的な連作短編集。−裏表紙より−


「雨月物語」がモチーフになっている物語です。

と書きながら、「雨月物語」を読んだことがないのでどの程度関係があるのかわかりませんけど。「雨月物語」を書いた秋成が登場します。彼が「雨月物語」を書くまでの話という感じです。

秋成はあまり細かいことは気にしないタイプの人で、だからこそちょっと不思議な雰囲気を持つ雨月と仲良くいられるようです。雨月が出会った、人間の言葉を話す兎と3人(?)が巻き込まれて行く出来事が描かれています。

その出来事というのが普通のことではなく、霊や妖などが出てきて、悲しいことも多いのですが、悲しい中にもゾッとするようなことがあるので、怖いのが苦手な私としてはあまり想像せずに読まないと辛い部分もありました。


後半は秋成の幼馴染としてずっとそばにいた雨月のことが明かされて行きます。読者は結構早めに雨月は人間では無さそうだと気づくと思うのですが、一番そばにいるからこそ秋成は気づいていませんでした。

だからこそ“がさつ”と呼ばれてしまうのでしょうけど。


雨月は人間ではないだろうということには気づいていましたが、その正体は意外なものでした。こんな結末だとは。

私が想像したように誰かの霊だった方がスッキリ出来たと思うのですが、それではこの物語はうまく収まらなかったのかもしれません。人間が内に秘めている感情や欲望がテーマになっているわけですから。

でもやっぱり彼らが共に過ごしてきた年月を思うと悲しい気持ちになってしまいます。


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2022年03月23日

買った本

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 シャンナ・スウェンドソン 著
  今泉敦子 訳
 「魔法使いの失われた週末」
 (創元推理文庫)


最終巻が出てしまったのでもう読めないかと思っていたシリーズ。新作が出て嬉しすぎでした。


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 西條奈加 著
 「雨上がり月霞む夜」
 (中公文庫)


とりあえず新作が出たら買う作家さんです。不思議な話でした。


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 柚月裕子 著
 「検事の信義」
 (角川文庫)


大好きなシリーズの新作。やっぱり面白い。


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 高田郁 著
 「あきない世傳 金と銀(十二) 出帆篇」
 (ハルキ文庫)


こちらも大好きなシリーズです。読み始めたら一気読みなので、次が出るまで待ち遠しいです。

2022年03月15日

近藤史恵「ガーデン」

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 近藤史恵 著
 「ガーデン」
 (創元推理文庫)


小函を抱えて今泉探偵事務所を訪れた奥田真波は「火夜が帰ってこないんです」と訴える。燃える火に夜、人を魅惑せずにはいない謎めいた娘だ。函の中身を見て只事ではないと諒解した今泉は、助手山本公彦と共に火夜の行方を追う。やがて探偵は、死を招き寄せるあやかしの庭へ・・。周到な伏線と丹念に組み立てられた物語世界、目の離せない場面展開がこたえられない傑作ミステリ。−裏表紙より−


「ねむりねずみ」など、歌舞伎の世界での事件を調査する今泉探偵が出てくる物語です。

歌舞伎の話より前なので、探偵としてはまだ駆け出しの今泉の様子が見られます。助手の意外な秘密もあったりして、シリーズのファンの方はこれも読んだ方がよさそうです。


ただ、本作の内容は、私は苦手なタイプでした。始めから終わりまでただひたすらに暗い・・。そして、登場人物の誰にも共感できるところがない。何だか海外ドラマのようです。しかも、治安が悪い下町のような場所での話という感じです。

出てくる少女たちも、まだ若いはずなのに妙に大人びていて、ドラッグでもやっていそうな感じ。実際一人はやっていたようですけど。

本来は犯罪から遠い存在のはずの彼女たちの周りに、普通に起こる殺人事件。殺人事件が起きるのに警察は出てこないという異様な状況。少しは葛藤したようですけどあっさりと隠蔽する人たち。

どれもこれもついて行けませんでした。


ある意味、かけ離れていて感情移入しない方が読みやすい気はしますけど。


そして、相変わらず今泉は自分一人で何かに気づいて何かにつまずいて何かに悩んで、このまま事件を忘れようと一度は考えて、結局は全てを暴いてしまいます。

暴いたからといって救われないんですけどね。

死ななくても良い人もたくさん死んで、結局何が言いたかったんだろう?と最後まで理解出来ずでした。

これは、彼女の人生を憂いておけば良いのか?よくわかりませんでした。


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posted by DONA at 14:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:近藤史恵