2019年11月14日

霜島けい「あやかし同心捕物控」

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 霜島けい
 「のっぺら あやかし同心捕物控」
 (光文社文庫)


南町奉行所定町廻り同心の柏木千太郎は、腕が立ち情に篤く正義感にあふれた江戸の人気者。―ところが、一つだけ変わったところが。彼には、顔がない。つまり、のっぺらぼうなのだ! 不器用だが心優しい同僚の片桐正悟や、千太郎を慕う下っ引きの伊助らとともに、数々の不思議な事件の解決に奔走する。笑えて泣けて癒される、傑作あやかし時代劇の第一幕、開幕です!−裏表紙より−



「あやかし同心」「ばらばら」「へのへのもへじ」の3編が収録されています。

初めましての作家さんです。ネットで感想を読んで面白そうだったので読んでみました。あらすじを読んでいるだけで頭の中に疑問符がたくさん浮かんでしまいます。

同心で腕が立ち情に篤いけど、のっぺらぼう・・・・??ですよね。

のっぺらぼうなのに、江戸の人気者だそうな。のっぺらぼうの同心という時点で想像したのは、普段は普通の人間として暮らしているけど、いざ捕物の時になると顔がすべて消えてのっぺらぼうになって、犯人を恐怖に陥れて逮捕しやすくする、というような展開でした。

でも千太郎は違うんですよね・・。本当に始めからずっと常にのっぺらぼう。だから、しゃべれません。しゃべれないから、字を書いて会話するんです。・・っておかしくない!?

目は見えるんだ〜! ってびっくり。というかまたまた??です。 でもまあ、そこはファンタジーってことで納得するしかないです。だったらしゃべれたら良いのにと思ってしまいますが、しゃべれないことで仲間との絆が深まっている感じがあるので、それも重要な気がします。


のっぺらぼうが同心をしていて、それを周りも普通に受け入れているような世界ですから、事件自体もあやかし絡みが多くて、千太郎の出番も多くなります。彼を慕う下っ引き・伊助や同僚で憎めない性格の片桐と共にスムーズに解決していきます。

2話目の「ばらばら」はなかなかグロい感じでしたが、あまりリアルに状況を想像しなければ何とか読めました。最後まで暗い展開ではなかったですし。

そして3話目の「へのへのもへじ」は何度も笑ってしまう内容。実は彼には驚くことに妻と子がいるんです。どこまで驚かせてくれるんだ!って感じです。その子どもがかわいくて、笑わせてくれました。


「あやかし」と題名にありますし、主人公ものっぺらぼうですし、事件自体もあやかし絡みでゾクッとする部分もありますが、全体的に流れる空気はなぜか柔らかくて温かい。何とも不思議な世界観の物語でした。

続きもあるので、次々読んでいきます。


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タグ:霜島けい

2019年11月13日

吉永南央「花ひいらぎの街角 紅雲町珈琲屋こよみ」

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 吉永南央 著
 「花ひいらぎの街角 紅雲町珈琲屋こよみ」
 (文春文庫)



「小蔵屋」を営むお草のもとに、旧友の初之輔から小包が届く。中身はかつて彼が書いた小説に絵を添えた巻物。お草はその小説を活版印刷の本にしようとして、制作を依頼した印刷会社の個人データ流出事件に巻き込まれ、さらに周囲の人々の<過去>を辿ることに・・。お草さんの想いと行動が心に沁みる一冊。シリーズ第6弾。
−裏表紙より−


前作は展開が早くて面白かったのですが、今回はお草さん自身の問題ではないことが多くて、もどかしい気持ちにもなりました。

メインで描かれるのは、旧友の書いた小説を、こっそりと活版印刷の本にしてプレゼントしてあげよう!というお草さんの素敵な企みについてなのですが、それ以外にも色々と。

中でも久実ちゃんの恋愛模様については、うまくいってほしくて「お草さん何とかしてよ〜!」ともどかしい気持ちが出てしまいました。でも私の思いが届くわけもなく、お草さんは人生経験豊富なので、ほとんど口出しすることもなく、ひっそりと応援するにとどまります。

背中を押してあげたら良いのにとも思いますが、背中を押されて付き合ってもそんなにうまくいくとも思えませんね・・。この件は何とも苦い苦しい終わり方になってしまいました。


また、印刷会社の事件にも巻き込まれてしまいます。そこは複雑になってしまって、イマイチわからない展開だったのですが、活版印刷で本を作るって素敵だなというのはよくわかりました。

推理小説なんかだと雰囲気が違うでしょうけど、恋愛小説や時代小説なんかだったら合いそうです。

本の装丁を考えるのも楽しそうです。私自身には文章を書く能力は無いのですが、誰かのために本を作ってあげるというのは楽しそうです。売れ行きを考えないで良いなら楽しそう。


最後には、旧友とお草さんに何か起こるのか?と予想していたのですが、特に何が起こるでもなく、ふんわりと良い感じで話は終わりました。素敵なプレゼントが出来るセンスのあるお草さんは本当にかっこいいですし、あこがれます。


まだ続きがありそうです。文庫になったら読んでいきます。


<紅雲町珈琲屋こよみ>
「萩を揺らす雨」
「その日まで」
「名もなき花の」
「糸切り」
「まひるまの星」

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タグ:吉永南央

2019年11月07日

椹野道流「時をかける眼鏡 兄弟と運命の杯」

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 椹野道流 著
 「時をかける眼鏡 兄弟と運命の杯」
 (集英社文庫)


ヴィクトリアの婚礼を終えた遊馬たちだったが、平穏な時は続かず、マーキス島に巨大な嵐が襲来する、マーキス王国は多大な被害を受けてしまう。そんな中、嵐で壊れた城壁から発見された隠し部屋の中にマーキス王国がアングレ王国の支配下にあった頃に多大な財宝を隠したと言われる宰相のミイラが見つかる。復興資金に苦しんでいたロデリック達は宝探しに盛り上がるが、新たな災厄の影が!?−裏表紙より−


7作目になりました。相変わらず、異世界に自然と馴染んでしまっているアスマです。

今回は、ヴィクトリアの嫁いだ国を離れ、元のマーキス王国に戻って来ています。

戻って来たのは良いですが、平穏な日常を取り戻すことなく、今度は嵐に見舞われます。


日本育ちのアスマにとっては、嵐はよく経験することなので、国民たちの被害を少なくするために、城の一部を開放して避難所も作ります。もちろん、アスマの医学の知識を使って、救護室のような物も。

王様のいる国で育っていないと、王様の住む城を開放しようという考えって絶対浮かぶことなのですが、王様を崇めている人たちからすれば、王様と同じ屋根の下に入るだけでもものすごく大変な出来事です。

でも国の中で一番頑丈な建物なんですから使おうよ!というアスマの考えはものすごく合理的で、真っ当です。

国民からすれば、自分の住居の一部を自分たちに開放してくれた〜!と大きな感動と感謝の念に堪えないことになり、ただ余っている場所を提供しただけで、国民からの更なる尊敬を受けることが出来て、一石二鳥です。


嵐は丸一日かけて過ぎ去ったのですが、けが人と病人はたくさん出てしまいます。とはいえ、かなり人数は減らすことができ、「王様ばんざ〜い!」となるわけです。

アスマも、城の人たちも全力で助けて疲れ果てている中、いよいよ一作品に一死体の掟が守られます。

とはいえ、今回は最近の死体ではなく、ミイラ。

身元はすぐにわかりましたし、死因を特定することもなかったので、アスマの大事な役目は、この遺体をどうやって民衆の前に登場させて、どうやって海に還すか?ということでした。

偉大な存在だった彼の遺体をいかに劇的な方法で埋葬するか・・。そのために、ミイラを出来るだけそのままの状態で海まで連れていく必要があったのです。

アスマの持てる知識をつぎ込んで、なんとか大役をこなしていきます。


さ、次はどんな困難が待ち受けているのかな? 謎解きはともかく、この国のことは好きなので、どんどん発展していく様子が読みたいです。


<時をかける眼鏡>
「医学生と、王の死の謎」
「新王と謎の暗殺者」
「眼鏡の帰還と姫王子の結婚」
「王の覚悟と女神の狗」
「華燭の典と妖精の涙」
「王の決意と家臣の初恋」


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2019年11月01日

10月のまとめ

警官の目 (双葉文庫)警官の目 (双葉文庫)
警察小説好きにはたまらない作品集でした。今野敏と誉田哲也さんは読んだことがありましたけど、他の2人は初めてでした。他の作品も読んでみようか?と思わされました。特に「シェパード」は好みでした。
読了日:10月03日 著者:五十嵐 貴久,今野 敏,誉田 哲也,三羽 省吾


SROVIII-名前のない馬たち (中公文庫)SROVIII-名前のない馬たち (中公文庫)
房子おばさん少な目の回。ちょっと物足りなく感じてしまう自分が怖い・・。動物に対するあれやこれやは読むのが辛いくらいでしたけど、人に対しては特に大したことない。・・とか思ってしまうのが恐ろしいですけど。人は死んでいるんですから。でも死に方がマシ??
次回の房子おばさんはまたパワーアップしていそうです。
読了日:10月08日 著者:富樫 倫太郎


我ら荒野の七重奏 (集英社文庫)我ら荒野の七重奏 (集英社文庫)
久しぶりの陽子さんは、相変わらず強い女性でした! スカッと爽快な展開ですが、中学の吹奏楽部ってこんなに親が大変な思いをするもんなのか!?そのことにかなりびっくりしました。
読了日:10月17日 著者:加納 朋子


みやこさわぎ (お蔦さんの神楽坂日記) (創元推理文庫)みやこさわぎ (お蔦さんの神楽坂日記) (創元推理文庫)
相変わらずカッコいいお蔦さんと、高校生徒は思えない落ち着きぶりのノゾミちゃんのコンビは素敵。美味しそうな料理と軽い謎解き、そして良い人ばかりの物語は、読んでいてほっこりします。
読了日:10月23日 著者:西條 奈加


あきない世傳 金と銀(七) 碧流篇 (時代小説文庫)あきない世傳 金と銀(七) 碧流篇 (時代小説文庫)
まだ江戸店は始まったばかり。問題山積みですけど、次々と商いのアイディアが浮かぶ所はさすが幸です。店の他の人たちも幸を支えてくれていて、良いお客にも恵まれ、ますます繁盛していきそうです。跡取りも何とか解決すると良いな。
読了日:10月28日 著者:高田 郁


ひなた弁当 (小学館文庫)ひなた弁当 (小学館文庫)
この作家さんの作品は2作目ですけど、同じような雰囲気の話でした。でもそれが爽快で良かったです。ここまで何でもうまく行くとは思えませんけど、物語の中ではこのくらいうまく行ってくれた方がスッキリしますね。日常に疲れているサラリーマンたちに読んでもらいたい作品です。
読了日:10月31日 著者:山本 甲士



全部で6冊。 少なさよりも、早く感想を書いて行かないと・・。

特に印象に残ったのは「あきない世傳 金と銀」です。

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2019年10月30日

乃南アサ「家族趣味」

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 乃南アサ 著
 「家族趣味」
 (廣済堂文庫)


夫と中学生の息子をもちながら家族も仕事も趣味と断言、若い男たちとの恋も奔放に楽しんできた主人公。そんな日常が突然、呆気なく壊れていく・・。
表題作をはじめ、宝石のとりこになった女性の執念を描く「魅惑の輝き」、人望の厚いやり手課長の豹変を描く「忘れ物」など、人間の心の闇を抉った傑作短編5編。
−裏表紙より−


こういう、人間の心の闇みたいなものを描くのが本当に上手な作家さんです。

全ての作品がゾクッとする内容になっていました。


表題作の「家族趣味」は、最終話なのですが、最後に最大級のゾクッとを詰め込んで終わりました。始めはほのぼのとした雰囲気だったのに、徐々に怪しくなっていき、最後は・・。

周りから見ると、お互い名前で呼び合うような家族は仲良さそうですけど、よく考えたら親のことを名前で呼んでいるのはやはり変ですね。仲が良いというか、けじめがない感じにも思えます。

家族って、外から見るのと内の事情は違うもんですね・・。一度壊れたらとことんまでバラバラになっていく感じが怖かったです。この家族は修復不可能だろうな・・。


魅惑の輝き」も怖かったです。買い物依存症、この話に出てくる女性は中でも宝石に依存しています。私は全く買い物が好きではないので、買い物依存症になる心配は無いですけど、女性は多いようですね。

ブランド物の良さや宝石の魅力が全くわからないので共感は出来なかったのですが、「これ」と思ったら押さえられない感情というのは何となくわかります。

それでも大抵の人は抑えきらない感情を抑えて生きているのですが、一度外れたら止まらないのが怖いです。

気に入った宝石を手に入れるために堕ちる所まで堕ちていく状況。怖い世界です。


大好きな作家さんなので、まだ読んでいない本を見つけたら、どんどん読んでいく予定です。


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2019年10月24日

上橋菜穂子「精霊の木」

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 上橋菜穂子 著
 「精霊の木」
 (新潮文庫)


環境破壊で地球が滅び、様々な星へ人類は移住していた。少年シンが暮らすナイラ星も移住二百年を迎えるなか、従妹のリシアに先住異星人の超能力が目覚める。失われた<精霊の木>を求め、黄昏の民と呼ばれる人々がこの地を目指していることを知った二人。しかし、真実を追い求める彼らに、歴史を闇に葬らんとする組織の手が迫る。「守り人」シリーズ著者のデビュー作、三十年の時を経て文庫化!−裏表紙より−


この作家さんのデビュー作ということで、読んでみました。

デビューの時からこんなに複雑な世界観と人物像を描いていたなんてすごい!

複雑な内容で所々わかりにくい場面もありました・・。

詳しい内容を忘れてしまったので、またいつか再読して感想を書きます。


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2019年10月23日

大山淳子「あずかりやさん」

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 大山淳子 著
 「あずかりやさん」
 (ポプラ文庫)


「一日百円で、どんなものでも預かります」。東京の下町にある商店街のはじでひっそりと営業する「あずかりやさん」。店を訪れる客たちは、さまざまな事情を抱えて「あるもの」を預けようとするのだが・・。「猫弁」シリーズで大人気の著者が紡ぐ、ほっこり温かな人情物語。
−裏表紙より−


この文庫の表紙の上に、更にカバーが掛けられて売られています。

そのカバーにはこう書かれています。

それは、栃木の本屋さん「うさぎや」から始まった。「この本を一人でも多くの人に読んでほしい!」書店員たちの情熱は、オリジナルカバーやのれん仕掛けとなって結実し、2500冊という驚異の売り上げを記録することになったー。

つまり、元のカバーでは売れ行きがイマイチだったけど、オリジナルカバーを付けたら売れてきた・・ってこと!?なんだかびっくりな展開です。

カバーのせいばかりではないのでしょうが。書店員さんたちがそんなに薦める本なら面白いだろうと、貸してもらったので読んでみました。


この作家さんは猫弁シリーズを読んで馴染みがあるのですが、視点がコロコロ変わるのが読みにくいと思っていたので心配でした。今回はそこまで気にならずに読めましたが、視点が物だったりするのが読みにくかったです・・。


一日百円で何でも預かる、という店が舞台になっています。一日百円はコインロッカーを考えても安いですね。そして、期限内に取りに来なかったら、その預かり物は店主の物になるというシステム。

一見、良いね!って感じのシステムですけど、要らない物を捨てに来る人がいそうで心配です。実際、そういう人もいたようです。今時、物を捨てるのにもお金がかかるわけで、百円で捨てられたらラッキーですもんね。


店主は全盲の男性。だから、預かる物がどんな物なのか細かくは知ることが出来ません。それでも、持ち前の鋭い感性で、預けに来た人の事情や物の存在意義などを推理していくことで、色んな人たちを助けていきます。

そんな店主のことを、店先に掛けられているのれんや、客の座る座布団、店にあるガラスケースなどが温かく見守りつつ、語り部となって物語を進めていきます。


終始、温かい雰囲気の流れる物語でした。特に大きな盛り上がりもなかったですが、ほっこりできる内容で、殺伐とした小説などを読む合間に読むにはぴったりです。

続編も出ているようです。彼がどんな人生を歩んでいくのか気になるので、いつか読んでみようと思っています。


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タグ:大山淳子
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2019年10月21日

買った本

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  伊坂幸太郎 著
 「アイネクライネナハトムジーク」
 (幻冬舎文庫)


気になっていた作品です。やっと買って読めました。


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 富樫倫太郎 著
 「SRO[」
 (中公文庫)


ずっと追っているシリーズ。グロさがマシなのが、物足りなく感じるのが怖い・・。


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 ゆきた 志旗 著
 「Bの戦場 さいたま新都心ブライダル課の攻防」
 (集英社文庫)


ネットでの感想を読んで面白そうだったので購入。


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 「警官の目」
 (双葉文庫)


アンソロジーです。お気に入りの作家さんが入っていたので購入です。

2019年10月07日

山本甲士「がんこスーパー」

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 山本甲士 著
 「がんこスーパー」
 (ハルキ文庫)


リストラの憂き目に遭いつつも転職口が見つかりホッとしていた中年男・青葉一成。だがそれもつかの間、今にも潰れそうな弱小スーパーの副店長として派遣されることになってしまう。ミッションはもちろん売り上げアップ。しかし、店長には他店のスパイと疑われ、パートの面々もやる気なし。逆境のなかで、ある日ご近所の老女からヒントを得た青葉は、崖っぷちスーパー再生のために立ち上がる! 第二の人生を豊かにしたい人へ贈る、栄養満点の温かな物語。−裏表紙より−


初めましての作家さんです。

いきなり主人公がリストラされそうになっているところからスタート。でも彼・青葉は転職口があるので安心していたら、実はその就職先が潰れそうなスーパーだったとわかり、一気に落ち込みます。

近くに大手スーパーがあって、ほとんどの客を取られてしまっている状況のスーパー。その店をどうすれば立ち直せるのか?

スーパーの副店長という立場で行ったところ、店長からはスパイと疑われ、なかなか意見が通りません。そういうときに味方にすべきはパートのおばさまたち!

色々と話を詰めていくと、実はおばさまたちにも意見があって、それを取り入れていったら、青葉の意見も聞いてくれるようになります。こうやってうまくいくのは、パートさんたちがやる気がある場合だけですけどね。もしとりあえず自給さえもらえれば、という考えの人ばかりだったら、働く環境を変えようなんてこと思わないでしょうから。


まず始めたのは、お客さんに親身になって対応すること。来てくれる数少ない客を逃がさないでおこうという作戦です。笑顔で挨拶をし、手助けが必要なら声を掛け、何でもいいから会話をする。たったこれだけでも、パートさんも笑顔が増え、明るい雰囲気になりました。

確かに良い方法ですね。でも、私のように知らない人とは会話したくない人間にとっては、行きたくないスーパーですけど・・。


次に改革したのが、地元で採れる野菜の販売でした。「がんこ野菜」と名付け、地元の人が作った野菜を、作った本人の設定した値段で販売します。その野菜を使ったお惣菜も販売したところ、高評価!

お陰でどんどん経営も持ち直してきます。そうなると、少し余裕も出てきて、店内の細かい部分を修理したり、改装したりすることも出来て、良い方向に転がっていくんですね。


はっきり言って、こんなに簡単に経営が持ち直すなら苦労しないよ!というご都合主義的な展開なのですが、この話の場合はこれで良いと思います。とはいえ、もう1〜2回くらい何か展開があっても良かった気はしますけど・・。もう少しページ数を増やして。

大手のスーパーに出来ないことを、地元の小さいスーパーがやってくれたら、利用客としては本当に助かりますし、理想的ですよね。2軒回ればすべて揃うという状態になれば本当に素敵。

最後のオチも何となく見えてしまいましたが、想像通りの展開になってくれたことで、安心して読み切ることができました。


初めて読んだ作家さんでしたが、他も面白そうなので読んでみようと思っています。


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タグ:山本甲士
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2019年10月04日

霜月りつ「神様の子守はじめました。3」

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 霜月りつ 著
 「神様の子守はじめました。3」
 (コスミック文庫α)


次世代の白虎・朱雀・青龍・玄武の四神を育児することになった普通の人間である羽鳥梓は毎日起こるトラブルにてんやわんや。外道に堕ちた魔縁天狗に襲われたり、他の神様のいさかいに巻き込まれたり。その上、毎日の生活費もばかにならず、なんとか賄おうと神子たちと一緒にバイトをするハメに。まだ幼児の神子たちに人間の生活を教えていく梓だったが近所の人々との交流も増え、少しずつ神子たちは自我も芽生え始めて・・。。−裏表紙より−


「花見に行く」「ホットケーキを食す」「モノノケ退治する」「バイトをする」「遊ぶ」の5話です。

それぞれの話で、四神たちは大活躍をみせます。


1話目はお花見に行くことになりますが、彼らのお花見は当然、世間のお花見とは一味も二味も違います。人間ではないモノたちと花見という名の宴会を繰り広げます。

ちょっとしたハプニングが起きるのですが、育て人の梓のことが大好きな彼らは、全力で梓を守って助けていきます。


2話目は題名から想像できる通り、ほのぼのとした展開。そうか、ホットケーキを食べたことがないのか・・と納得。何でも経験させてあげたいと考えている梓は、作ったことないのにホットケーキ作りに挑戦! 

パンケーキなんて名前で店に行列が出来て、ブームになっていますが、やっぱり昔ながらの家で食べるホットケーキも美味しいですよね! これを読んでいたら久しぶりに食べたくなりました。


3話目、4話目はちょっと似た雰囲気の話でした。バイトをするといっても、普通のバイトではなく、怪しい物を退治することなので、結局同じような感じ?

梓はほとんど役に立ちませんが、神子たちの大活躍によって、無事に任務を果たします。

しかし、神子を4人も預かって育てているというのに、給料も生活費も少なすぎでしょう! 固定資産税なんていう生臭い話まで出てきて、これからの梓がかわいそうです。


5話目はとってもほのぼのする話です。神子たちと、とある女性との心温まる触れ合いに、読んでいても微笑んでしまうくらいでした。

良い子に育っているな〜と人間の子を見るような気分で見てしまっています。


今のところ平和な日常ですが、そのうち反抗期なんて迎えてしまうのか?? 成長がものすごく早いので周りも不思議に思うでしょうし、どうなっていくのか続きも楽しみです。


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タグ:霜月りつ