2018年08月16日

シャンナ・スウェンドソン「魔法使いの陰謀」

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 シャンナ・スウェンドソン 著
  今泉敦子 訳
 「魔法使いの陰謀」
 (創元推理文庫)


妖精界の女王の座を祖母に譲ったソフィーは、バレエダンサーとしてのキャリアを再開する。一方刑事マイケルは、妖精の関与が疑われる奇妙な事件の数々に振り回されていた。そんな彼らの前の現れた魔法使いのジョセフィーンはそれらの事件を妖精の仕業と決めつけ、魔法使いと妖精の対立を煽る。危機感を覚えたソフィーは戦いを阻止すべく動きはじめるが・・。好評シリーズ第3弾。−裏表紙より−


前作から面白くなってきたシリーズ。今作は更にパワーアップして面白さも増していました。3作の中で一番好きかも。


前作で女王の座を祖母に任せて人間界に戻ったソフィー。祖母も強力なパワーの持ち主ですから安心していたのですが、なかなかすべてが丸く収まるわけにはいかないようです。

またまた人間界で謎の事件が発生し、刑事としてのマイケルが出動。でも明らかに妖精がらみとわかる事件をどうやって解決していくか難しい立場に立たされます。

そして、新たなキャラクターも登場。なかなか厄介な相手となったジョセフィーヌ。彼女は魔法使いです。妖精を人間界に入れないために戦う立場の人。ソフィーの味方となってくれている姉妹と同じ立場ですが、どうも敵対心が強そう。

しかも何やら画策しているようで、ソフィーが女王の座に就いて落ち着いたはずの人間界と妖精界の関係がまた危うくなっていきました。

題名の通りの展開ですね。

ソフィーや祖母、そしてマイケルがどうやって事態を収束させていくのか、続きが気になって次々読み進めました。


ソフィーとマイケルも良い感じになってきましたし、祖母の女王ぶりもかっこいいですし、妖精、人間、魔法使いという3つの立場の争いもハラハラさせられて、面白かったです。

どんな世界でも権力を握りたい人、目立ちたい人っているんですね〜。その必死さが面白いです。


良い感じでまとまってきたこのシリーズ。後1作あるようです。楽しみに待つことにします。そして「魔法製作所」シリーズの新作も待っています!


<フェアリーテイルシリーズ>
「ニューヨーク妖精物語」
「女王のジレンマ」


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2018年08月15日

柴田よしき「風のベーコンサンド」

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 柴田よしき 著
 「風のベーコンサンド 高原カフェ日誌season1」
 (文春文庫)


東京の出版社をやめ、寂れた高原にカフェを開業した奈穂。離婚を承諾しないモラハラ夫から逃れ、背水の陣で始めたカフェには、離れた娘を思う父や農家の嫁に疲れた女性らが訪れる・・。滋味溢れる地元の食材で作られた美味しいご飯は悩みや痛みに立ち向かう力をくれる。奈穂のご飯が奇跡を起こす六つの物語。−裏表紙より−


年齢は奈穂の方がかなり若そうですが、共通することが多くて、いちいち「そうだよね〜」なんて思いながら読み進めました。そんな入り込み方をすると読むのが辛い部分も多くてしんどくなることもありました。

でも基本的に一話ずつハッピーエンドになっている(なっていないのもある)ので最後には癒されていました。


東京という都会で暮らしていた奈穂ですが、夫との離婚を考える上で、今の生活を変えようと高原でカフェを開くことに。カフェって儲からないイメージがあるのに、よく思い切ったな〜と感心。こういう思い切りの良さは似ていません・・。

田舎に住んでいたので、田舎への憧れもありませんし、狭いコミュニティーでの煩わしさも嫌でしかありませんが、奈穂はうまく田舎に溶け込んでいるようです。

近所の農家や牧場から食材を買い付けて、うまく地元の食材で美味しそうな料理を作っています。料理の説明がいちいち美味しそうで、読んでいるとおなかが空きます。

特にベーコンの細かい描写! 基本、サンドイッチって好きじゃないですし、カリカリのベーコンも好きではないのですが、文章を読んでいるとベーコンを買いに走りたくなりました。

そして、カリカリに焼いてみようかな??なんて思ってしまいます。


離婚したい妻と、妻がなぜ離婚を考えたのかわからない夫。こういう夫婦って多そうですね。奈穂の夫もなかなかの曲者。ちょっとだけ同情したくなる部分はありましたけど、イライラさせられました。男性の「やったってるやろ」感、大嫌いです。

夫のことはともかく、奈穂の今の生活は羨ましいものですから、今後はどんどん幸せに向かっていくでしょう。シリーズは続いているようなので、文庫化を待って読む予定です。


カフェごはんのレシピも付いていてお得ですよ〜。


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2018年08月09日

西條奈加「ごんたくれ」

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 西條奈加 著
 「ごんたくれ」
 (光文社文庫)


安永四年、京都。当代一の絵師を目指す豊蔵と彦太郎は、ひょんなことで奇跡の出会いを果たす。喧嘩しながら才能を認め合い、切磋琢磨し腕を磨く若きふたり。鼻つまみ者の「ごんたくれ」と呼ばれた彼らは、求めた道の先に何を見たか?京画壇の華やかなりし時代、実在した二人の奇想の絵師をモデルに、芸術を探求する人間の性と運命を描き出した、傑作時代小説。−裏表紙より−


実在した絵師をモデルにした物語です。

大きな絵師に弟子入りすることもなく自立した絵師の筝白と、円山応挙という大勢の弟子を抱える一門に所属している胡雪。2人はあるきっかけで出会います。


筝白は、円山応挙の絵を認めておらず、大した腕もないのに有名になってもてはやされていることに腹を立てていました。でも弟子の胡雪の絵の才能は認めていて、早く独立するように勧めることもありました。

2人は似ている所が多く、周りから「ごんたくれ」だと言われています。性格には難のある2人ですが、絵の才能は素晴らしく、名は売れていませんでしたが、熱烈なファンはいるため、それなりに仕事を受けて絵を描き続けていました。

この時代は、商家や武家や寺社からの注文を受けて、襖や屏風などに絵を描いていました。大きな屋敷だと、何枚もに渡って大作を仕上げることも。

失敗は許されない仕事ですね。頼まれる方も勇気がいりますが、頼む方も勇気が要りそう・・。実際、思った雰囲気と違うものが出来ることもあったようです。

でもまあ、一緒に暮らしているうちに何となく慣れるというか、愛着が湧いてくるようです。

大作の場合は、描きあがるまで時間がかかるため、寝食の世話も注文主が行い、泊まり込んで製作してもらっていたそうです。かなりの贅沢ですね!


話の中には実在していた有名な絵師も出てきます。日本画に詳しくない私でも名前だけは知っている、池大雅、伊藤若冲など。本当にこの中に描かれているような性格だったのかはわかりませんが、そういう部分でも楽しめました。

始めは未熟だった2人の若い絵師がどんな想いで作品を仕上げ、どんな人生を歩んでいくのか、どんな絵師になっていくのかが気になって次々読み進めました。

ページ数も多く、2人の人生をたっぷり読むことが出来て、面白い読書時間になりました。


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2018年08月07日

深町秋生「ドッグ・メーカー」

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 深町秋生 著
 「ドッグ・メーカー」
 (新潮文庫)


黒滝誠治警部補、非合法な手段を辞さず、数々の事件を解決してきた元凄腕刑事。現在は人事一課に所属している。ひと月前、赤坂署の悪徳刑事を内偵中の同僚が何者かに殺害された。黒滝は、希代の“寝業師”白幡警務部長、美しくも苛烈なキャリア相馬美貴の命を受け、捜査を開始する。その行く手は修羅道へと繋がっていた。猛毒を以て巨悪を倒す。最も危険な監察が警察小説の新たな扉を開く。−裏表紙より−


初めましての作家さんです。

警察小説・・ではあるのですが、普通の警察小説とは違いました。大抵は捜査一課などの刑事さんたちの物語なのですが、これは監察。警察の中の警察のような部署なので、刑事たちからも嫌われる存在の人たちです。

しかも、主人公の黒滝は「ドッグ・メーカー」というあだ名が付けられる人物。よく警察小説を読む人にはわかると思いますが、警察のスパイのようなことをする人のことを「イヌ」と呼び、そういうスパイを人の弱みを握って作り上げるから「ドッグ・メーカー」。

決して良いあだ名ではないのですが、そのあだ名に負けないくらいの活躍ぶりで、弱みを見せた人物に首輪をはめていきます。

首輪をはめるだけならともかく、その首輪から抜け出さないように、緩まないように、常に監視を怠らず、時には叱り脅し、時には褒めて伸ばしていきます。それを大の大人に対して行うのですから恐ろしいことです。


そんなことをするわけですから、黒滝の言動には思わず顔をしかめたくなるようなことも多く、読むのに時間がかかりました。でも、話の内容は面白くて続きが気になって次々読みたいし・・となかなか難しい読書時間になりました。


内容ももし本当に警察内部が現実にもこんなに腐っていたらどうなるんだろう?と不安になる物で、決して読んでいて気持ちいい物ではありませんでした。

でも読み終わったら、このシリーズの続きも読みたくなるという不思議な感覚になりました。

何だかんだ言って、結局黒滝のことも他の警察官たちのことも気に入ったということなんですよね。上司たちも不思議な雰囲気で、まだ謎がありそうですし、ここまで強く自分の道を貫ける人たちがいれば警察も大丈夫だろうと思えましたし、きっと見つけたら続きも読むと思います。


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タグ:深町秋生

2018年08月06日

レイ・ペリー「ガイコツは眠らずに捜査する」

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 レイ・ペリー 著
  木下淳子 訳
 「ガイコツは眠らずに捜査する」
 (創元推理文庫)


大学講師の母と高校生の娘、お喋りな骸骨シドの三名が愉快に暮らすサッカリー家。娘マディソンが出演する劇に、シドも頭蓋骨だけ参加することとなった。ところがある日の練習後、頭だけ学校で一夜を過ごす羽目に。翌日回収されたシドは、“殺人”の音を聞いたと言う。そんな事件は報道されていないが、母ジョージアは親友を信じ調べはじめる。真相をあばくのは母娘と骸骨の絆?―裏表紙より―


前作を読んで気に入ったので、再び献本になっていたのを見つけて「本が好き!」で申し込みました。


前作では娘・マディソンはシドの存在を知らなかったのですが、今作ではばれてしまっているのでシドの行動が大胆に。ばれないようにコソコソするのも面白かったですが、行動範囲が広がっても面白かったです。

今回はなんと、マディソンの通う高校にまで出かけて行きます。しかも頭だけ。劇の小道具に使われるために登校するなんて・・。家に頭蓋骨がある高校生って何なんだ??怪しすぎます! でもそこは誰も突っ込まずサラッと流されて受け入れられているようです。

毎日当然持って帰るつもりだったシドの頭を、色々な偶然によって忘れて帰ったマディソン。翌日あわてて回収したら、シドが殺人を目撃、いや耳撃?聴撃?したと言うのです。声がしても頭だけだと動けないシドは、殺人と思われる物音と話声だけを聞いたわけです。

でも殺人ということは死体があるはずなのに、発見されたというニュースは無く、なかなか事件が発覚しません。

事件が発覚するまでにも紆余曲折あり、発覚後もその遺体が本当にシドが聞いたときの物なのかも不明で、調査は難航します。


今回は事件と共に、ジョージアが働く環境、特に非常勤講師の待遇の悪さ、そしてアメリカの大学受験の裏側なんかが描かれていて興味深く読めました。

アメリカって大学に入るのは簡単だけど卒業するのが難しいというイメージだったのですが、それなりに大変なようです。

ジョージアは授業もうまくて、頭も良いようですが、非常勤講師に留まっているのはなぜなのか?その辺りの事情もわかりました。

そして、シドがどんな思いを抱えながら一家の中で暮らしているのかもわかり、ちょっと切なくなりました。人間誰しも誰かの役に立ちたいといつも願っているんですよね・・骸骨も同じだそうです。


次作では、シドにも新たな目標や生きる(?)意味が見つかりそうで、ますます読むのが楽しみになりました。訳されるのを待つことにします。


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2018年08月03日

渡辺淳子「東京近江寮食堂」

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 渡辺淳子 著
 「東京近江寮食堂」
 (光文社文庫)


定年退職を間近に控えた妙子は、十年前に消えた夫の行方を探すため東京にやってきた。慣れない土地でのひょんなトラブルから、谷中にある宿泊施設、近江寮にたどりつく。個性的な管理人や常連客の貧しい食生活を見かねた妙子は彼らの食事を作り始めるが、その料理はやがて人々を動かし、運命を変えていく。そして彼女自身も―。おいしくてせつない、感動長編。−裏表紙より−


初めましての作家さんです。

この本を読んだ頃は、妙に食べ物系の小説を読むことが多かったので、他の作品と内容が混ざりそう・・。

まあ、これはちょっと変わった設定だったので大丈夫ですけど。


妙子が働くことになったのは、近江寮という名前の宿泊施設。東京にあるのですが、滋賀県出身の人のための施設です。話す言葉が関西弁なので読みやすいかと思ったら、関西弁でも滋賀県はちょっと違うようで、妙に気になってなかなか進まず。会話の場面では何度も読み返すことがありました。

妙子は行方不明になった夫を探すために東京に来たのですが、夫の知らない一面を知ることになって、落ち込むことも。それでも寮の人たちに料理を作ることで気が紛れていました。

寮には、安江という妙子と同じくらいの年齢の女性がいて、彼女が寮を任されていたのですが、料理が苦手で評判はイマイチでした。妙子のお陰で商売も上向いてきたことで、安江も妙子の夫探しに協力します。

二人の関係は、言いたいことを言い合ってケンカもしつつ素敵な感じです。昔からの知り合いのよう。たぶん、昔から知り合いだったらここまで仲良くはなれないのでしょうけど。


更に素敵だったのは、安江の母・ヨシ子。彼女はかなり痴呆が進んでいるため、空気を読めない発言が多いですし、意味のない言葉もよく話すのですが、時々人にグサッと刺さる鋭い一言を放つのです。

書き出してみようかとも思ったのですが、言葉自体はそれほどでもないので書くのはやめます。でも「なるほど」と思わされることが多く、読んでいても爽快でした。

このままサラリと読んでしまえるかと思ったら、最後の方で号泣してしまいました・・。なんか良いな〜人との関わりって、なんて思わされる作品でした。

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タグ:渡辺淳子
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2018年08月02日

7月のまとめ

ねむりねずみ (創元推理文庫)ねむりねずみ (創元推理文庫)
歌舞伎役者って大変だ・・。ここまで命を削るようにして役になりきるというか、役に成り代わるなんて。それを支える奥様も大変です。とはいえ、事件はすっきりしない展開と解決。結末が気に入りませんが、途中までは一気読みでした。
読了日:07月03日 著者:近藤 史恵


犯罪者 上 (角川文庫)犯罪者 上 (角川文庫)
面白くて、真相が知りたくてたまらないのに、なかなか読み終わらず。やっと読み終わってもまだ半分・・。かなり真相に近づいては来ていますが、わからないこともたくさん。どんな結末を迎えるのか、残りのページ数は何に使うのか?今度こそ早く読み終わるか??
読了日:07月18日 著者:太田 愛


犯罪者 下 (角川文庫)犯罪者 下 (角川文庫)
下巻はほぼ一気読みでした。上巻でかなり謎が判明してきていたので、残りのページをどうするのか?と不安でしたが、なるほどここまでドタバタがあったら長くなるわ〜。後味はイマイチすっきり出来ない感じでしたけど、まあ正義は勝った??ということで良しとします。この3人の話が他にもあるそうなので、そちらも読んでみようかな?
読了日:07月21日 著者:太田 愛


み仏のかんばせ (小学館文庫)み仏のかんばせ (小学館文庫)
もう少し盛り上がりが欲しかった気がしますが、読みやすい作品でした。泣ける要素はいっぱいあったのに、泣けなかったのが残念。
読了日:07月26日 著者:安住 洋子


森のシェフぶたぶた (光文社文庫)森のシェフぶたぶた (光文社文庫)
今回のぶたぶたさんはオーベルジュでシェフをしています。とにかく美味しそうな料理の数々におなかがすいてしまう内容でした。1話目は平和に過ぎましたが、それ以降は色々悩みを抱えた人たちがやって来て、でもぶたぶたさんに癒されて帰って行きました。今回も素敵でした。
読了日:07月27日 著者:矢崎 存美



全部で5冊。前半、時間がかかる本を読んだ割には読めたかな?と。とはいえ少ないですね・・。

印象に残ったのは「犯罪者」です。

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2018年07月31日

買った本

本屋さんに行く時間も減ってきましたし、ブログを書く時間も減ってきて(いや、時間はあるんですけど、暑さにやられてるのか・・)、感想が溜まり中。4月に読み終わった本さえ書けていないし。

とりあえず、ネットで買ったものを含めてご紹介。

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 近藤史恵 著
 「ねむりねずみ」
 (創元推理文庫)


この作家さんの作品はたくさんあるのに、本屋さんで見かけない物が多い・・。ネットで購入しました。



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 太田愛 著
 「犯罪者 上下」
 (角川文庫)


ずっと探してたのに見つからず、あきらめてネットで購入。読み応えのある作品でした。



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 安住洋子 著
 「み仏のかんばせ」
 (小学館文庫)


この作家さんの本もなかなか見つかりません。ネットでも販売していないことが多いです。中古本が読めない(神経質で・・)私には、読めずに終わる本が多そうです。



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 矢崎存美 著
 「森のシェフぶたぶた」
 (光文社文庫)


ぶたぶたさん最新刊。シリーズ20周年だそうな。すごいですね〜。

なんかこのラインナップって、今月読んだ本のまとめと同じになりそう・・(苦笑)

2018年07月25日

知念実希人「優しい死神の飼い方」

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 知念実希人 著
 「優しい死神の飼い方」
 (光文社文庫)


犬の姿を借り、地上のホスピスに左遷・・もとい派遣された死神のレオ。戦時中の悲恋。洋館で起きた殺人事件。色彩を失った画家。死に直面する人間を未練から救うため、患者たちの過去の謎を解き明かしていくレオ。しかし、彼の行動は、現在のホスピスに思わぬ危機を引き起こしていた―。天然キャラの死神の奮闘と人間との交流に、心温まるハートフルミステリー。−裏表紙より−


初めましての作家さんです。

死神が左遷されて、犬の姿にされて現世へ・・まあ犬の姿になるのは珍しいかもしれませんが、死神が何かに憑りついたり、変身したりして人間の世界にやってくるのはよくあるパターンですね。

こういうタイプの話が嫌いじゃないから楽しく読めました。

ただ、話の舞台がホスピスということで、病気の人たちが余生を静かに暮らしている状態の所に死神というのはちょっと・・とは思いました。

暗い話なんだろうと思いつつ読み始めたら、いきなりコミカルな展開と文章。なるほど、だから犬の姿になったんだと納得させられました。

ともすれば暗くなりがちな話を、犬の行動で明るくさせてくれるんです。この死神はレオという名前を付けられかわいがられます。ゴールデンレトリバーということで、多分本当は可愛いのでしょう。

でも、文章はレオ目線で進む上に、本当は死神ということで、どうしてもおじさんっぽい描き方になっていて、私の頭の中ではすっかりおっさんが出来上がっていました。

時々「しゅうくりーむ」を欲しがる様子とかが描かれて「あ、犬だったんだ」と思わされる感じでした。


ホスピスで暮らしている患者たちの悩みをレオが推理して解決していき、安らかな死を迎えさせてあげるわけですが、始めは曲者っぽい人たちも実は良い人だとわかっていくので、感情移入してしまい、いつかは亡くなるのが辛くなっていきました。

最後まで亡くならずにぼんやりと終わってくれると良いと思いつつ、でもそれだとこの話としては終われないとも思えて、辛い辛い、でもある意味ハッピーエンドでもあり、色んな種類の涙が流れてしまいました。

この話はシリーズになっているとか。どうやら次は猫らしい・・どういうことなのか気になったので、手に入れることにしました。


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タグ:知念実希人

2018年07月17日

上橋菜穂子「炎路を行く者 守り人作品集」

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 上橋菜穂子 著
 「炎路を行く者 守り人作品集」
 (新潮文庫)



『蒼路の旅人』、『天と地の守り人』で暗躍したタルシュ帝国の密偵、ヒュウゴ。彼は何故、祖国を滅ぼし家族を奪った国に仕えるのか。謎多きヒュウゴの少年時代を描いた「淡路の旅人」。そしてバルサは、養父と共に旅を続けるなか、何故、女用心棒として生きる道を選んだのか。過酷な少女時代を描いた「十五の我には」−やがてチャグム皇子と出会う二人の十代の頃の物語2編。−裏表紙より−


ヒュウゴね〜・・・。はっきり言って「誰だっけ?」状態で読み進めました。最後まではっきり思い出せず。

それでも「守り人シリーズ」の世界観がわかっていれば、十分楽しめますし、多分バルサたちにとって厄介だったであろうヒュウゴのことが好きになりました。


物語の冒頭から不穏な雰囲気。そして悲しい結果が待っていました。ほんと、戦争って残酷です。命からがら逃げだしたヒュウゴはまだ命を狙われている中、リュアンという女性に助けられました。

彼女はタラムーという生物を通してしか話すことが出来ない不思議な存在。彼女の雰囲気はタンダに似ているかも。軟らかくて優しい雰囲気が一気に好きになりました。

そんな彼女がもっと活躍してくれたら良かったのですが、ほとんど出てこなくて残念。


ヒュウゴは少年時代から過酷な人生を歩んできたので、裏の社会では一気にボス的存在になりました。でも自分の生きていく道がなかなか見つからず悩む日々。

そんな彼が選んだ道は、シリーズの中で出てくるわけですが、彼なりに信じた道だということがわかったので良かったかな?



そしてもう1話は、バルサの少女時代の話。とはいえ、少女とは思えないくらいのしっかりぶりなんですけどね。

それだけ過酷な人生を生きてきたということなんですが、もっと幼いままで生きられたら良かったのにと少し寂しい気持ちにもなります。

そうなったら、チャグムたちが救われなかったかもしれませんし、難しい所です。

バルサの話は短くて、もっと読んでいたくなりましたし、またバルサの活躍を読みたいと強く願ってしまいました。続編書いてくれないかな??


<守り人シリーズ>
「精霊の守り人」
「闇の守り人」
「夢の守り人」
「虚空の旅人」
「神の守り人 上−来訪編」
「神の守り人 下−帰還編」
「蒼路の旅人」
「天と地の守り人 第一部ロタ王国編」
「天と地の守り人 第二部カンバル王国編」
「天と地の守り人 第三部新ヨゴ皇国編」
「流れ行く者 守り人短編集」


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posted by DONA at 15:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:上橋菜穂子